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廃止措置に係る計画の認可
原子炉の廃止については、これまでの解体届に代わる制度として、原子炉の廃止に先立ち、原子炉設置者が廃止措置に係る計画書を策定し、国が認可を行う制度とすることが望ましい。
また、核燃料物質の使用についても、同様に、施設・設備の廃止に先立ち、核燃料物質の使用者が廃止措置に係る計画書を策定し、国が認可を行う制度とすることが望ましい。その際、核燃料物質の使用については、1g以上のプルトニウムなど原子炉等規制法施行令第16条の2に定める核燃料物質を使用する施設と、それ未満の量の核燃料物質を使用する施設で、使用期間中に課せられる規制の内容も異なることから、それらを考慮した技術基準を適用することが望ましい。
当該廃止措置に係る計画書に記載すべき内容としては、これまでの試験研究用原子炉施設の廃止に係る安全規制の運用を踏まえ、解体の方法、解体の工程、核燃料物質や放射性廃棄物の廃棄の方法、安全評価等を含むものとすることが考えられる。
また、原子炉の廃止措置は長期間を要し、その作業も、原子炉からの核燃料物質の撤去などの原子炉の運転機能停止措置段階、密閉措置及び附帯施設の撤去段階、原子炉本体及び建家の撤去段階など段階的に実施されていくことから、当初から廃止措置の全工程について詳細な計画を確定させることは必ずしも合理的ではなく、廃止措置に係る計画の認可申請にあたっては、廃止措置期間全体を見通した計画としつつ、詳細な計画を分割した申請を可能とすることが合理的である。また、核燃料物質を使用する施設についても、原子炉等規制法施行令第16条の2に定める核燃料物質を使用する施設の廃止措置には、長期間を要し、その作業も段階的に実施されていくものと考えられることから、同様の申請を可能とすることが合理的である。このほか、廃止措置に係る計画を変更しようとするときは、原則として認可を要すものとすることが必要と考える。
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廃止措置の開始時点
試験研究用原子炉施設については、廃止の対象となる原子炉の廃止措置に係る認可を受けた時点をもって廃止措置の開始とすることが妥当である。また、核燃料物質の使用については、廃止の対象となる核燃料物質の使用施設の廃止措置に係る認可を受けた時点をもって廃止措置の開始とすることが妥当である。
また、廃止措置に係る計画書について、国の認可を受けた時点をもって、それまで許可等を受けていた原子炉の運転や核燃料物質の使用といった行為は禁じることとする必要があると考える。なお、廃止に係る計画書の認可後に、運転や使用を再開させる場合には、そのことに対する手続きが、別途必要であると考える。
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廃止措置終了に対する国の確認
廃止措置の終了に際しては、原子炉設置者等は、核燃料物質を譲り渡し、核燃料物質による汚染を除去する等した後、それら講じた措置に関する報告を添えて主務大臣あて廃止措置完了に係る確認のための申請を行うことが必要であると考える。
主務大臣は、当該申請を受けた後、その内容について確認を行うものとすることが考えられる。この確認にあたっては、予め確認の基準を明確にし、それを満足するものである場合に確認がなされたものとする必要があると考える。
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整備すべき技術基準についての基本的考え方
廃止措置に係る計画書の認可にあたっての基準は、これまでの廃止に係る安全規制の経験等を踏まえ、今後詳細に検討を行う必要があると考える。
また、廃止措置終了に対する国の確認の基準は、当該施設の跡地や施設そのものを引き続き原子力分野で利用することの他、原子力以外の分野で再利用することも念頭に置き、後者の場合には放射線障害防止のための特段の規制を要しないよう、クリアランスレベル等他の基準等との整合を図りつつ今後検討を行う必要があると考える。 |