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課題6 文化芸術活動に関する情報収集・発信をどのように進めるか

方策18
 インターネット等を活用して全国に向けての情報発信を積極的に行う
 地域で行われている文化芸術活動を積極的に発信し,広く地域住民に理解,支持してもらうことは,地域文化の振興に極めて重要である。また,地域における文化芸術活動を地域住民のみならず,全国に向けて発信することにより,他の活動に影響を与えたり,外部からの評価を受けたりすることが可能となり,その文化芸術活動が一層活性化することが期待される。情報発信は事業を紹介するだけでなく,活動への参画を促す手段にもなるが,情報発信の手法やノウハウが蓄積されておらず,人材も不足しており,有効な対策が求められている。

(事例23)インターネットを活用した情報発信の事例
  例: 広島県立美術館友の会ボランティアによる美術館ホームページの作成支援
 広島県立美術館には,「広島県立美術館友の会」の中にボランティア組織があり,常設展の解説(ギャラリーガイド)や資料整理の補助などの美術館における様々な活動を行っている。「友の会」は,美術館が募集し,その組織下で運営されている他の美術館ボランティアとは異なり,その運営や活動をすべてボランティアが行っており,会長や事務局長もボランティアが務め,「友の会総会」による意思決定の下で,会員の自主的な活動が可能となっている。友の会の活動は七つのグループに分かれているが,その一つに,ホームページグループがあり,「友の会」のホームページを作成・管理するとともに,広島県立美術館のホームページにおけるデータ入力の補助も行っている。ホームページグループには,6〜7名のボランティアが所属し,電子メールを活用して活動を行っている。友の会ホームページ上では,ほぼ毎月更新される「友の会ニュース」には友の会からのお知らせやイベント情報のほか,美術に関連する情報も掲載されるなど,最新の情報が分かりやすく掲載されている。美術館や文化会館でホームページ等による情報発信は活発になされているが,ボランティア団体が自らホームページを作成・運営して,積極的にボランティア活動を発信しつつ,美術館自体の活動を広く広報している事例は稀である。
 「友の会」でこうした情報発信が成功しているのは,ホームページの作成・運営に関心を持つボランティアグループを結成し,自主的に内容を検討し,友の会の会報誌「色絵馬」の編集と併せてホームページ内容の更新を図る工夫を行っているためである。

 文化施設や文化芸術団体の活動を発信する手段として,インターネットをはじめとする情報通信技術の活用は,少ない費用で広範な地域に自らの情報を発信できるという点で極めて有効である。しかし,そのためには,文化芸術活動の情報を収集する人,情報を発信する人などその役割を的確に区別して,その人材を適切に養成し登用する必要がある。



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