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6 専門医養成の在り方

 
 医師の養成においては、まず医師として必要な基本的知識、態度及び技能についての6年間の医学部教育を経た後、基本的な診療能力を幅広く身に付けるための2年間の新医師臨床研修が義務付けられており、その後、必要に応じて、3〜5年程度の専門医資格を取得するための専門医研修が行われている。

 このように、専門医の養成に至るまでに10年程度の長期間の養成システムが不可欠であり、しかも、1施設のみで医師の養成のすべてを担うことは困難であるとともに医師が多様な経験を積むためには好ましくない。

(医師養成システムの構築)
 したがって、特に、新医師臨床研修修了後は、地方公共団体や地域の医療機関と連携し、大学病院や地域の多様な医療機関をローテートしながら修練や経験を積むことにより、医師としてのキャリア形成が可能となるような医師養成システムを構築することが必要である。

 その上で、大学病院は、自ら積極的に専門医養成の場の提供や養成プログラムの充実を図った上で、地域の医療機関等と連携し、このような医師養成システムの構築に中核的な役割を果たすことが求められる。

(幅広い診療分野等への対応)
 また、大学病院における専門医養成においては、医師の分野別偏在の指摘も踏まえつつ、幅広い診療分野においてバランスよく専門医を養成していくことが期待される。その際、一時的に診療から離れていた医師も含めて専門医資格の取得を希望する様々な年代の医師に対しても専門医研修を提供することが望まれる。

(新医師臨床研修と連動した取組等)
 さらに、医療人のキャリア形成や生涯学習の中で、新医師臨床研修と専門医研修との関係の明確化が図られることも望まれる。このような観点から、大学病院における専門医研修としての総合診療医の養成システムの構築等新医師臨床研修で培った総合的診療能力を高めるための取組や、新医師臨床研修と専門医研修の到達目標の整合性の確保等にも取り組むことが求められる。また、新医師臨床研修については研修内容が標準化され指導方法等も普及しているが、専門医研修についても、学会等とも連携しながら、研修内容の標準化等も含めた研修プログラムの改善・充実を図ることが望まれる。

(大学院教育と連動した取組)
 さらに、大学院における人材養成に係る目的の明確化やコースワークのカリキュラムの工夫・改善を図った上で、専門医養成における大学院の取組の充実や、大学院と大学病院との連携の充実を図ることが必要である。具体的には、大学院のコースワークの中に専門医資格取得のための教育内容を盛り込むとともに大学病院における実施修練を充実させる取組や、大学病院の専門医研修者が大学院にも在籍し博士号を取得することができる取組の推進とそのための体制の整備が求められる。

 各大学においては、19年度から実施される「がんプロフェッショナル養成プラン」等の国の支援方策も活用しつつ、大学院と大学病院が連携して、がん専門医等をはじめとした専門医の養成の充実に取り組むことが望まれる。

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