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1 コンテンツ産業国際展開のアプローチ方法

1. 国際プロデュース機能の強化

(1) 問題意識
1 ジャンル・地域による受容性の違い
 アジアの諸国・地域において日本コンテンツに対する受容性は相対的に高いといえるが、コンテンツ・ジャンルや地域によって大きな差が存在しているのが実状である。
日本コンテンツを「よく見る」割合
 上記のインターネット調査の結果に本WGでの議論を加味すると、日本のコンテンツに対するアジアにおける受容性に関する全体的な状況は、下記のように整理できる。
 マンガ、アニメ(VCD)では流通量が多い一方で、海賊版による被害が依然大きいことや、飽和感が生じる懸念も指摘されている。ゲームは韓国に代表されるオンラインゲームがアジア各地で急速に伸びているものの、アジア各地のゲーム関係者からは日本のゲームがもっと流通することを期待する声も多数聞かれている。
 映画は国際映画賞受賞作品の増加などの影響もあり、日本映画に対する関心は高まっているものの、作品自体やビジネス化に向けた情報が不足していることから流通量は限定的である。音楽についても日本国内市場があまりに大きいため海外市場に対して日系事業者は積極的な事業展開を行ってこなかったこと、各地でローカルポップスと欧米ポップスが高い市場シェアを占めていること等から、日本音楽の国際展開にはさらなる努力が必要である。
 ドラマやバラエティ等のテレビ番組では、90年代のヒットを持続・拡大させようとする姿勢が日系事業者に見られなかったため今日の日本テレビ番組の流通量減少につながっているのではないか、という指摘がアジア各地の事業者から多数伝えられている。また、各国テレビ局の制作力は格段に向上しており、中国、台湾、韓国、タイ、インドネシア各地で国内のドラマ番組競争は熾烈なものとなっている。

2 ジャンル・地域を超えた視点の必要性
 アジアにおける日本コンテンツの受容性は、ジャンル・地域により大きな違いが存在しており、その背景にはローカル・コンテンツの充実、他の外国コンテンツのシェア向上といった市場環境、現地の文化・社会・制度的環境の他、日本サイドからの情報伝達不足など多岐にわたる要因が影響している。
 多様な受容性の現状に適応した国際展開が必要となるが、特定のジャンル・地域にのみとらわれていては、日本のコンテンツ産業全体を広く国際展開していくことは困難となる。このため、ジャンル・地域を越えた視点から日本コンテンツ産業の国際展開をプロデュースしていく機能が不可欠である。
ジャンル・地域ごとの受容性
(2)提言
−提言1 国際プロデュース機能の強化−
アジアにおける日本コンテンツの受容性は、ジャンルや地域により異なるため、どの地域に、どの作品を、どのような形で提供していくべきかを判断する機能が不可欠である。
現地の文化・社会環境、メディア環境、消費者環境などを総合的に評価して、コンテンツ・ビジネスを推進するプロデュース機能の確立が求められる。

例) 国際プロデューサー機能が要請される状況
ドラマは情報提供が不足する一方、ローカルドラマや他国ドラマにより認知度が低下
アニメ、マンガは広く受容されておりこうしたトレンドの維持・拡大が重要
ポップスは欧米のほか現地コンテンツが高いシェアを占めており工夫が必要
日本映画の認知度自体がまだ高いとはいえない状況にある


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