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著作権分科会 法制問題小委員会(第2回)議事録・配付資料

1.日時

平成20年4月24日(木曜日)10時〜12時

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.出席者

(委員)

青山、大渕、清水、末吉、土肥、苗村、中山、前田、松田、村上、森田 の各委員

(文化庁)

高塩文化庁次長,吉田長官官房審議官,山下著作権課長,ほか関係者

(説明者)

澤氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 公共経営・公共政策部)
福井氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 公共経営・公共政策部)
井筒氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 情報・産業研究部)

4.議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    • (1)「デジタルコンテンツ流通促進法制」について
    • (2)私的使用目的の複製の見直しについて
    • (3)その他
  3. 閉会

6.議事内容

【中山主査】

 それでは時間でございますので、ただいまから文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の第2回を開催いたします。
 本日はご多忙中、ご出席を賜りましてまことにありがとうございます。
 議事に入ります前に、本日の会議の公開につきましては、予定されている議事内容を参照いたしますと、特段非公開にするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方々にはご入場していただいておりますけれども、これでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【中山主査】

 ありがとうございます。
 それでは、本日の議事は公開ということにいたしまして、傍聴者の方々にはそのまま傍聴をお願いいたします。

(1)「デジタルコンテンツ流通促進法制」について

【中山主査】

 それでは、議事に入ります。
 まず、事務局から配付資料の説明をお願いいたします。

【黒沼著作権調査官】

 お手元の議事次第の下半分に、また配付資料一覧を記載してございます。
 本日、資料4点、それから参考資料3点をお配りしてございます。
 なお、資料2につきましては、報告書の概略版というものですけれども、メインテーブルだけですが、全体版もお配りしてございます。適宜、ご参照いただければと思います。
 過不足等ございましたら、ご連絡をお願いいたします。

【中山主査】

 よろしいでしょうか。
 本日検討していただきたい事項は2点でございまして、1番目はデジタルコンテンツ流通促進法制、2番目は私的使用目的の複製の見直し、この2点でございます。
 1番目のデジタルコンテンツ流通促進法制につきましては、昨年の小委員会で、インターネット上で行われている新たな創作形態については、まずはどのような実態であるのかを調査して、その上で課題を整理すべきであるとしておりました。
 今回は、その実態調査の結果を報告していただきまして、その後必要な検討課題について議論をしていただきたいと思います。
 2番目の私的使用目的の複製の見直しにつきましては、前回の小委員会で、社団法人コンピュータソフトウエア著作権協会から、インターネット上で流通している違法コンテンツの実態状況についてのヒアリングを行いましたので、その結果を踏まえましてプログラムの著作物の取り扱いについて論点ごとに議論をしていきたいと思います。
 それでは、まず最初にデジタルコンテンツ流通促進法制について、配付資料の説明をお願いしたいと思います。
 なお、本日は三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社より公共経営・公共政策部の澤客員研究員、福井主任研究員、それから情報・産業研究部から井筒研究員にもお越しいただいております。
 なお、三菱UFJリサーチ&コンサルティングから報告していただく資料2につきましては、まだ報告書の文案について調整中の部分もあるということでございますので、本日は、全体版はメインテーブルのみの配付とさせていただいておりますけれども、ご了承ください。
 それでは、よろしくお願いいたします。

【黒沼著作権調査官】

 それでは、まず私のほうから資料1に基づきまして、これまでの経緯について簡単にご紹介をさせていただきたいと思います。
 資料1の1のところが「これまでの経緯」でございます。昨年の知的財産推進計画やいわゆる骨太の方針などで、デジタルコンテンツ流通促進法制を2年以内に整備すると言われておったわけですけれども、必ずしもその課題内容が明確ではない面がございまして、昨年の小委員会でこちらの中身や背景について分析を加えていただきました。その結果、中身としましては大きく2つあるだろうということで、1番目としては、過去にインターネット以外の流通媒体での利用を想定して作成されたコンテンツをインターネットに二次利用するに当たっての課題ということで、もう一つが、インターネットを活用して創作が行われていて、制作や流通の概念で分けることが困難な形態、その他不特定多数がかかわって創作、利用が行われる形態などに関する課題というようなことで、大きく2つに分けていただきました。後者のほうにつきましては、必ずしもまだ利用実態がどういうものがあるのか、いろいろなものがあるかもしれないと言われておりましたが、はっきり具体にどういうものがあるのか、あるいはそれについての著作権法上の課題はどういうものがあるのか明らかになっていないということもありましたので、まずは実態調査を行ってみてはどうかということで、昨年度はおまとめをいただいておりました。
 それを受けまして、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社のほうに実態調査をお願いしたという経緯でございます。

【澤氏】

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの澤と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元資料2の「インターネットの普及に伴う著作物の創作・利用形態の変化について」ワーキンググループ検討結果整理報告書を簡単にご説明させていただきたいと思います。
 まずページをめくっていただきまして、1ページ目でございます。
 第1章、調査の概要でございます。
 調査の目的でございますが、まさに今黒沼さんがおっしゃったとおりでございます。実態調査が必要ということで、私どものほうで実態調査を担当させていただきました。
 2.調査の方法でございますが、まず(1)といたしまして「著作物の創作・利用形態の変化がもたらす課題の抽出」ということで、この課題を抽出するために新しい著作物の創作・利用形態と関連した事業にかかわります企業10社の実務家の方々、主にインターネット関連のビジネスをやっている企業の方々に対しましてヒアリングを行いまして、具体的な事業におきまして実際に著作権法が問題となり得る点、あるいは従来問題とならなかったのですが、インターネットを介することで初めて問題となる点等々につきましてお話をお伺いいたしました。
 それから、このような分野の問題に関心を持ちます研究者あるいは弁護士の方々、有識者4名の方にもあわせてお話を伺いました。
 その結果、2ページにまいりまして、課題としてたくさんのご指摘がございました。
 2ページ、(2)に「著作権法上の課題の整理」とありますが、これは合計14回のヒアリングを通じて出てきた課題につきまして、私どものほうで整理をさせていただいたものでございます。
 著作物の創作・利用形態の変化がもたらす課題といたしまして、まずインターネット特有の法的論点といたしまして、(1)権利制限規定の追加、(2)違法コンテンツのダウンロードの違法化、(3)ストレージサービス等に関する諸問題について、です。
 ここでストレージサービスは、脚注にありますように、サービス事業者がインターネット上でハードディスク等のストレージを提供するサービスというように定義しております。ここでは、実際に課題として指摘がありました、例えば動画共有サービスですとか、写真の共有のサービス等も含めましてストレージサービス等ということで、整理をさせていただいております。
 それから、(4)ファイルシェアリングの法的評価について、(5)みなし侵害規定のインターネットへの対応について、(6)ストリーミングデータの固定化ソフトの開発・流通の違法化についてです。
 次に、大きく2.のほうにまいりまして、従来から指摘されてきた法的論点で、インターネットの普及に伴う著作物の創作・利用形態の変化により、特にクローズアップされてきている法的論点というものといたしまして、(1)著作権者確認の困難性への対応、また、(2)著作者不明著作物の利用の困難性への対応、(3)著作者が特定されている場合の許諾の円滑化、(4)複数者のマッシュアップによって制作された著作物の利用の困難性への対応です。
 ここでマッシュアップという言葉を使っておりますが、これはここでは時間をかけまして複数の人たちがインターネット上で1つの作品をつくりあげるということを指しております。例えば、電子掲示板による作品ですとか、あるいはウィキペディアのような複数でつくる百科事典のようなものを想定しております。そのような作品には、完成形というものが基本的にはなくて無限に発展することが多いという特徴を持つものと思っております。
 それから、(5)権利制限規定の追加・明確化、(6)権利制限規定の包括条項等の導入についてです。さらに、3.その他の論点です。14件のヒアリングを通じましてこのように課題として出てきたものを単純に整理させていただいたのが、こちらの2ページのものでございます。
 次に、3ページにまいりまして、著作権法上のこれらの課題につきまして分析と解決方策を検討しようということで、ワーキンググループを組成させていただきました。
 立教大学の上野先生に座長をお願いいたしまして、神奈川大学の奥邨先生、筑波大学の平嶋先生、それから企業からコナミデジタルエンタテインメントの深野さん、それかヤフーの別所さんにおいでいただきまして議論を行っていただきました。
 これらすべてを検討するというよりも、この2ページの課題の中でも特に課題として重要性が高いと思われるもの、また文化審議会著作権分科会等で課題解決に向けた本格的な議論が余り進んでいない課題に焦点を当てまして、課題の発生している状況について明確化・共有化するということとあわせまして、課題解決のための方策等について検討をしていただきました。この報告書は、このワーキンググループでの検討結果をまとめさせていただいたものでございます。
 4ページにまいりまして、ワーキンググループの開催概要でございます。
 丸1日かけまして2回にわたり開催いたしました。
 5ページ、第2章にまいりたいと思います。
 抽出した課題についての概観でございます。
 先ほど2ページでご紹介いたしました課題、これは先ほども申し上げましたように、新しい著作物の創作・利用形態と関連した事業に携わります主に実務家の方々に対しましてお話を伺いまして、具体的な事業において実際に著作権法が問題となり得る点、あるいは従来問題とならなかったが、インターネットを介することで初めて問題となる点等々につきましてお聞きしたものです。
 皆様、この課題の一覧をごらんになりまして、実際には文化審議会の著作権分科会等々におきまして、既に検討がなされている課題が多く含まれているということをお感じになろうかと思います。これは、これまでに課題は認識されていても立法が追いついていないために重ねて指摘されているというように考えることができますし、また、あるいはインターネットは著作権法の抜本的な見直しが必要なほど新しい問題点を生じさせているわけではなく、だから指摘されている課題の多くは既に過去に検討がなされているというように考えることもできるのではないかと思います。いずれにいたしましても、既に検討が着手されているという事項以外につきまして、このワーキンググループにおきましてその課題の状況と背景を分析するということを試みました。
 結果といたしまして、ネットワークを介しました多数の者によるリソースの共有、例えばストレージサービスや複数人によるマッシュアップ、あるいはファイルシェアリングといったような、多数の者によるリソースの共有から生じる問題というものを中心的な素材として取り上げることとなりました。
 また、権利制限規定の見直し自体は、著作権分科会でも検討はされているというものも、具体の見直し対象とされていない事項で、インターネットの普及と関連の深い事項につきましては、ここでも検討の対象といたしました。
 続きまして、6ページ、第3章は、今回ご説明の中から割愛させていただきたいと思いますが、ワーキンググループの検討内容といたしまして大きく5つに整理をさせていただきました。
 1つ目が、ストレージサービス等に関する諸問題について、それから2つ目が、ファイルシェアリングの法的評価について、3つ目が、複数者のマッシュアップによって制作された著作物の利用の困難性への対応について、4つ目が、権利制限規定の見直しについて、5つ目が、その他の全体的または共通する問題点についてです。
 次に、恐縮ですが、34ページに飛んでいただきまして、第4章の、これらのワーキンググループ検討内容を踏まえましたまとめでございます。
 ワーキンググループにおきまして、先ほどの大きく5つの点につきまして検討を行いました。現時点では、それぞれの課題につきまして必ずしも精緻な分析を行えているというわけでは当然ございません。また、ワーキンググループの中でも異なる見解を持つ場合も多々ございました。ただ、ワーキンググループの議論におきまして、この課題を考察する上で共通する背景として幾つか浮かび上がってきたものがございますので、簡単にご紹介させていただきたいと思います。
 まず、冒頭に申し上げましたように、この課題は大きく2種類に分類できるのではないかということです。1つは、ストレージサービスやファイルシェアリング、マッシュアップなど、ネットワークを介した多数の者によるリソースの共有から生じる問題。もう1つが、権利制限規定の見直しの問題ということでございます。
 まず1つ目です。多数の者によるリソースの共有から生じる問題につきまして、幾つかの点でワーキンググループでも検討いたしました。そのうち、まず、著作物の利用行為の主体をだれととらえるかによって法的評価が大きく変わってくるという問題に着目した場合、例えば、皆様ご存じのように、従来から、使用者の手足としてその支配下にある者に具体的複製行為を行わせるということは、私的複製として一定の範囲で許されていたのですが、コピー業者に複製を委託する場合には、その複製の主体はコピー業者になるというように、利用行為の主体によって法的評価が異なるということが従来から問題として指摘されております。
 このように現行の考え方に、ある一定の合理性があるといたしましたら、ストレージサービスに関する複製の主体がどのように判断されるかによって責任が変わってしまうという問題は、従来からあった問題の延長に過ぎないのではないかというように考えることもできるのではないかということが、ワーキンググループで指摘されました。
 ただし、逆に、従来から既に問題を含んでいたのではありますが、インターネットの普及に伴いまして、多数の者によってリソースを共有することが大規模になって顕在化してきたというような見方もできまして、その場合にはさらに分析が必要となるということも考えられるということでございます。
 次に、2つ目でございます。
 多数の者によるリソースの共有から生じる問題について、私的領域かどうかの境界線の判断に幅が生じてきているということに関する問題に特に着目した場合、従来は私的領域であれば権利者の不利益は大きくないということが一般的であったため、私的領域であれば権利制限の対象とするなどの現行法の考え方はある程度合理的であったと言えるのではないかと考えられます。ところが、ネットワーク等の普及に伴って、権利者に不利益を与える利用態様が多様化しているという中で、権利制限の対象とする判断基準が現状と同様の私的領域ということでよいのかどうか、あるいは新たな判断基準が必要なのかを検討することが課題となっていると言えるのではないかというような指摘がございました。
 次に、3つ目です。
 複数者のマッシュアップによって制作された著作物について生じている問題につきましては、マッシュアップによって制作された著作物の二次利用が困難であるということが問題点として指摘されております。これは、従来から指摘されております、例えば放送番組など複数権利者の著作物の二次利用等の際の問題と、基本的には同様の問題と考えることもできるのではないかということでございます。
 ただし、一方、インターネットの普及に伴いまして、このような著作物がふえると同時に、個々の著作物にかかわる権利者の数が膨大な数に上るという点から、従来の放送番組の二次利用等の問題とは別に、特に何らかの問題点が顕在化しているという可能性も否定はできないのではないかと思われます。
 また、これらのマッシュアップに関しまして、サービス等によっては黙示の許諾や慣習に依存しているという場合があり、このように明文のルールとなっていない場合には今後の問題となってくるという可能性もあろうということで、さらなる分析・検討が必要ではないかということでございます。
 次に、4つ目でございます。
 先ほど大きく2つに分けました後者の権利制限の見直しにつきましては、個別の権利制限規定の改正が追いついていないということからくる問題が多いというように考えられますが、現実には包括規定の導入など、権利制限規定の見直しが必要というような意見も出されました。
 最後に5つ目でございます。そもそもインターネットというのは現状の著作権法自体では根本的に対処できないほどの変化をもたらすものであるのか、あるいは著作権法のマイナーチェンジによって対応可能な個別の問題に過ぎないのかという点につきまして、ワーキンググループの委員の中では議論が大きく異なりました。現段階では、どちらの可能性も否定できないということでございます。ただし、どちらの場合であっても、個別具体的な問題の場当たり的な対応だけではなくて、目指すべき政策目標を掲げた上での立法を目指すべきであると考えられるということでございます。
 また、現行の著作権法の改正が必要な面はあるものの、日本においてコンテンツ流通に係るビジネスが仮に余り進展していないということであるとするならば、その原因は必ずしも現行著作権法のみにあるわけではなく、しっかりとしたビジネスモデルの構築の必要性など他の面も忘れてはいけないだろうということでございます。
 以上、非常に雑駁ではございますが、ワーキンググループの検討結果の整理ということで簡単にご報告させていただきました。ありがとうございました。

【黒沼著作権調査官】

 それでは引き続きまして、また資料1のほうに戻っていただきまして、今ご報告いただいたような実態調査の抽出された問題背景などを踏まえまして、本小委員会として、これらの問題意識の中から、具体的にどのような課題を抽出していくべきなのかということで、多少抽象的な、もともと実態がよくわからない部分の議論ではあるので、難しい議論ではございますけれども、仮にということで幾つか課題を設定させていただきました。
  1は、先ほどご報告があった点でございますけれども、ストレージサービスなどに関しまして、著作物の利用主体がサービス事業者なのか、それともサービスの利用者なのか、そのどちらに判断されるかによって法的評価が変わって、新規事業がなかなか起こしにくいというような事業者の不安もあるという指摘もありましたので、これについてどのように課題を設定していくのかということでございます。本小委員会で著作物の利用主体ということに関連した課題ということで言いますと、既に司法救済ワーキングチームにおきまして、いわゆる間接侵害に関連する課題としていろいろと検討がなされているところでございますけれども、こういった課題に引き直せるものなのかどうか、それともこういった課題では引き直せない、新たな課題として何か検討すべき事項があるのか。調査研究の報告書の中でも、従来からあった問題の延長に過ぎないのではないかという指摘と、従来からあった矛盾が表面化したのではないかという指摘などいろいろあったと伺いましたけれども、どのような本質がこの問題に含まれているのか、ご指摘を賜れればと思っております。
  2は、不特定の複数の者によるマッシュアップによって制作がされた場合に関する問題でございますが、報告書の中では当面、それ自体に大きな問題が生じているというわけではないとはいえ、暗黙のルールなどによって支えられている場合があって、明確な取り決めがない場合には、その後の二次利用の場面で不都合が生じるというご指摘もありました。この点に関連しまして、二次利用ということの関連で言いますと、過去に制作されたコンテンツの二次利用に関する課題につきましては、権利者不明の場合などの利用円滑化方策が過去の著作物の小委員会で別途検討されているところでございます。これに引き直せないような課題がさらにほかにあるのかどうか。特にインターネット上ですと、権利者はわかっていて所在が不明ということ以上に、例えば権利者がそもそも誰かわからないという問題などいろいろあろうかと思いますが、これ以外に特に設定すべき課題があるのかどうか、またこの問題の本質がどこにあるのかなど、これも抽象的かもしれませんが、ご指摘を賜れればと思っております。
  3は権利制限規定の見直しですが、関係者からの要請としましては、包括的な権利制限規定ですとか、そのほか、この報告書の概略版では省略されている部分でございますけれども、実態上黙認されているような二次創作形態、あるいは写り込み、そういったものについての権利制限の検討についても要請があったところでございます。
 それから、先ほどご報告がありましたけれども、今まで私的領域で行っていた行為であれば権利制限の対象であったけれども、それと同等の行為をネットワークを介して行った場合には権利制限の対象外になってしまう場合があるというようなこともあって、私的領域か、その外になるかで法的評価が異なってしまうことについて、権利制限の基準をどう考えていくか、新たな判断基準が必要なのかを検討する必要があるというご指摘をいただきました。これにつきまして、どのようにとらえていくべきなのかご議論をいただければと思います。
 別途、私的使用目的の複製の範囲の見直しについては議論されていますけれども、今後の権利制限の見直しについてどのような考え方を指針としていくべきなのか。言いかえればそういう課題になるのかと考えられます。
 例えばですけれども、そのような考え方の1つとして、下のアとイに掲げたような考え方を採用することができるのかどうかということで、例示として掲げさせていただきました。
 アにつきましては、今の権利制限規定は私的領域あるいは非営利無料などの場合に権利制限規定を設けているわけでございますけれども、従来の利用方法であれば、その権利制限の切り口と権利者の利益を不当に害するかどうかというような場合が大体一致をしていたのだろうと思われますが、今のネットワークの普及の状況下では必ずしも重ならなくなってきているのではないかというようなご指摘もありました。条約上の本来の考え方は、下の脚注にございますように、権利の例外をつくる際には「スリーステップテスト」の基準、つまり、特別な限定された場合、通常の利用を妨げない、権利者の利益を不当に害しないという3要件ですので、そういった考え方に照らして、今後は権利制限規定の切り口を変えて全体を見直すことが必要なのかどうか、例えばそういう視点はどうかというようなことでございます。
 それから、イとしましては、既に設けられている権利制限規定と実質的に同じような行為、それが技術の進歩によって別な手段で可能になってきている場合で、権利者の利益を不当に害しないような場合には権利制限規定の整備をしていくべきなのか、そういった視点があり得るのかと思っております。
 このような新たな権利制限規定の切り口が必要なのかどうかご指摘を賜れればと思っております。
  4は、ご報告の最後に、法制度そのものはビジネスの社会活動を促進するのではないというようなご指摘もございましたけれども、このような指摘についてどのように考えるべきなのか、またいろいろご指摘を賜れればと思っています。
 もともとが抽象的で実態がよくわからないということに関する調査でありましたので、課題設定も非常に抽象的な議論になってしまうかもしれませんが、いろいろご指摘をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

【中山主査】

 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご報告を踏まえましてご意見、ご質問等ございましたら、ご自由にお願いいたします。
 はい、どうぞ、松田委員。

【松田委員】

 松田です。
 実態の調査の点で特に注意を払うべき点がまだあるのかという点でございますけれども、そこから質問をしてよろしゅうございましょうか。

【中山主査】

 はい、どうぞ。

【松田委員】

 インターネットにおけるコンテンツの利用上、著作権法上、私は最大の問題は利用者が送信目的でアップロードすることが極めて多数に上ってしまっているという状況だろうと思います。これはその後の配信業者が、これはサービスプロバイダー責任法や著作権法で言うならば間接侵害になるかどうかということで、ある意味では考え方は出ているわけですけれども、少なくとも膨大な量のコンテンツがアップロードされることによって実質的な著作権侵害が現にそこに生じています。というのは、サービスプロバイダーのほうでは全部チェックしきれないという問題がある。ないしは権利者のほうでは、一つ一つ削除要請をしていくことができないという状況がある。法的にはある程度解決の道が図られている、対処がとれているけれども、社会的現象としては現に大きな著作権侵害が生じていると。この点について根本的に何か考える必要があるかどうかという点につきましては、識者の方々はどういう意見をお持ちになっていたのか、ないしはこの報告書では、まだ完成版ではないようでありますが、どのように扱うのか。今ざっと私は目を通してみたのですけれども、その点についての視点はないのではないかというふうに思いました。それが1点です。
 もう一つ大きな問題は、今の状況を前提にしてマッシュアップではなくて、アップロードされたものをみんなで楽しんでいる状況がありまして、これは楽しむというのは単に見る、聞くだけではなくて、みんなで書きかえるというか、つくりかえるという状況が起こっております。事情聴取をしたヒアリング対象のところにも、そういうことを業務として現にやっているところがあるわけでありまして、それが大変人気になっている。YouTubeもそういうことをやっていると思いますが。それから、そういうことを同種のものをたくさん予定されている業者はあるのだろうと思っています。言ってみますと、そういうことが許されるならばワッと新しい文化が生まれるかもしれない。もしノーであるならば、利用は促進されないけれども、権利は守られるかもしれないと。この非常にせめぎ合いのところに来ていると思うわけです。
 これは、そういう書きかえに参加することによって、プロバイダーのほうはこれをビジネスモデルとして、そして広告とリンクして収益事業になっていること自体も間違いないと私は思います。こういうことについては、この報告書の中では、項目だけを見ただけですけれども、ご指摘がないように思います。これは、先ほど定義をちょうだいいたしましたマッシュアップとはちょっと違うのではないかと。今、私がこれを斜め読みして感じましたところは、最大大きな問題はそこにあるんだけれども、それについて具体的指摘があるかどうかということと、むしろ項目的には、全部読んでいませんのでわかりませんが、ないのではないかなという点からの質問でございます。

【中山主査】

 その点についてはいかがでしょうか。

【澤氏】

 まず1点目のご指摘、膨大な権利侵害が現状あるのではないか、それについてはどう対応すべきかという点に関しまして、今回のワーキンググループでの具体的な検討の対象にはご指摘のようになっておらず、その検討結果の整理報告書の中では盛り込まれておりませんが、ヒアリングさせていただいた何人かの方からは一部そのようなご指摘がありました。ただ、その点に関しまして、検討を具体的に深めるということは今回できませんでした。
 それから2点目のご指摘、みんなで書きかえる、あるいはつくりかえるということを楽しんでいる状況で、それを許すことで新しい文化を生み出していくのか、あるいはそうではなくてそれを違法とするのかということに関しましては、ワーキンググループの中では具体的な検討の中ではなかなかできなかったのですが、まさにご指摘のように、事業者の方からいろんな形でご指摘がございました。例えば一例をご紹介させていただきますと、ある事業者さんでは、そのような文化をぜひ大事にしたいとの指摘がありました。例えば権利者の中でも、明確に権利許諾をするわけではないのですが、黙認をしている場合があるということです。ですので、黙認しているという状況を重視して、つくりかえているということが黙認されているということで許されるような状況にぜひしてほしいとの指摘がありました。それによってまさに松田先生がおっしゃいましたように、新しい文化ができているのだというようなご指摘もございました。
 ただ、ご指摘のように、このワーキンググループの中ではこちらについても議論を深めるということはできておりません。
 以上、簡単ですが、回答とさせていただきます。

【中山主査】

 今の松田委員のご指摘は、マッシュアップとは別であるという、そこで議論はしていないということですね。

【澤氏】

 そうですね。その中では、今回議論はあまりできていません。

【松田委員】

 むしろこの報告を踏まえて、我々が審議するときに十分注意を払わなければいけない点だろうと思います。

【中山主査】

 ありがとうございます。
 ほかに何かございましたら。
 どうぞ、末吉委員。

【末吉委員】

 ちょっと細かい点なのですが、資料2でちょっとご質問したいと思います。この2ページの四角囲いで課題を並べて教えていただいたのですが、この1番の(6)、「ストリーミングデータの固定化ソフトの開発・流通の違法化」という課題が挙げられているんですが、もし可能であればこの論点をちょっと教えていただこうと思いまして。お願いします。

【澤氏】

 たしかヒアリングの中で、たまたま論点としてあるのではないかということで出た点ですが、動画配信においては、ストリーミングであるかダウンロードであるかで、現状権利者の認識が随分違う一方で、ストリーミングのデータをファイルとしてパソコンに固定化するソフトも出回っていると、そのようなソフトについてどう考えるのか、検討材料ではないかというようなご指摘がございました。以上です。

【中山主査】

 どうぞ、村上委員。

【村上委員】

 今のお話だけを聞いて、包括的な権利制限規定を設けることについて積極的というか、好意的な意見は結構あったというふうな感じで受け取っていたのです。ただ包括的な権利制限規定、例えばアメリカのフェアユース規定を入れても、解釈が同じならば問題ないですけれども、解釈が分かれる場合には、最終的には個別具体的な話は裁判所に持っていって、そこで決着をつけるという意味で、どこかでコストというのはかかるのだと思います。
 それで、私が知りたいのは、仮にこういうインターネットを使うような実態が先行していて、それと包括的な権利制限規定があるアメリカのような国では意外とそういう意味で、裁判所で個々の事例を通じての調整コストというか、そこのコストというのはそんなにかかっていないという、これは単純に実態調査的な話ですけれども、そういうような現象が見られるのか。包括的な調整規定を置いた場合のかかるコストということについての、一番参考になるのはインターネットの実態が先行していて、そういう規定がある国の裁判所に持っていった調整コストみたいなのがどのくらいかかっているかということだと思います。その辺の実態がある程度わかっていますでしょうか。もしその辺の議論が進んでいましたら教えてもらいたいと思います。

【澤氏】

 ご指摘の点、調整コストそのものにつきましては、必ずしも議論が進んだというわけではないです。例えばアメリカの企業と日本の企業を比べまして、アメリカではフェアユースということである程度許される可能性のある部分があるから、実際に踏み込んで事業展開できるが、日本の企業ではその余裕の部分がないので、萎縮している部分があり、なかなか踏み込んだ事業展開ができないのではないかというような話は出ておりました。
 また、調整コストにつきましては、アメリカではフェアユースの規定があることで調整コストが必ずしも日本の現状と比べて大きいわけではないのではないか、ある部分、日本で規定がない中で裁判所にゆだねていることによって一定のコストが働いている部分があるのではないかというようなご指摘も一部ございました。以上です。

【中山主査】

 よろしいですか。

【村上委員】

 まずはどういう検討を行われたかということを知りたかったので、それで結構です。

【中山主査】

 ほかにございましたら。
 はい、どうぞ、苗村委員。

【苗村委員】

 今のお答えの中で、外国、特にアメリカにおけるフェアユース規定との関連についてお話があったので、実際にこの調査の中であったかどうかだけを教えていただきたいと思います。
 例えば、アメリカなり他の外国ではその国の著作権法の規定に基づいて実施可能なサービスが、日本の著作権法では明らかにあるいはかなり高い蓋然性をもって違法となるので実施できない。したがって、例えば日本の事業者がビジネスを始めようとしても国内でできないというような事例が多分あったのだろうと思うのですが、そういうものが幾つか具体的に指摘されたかということと、逆に、外国ではその国の著作権法では違法であるがゆえに実施できないけれども、日本の著作権法ではむしろ自由にできる。その結果、日本のほうが発展の可能性があるという例が指摘されたかどうか。実態調査という意味で、むしろそういうことをお聞きすると大変参考になると思います。
 お願いします。

【澤氏】

 前者につきましては、具体例といたしましては、その一部の検索エンジン用のサーバーを、国内企業であるにもかかわらず海外に置いているということの指摘が1点ございました。
 それから、後者につきましては今回特に指摘はなかったかと思っております。

【中山主査】

 よろしいですか。

【苗村委員】

 検索エンジンの話はかなり知られている例なのですが、例えばここにあるストレージサービスであれその他のものであれ、その前者に該当するというようなことは特に指摘されなかったということでしょうか。

【澤氏】

 はい、あまりご指摘はなかったと思います。

【中山主査】

 ほかに何かご意見、ご質問がございましたら。
 はい、どうぞ。

【黒沼著作権調査官】

 今の補足ですが、全体版の28ページのところに今のフェアユースによって新規事業がどうなるのかというようなご指摘の議論が幾つかあったように思われます。
 ワーキンググループに私も参加させていただきましたけれども、いろいろな意見が出て、まとまったものが出ていない部分はまとめに入ってはいないのですが、意見としては幾つか出ておりまして、一番上のところでは、例えばフェアユース規定があったからといって裁判例がない状況では、それだけを信用して新規事業に踏み込むことはないだろうというような意見もありましたし、そうはいっても確実に違法だというふうに言い切られないことで、事業を開始する余地もあるというような意見もありました。その辺は両論あったというようなふうに記憶をしてございます。
 それから、ちょっと戻ってしまいますけれども、松田委員のご指摘のマッシュアップの関係で、違法なものがアップロードされているような場合につきましては、こちらは23ページのところで、もともとの素材に違法なものが紛れ込んでいる、誰かが違法なものを紛れ込ませた場合と、マッシュアップすることそのものとは分けて議論がされておりましたので、余り目立たないようにはなっておりますけれども、一応指摘自体は、認識はあったというようには記憶しております。

【中山主査】

 ほかに何かございましたら。
 よろしいでしょうか。
 それでは、この項目はこのくらいにしたいと思います。
 本日の議論を踏まえまして、複数者のマッシュアップ等々に関する事項などさらに議論を深めるべき事項もあろうかと思います。具体的な議論の進め方につきましては、整理をいたしまして、改めてお諮りをするということにしたいと思います。

(2)私的使用目的の複製の見直しについて

【中山主査】

 それでは次に、議事の2番目の私的使用目的の範囲の見直しにつきまして、前回の小委員会のヒアリング結果を踏まえて議論を整理したいと思います。
 事務局より説明をお願いいたします。

【黒沼著作権調査官】

 それでは、資料3に基づきましてご説明をさせていただきます。
 こちらは、違法な複製物からの複製を、私的使用目的の複製の範囲から除外するかどうかにつきまして、これを録音・録画に限るかどうかという議論でございましたけれども、前回のコンピュータソフトウエア著作権協会からのヒアリングを踏まえまして、本小委員会としてどう考えるのか、ポイントごとに本日はご指摘をいただければと思っております。
 1のところは、これまでの経緯で前回ご説明した部分ですので省略をいたしまして、次のページの2からご説明をさせていただきますと、録音・録画以外にプログラムも同等であるかどうかにつきましては、実態を踏まえながら精査を行うことが適当とされていたわけでございますけれども、コンピュータソフトウエア著作権協会からの聴取によりますれば、違法なプログラムの著作物の流通実態としましては、1のところがまず流通の量でございますけれども、ファイル交換ソフトの流通量で言いますと、プログラム関連のファイルは全体の中の約3パーセントというご報告がございました。映像関連は19パーセント、音楽関連は13パーセント、書籍関連が9パーセントという状況に比べて、3パーセントということでございました。
 それから、2の流通の形態でございますけれども、これはファイル交換のほかに違法にアップロードするというようなサーバーが、日本ではございませんけれどもアジアやヨーロッパなどで確認されているというご報告がありました。このような実態を踏まえて、これをどのように評価をするのかということでございますけれども、3のところで大きく、改正の必要性、利用者保護の観点、この2つに分けて考えてはどうかということで、それぞれのポイントを設定させていただいております。
  1のアのところですが、違法複製物の流通量、これをどのように評価するかということでございます。流通割合ということでは、先ほどご紹介したように音楽、映像関連に比べまして大分差があるというようなことが見受けられるところでございます。これにつきましては、前回の小委員会でも幾つかご意見がございまして、3パーセントは数字としては少ないのではないかというようなご意見、あるいはそれがマーケットにどのぐらいの影響が出ているのか示されないといけないのではないかと、そういったご指摘もございました。
 それに対しましてヒアリング対象者のほうからは、数字の上では3パーセントであっても1つのファイルの中にたくさんのゲームが含まれている場合もあって、数としては少ないけれども著作物の総体としては必ずしも少なくない、それから、もともとのゲーム全体の母数に比べれば少ない数字ではないというような反論もあったところでございます。それから、コンピュータソフトウエアの販売形態、どこから利益を上げているかという形態から考えると、被害はそれだけ大きいと評価できるのではないかというような反論もございました。
 このような意見を踏まえまして、どのように評価するかということですが、権利者の不利益があるということは確かだとは思われますけれども、録音・録画と同様だというくらいまで、著作物の通常の流通を妨げているという利用実態があると言えるところまで十分な実証データがあるということができるのかどうか、それにつきましていろいろご意見をいただければと思っております。
 次のイは、流通量ではなくて流通形態からの観点でございますけれども、録音・録画の場合にはユーザーが違法複製物をアップロードして、次々にアップロードされ、アップローダーを抑えることが余り効果的でないというような実態も報告をされたところでございますけれども、プログラムにつきましても同じような流通形態があるのかどうかということでございます。海外のサイトにつきましては、前回ご報告がありましたけれども、国内で同様の形態があるのかどうか、現時点では必ずしも詳細にはなっていないのではないかと思われるところでございます。これらの点につきまして、これを録音・録画分野と同様に整理ができるのかどうか、こちらもご評価、ご指摘をいただければと思っております。
 その次の利用者保護につきまして、これは私的録音録画小委員会の整理におきましては、もう一つの重要なポイントとして挙げられているポイントでございますけれども、中身としましては私的録音録画小委員会では、許諾を受けているものに関する情報の提供ですとか、それを識別するようなマークの推進などの対応を権利者が行うという点が指摘されているわけでございます。録音・録画の分野につきましては実際にそのようなマークが導入されて取り組みが進められているのに比べまして、プログラムの著作物はそのようなマークはとりあえず考えられていない。流通形態の違いももちろんあるのでしょうけれども、この利用者保護の観点から、私的録音録画小委員会の設定された条件に合うのかどうか、またそういったことにつきましてもご指摘をいただければと思っております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【中山主査】

 ありがとうございました。
 ただいまの説明に基づきまして、何かご意見やご質問がございましたらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 録音・録画についてはほぼまとまりかけているわけですけれども、新たにこのプログラムの問題をどう処理するかという、重大な問題だと思います。議事進行がかなり進み過ぎてしまいまして時間もたっぷりあるものですから、何かございましたら。
 よろしいでしょうか。
 それでは、やむを得ません。この項目についてはこのくらいにしたいと思います。
 このト書きによりますと、事務局のほうでさらに議論を整理してということなのですけれども、議論がないと議論の整理もしようがないものですから、黒沼さん、どうしましょうか。
 はい、どうぞ。

【末吉委員】

 私もこの3パーセントについて、先回ご質問差し上げたんでありますが、できればACCSさんのおっしゃることもわからなくはないのですけれども、何かもう少し具体的なものが欲しいなと個人的には思っています。言わんとすることはわからなくもないのですが、何かもう少しデータ的な、委員の皆さんが納得するようなというか、少なくとも私が納得するようなデータが欲しいなと心から思っていますので、何か追加でもそういう補充があったらありがたいなと一言申し上げておきます。

【中山主査】

 そうですね。それもACCSさんのほうにもしできたらお願いいたします。
 ほかに何か、よろしいでしょうか。
 あるいは時間が余っていますので、先ほどの問題も含めて全体的に何かご意見、ご質問がございましたらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 かなり時間は余ってはいるのですけれども、他に特段のご意見、ご質問等もございませんようですので、本日はこのくらいにしたいと思います。
 次回の小委員会はデジタルコンテンツ流通促進法制のもう一つの課題であります、過去のコンテンツの二次利用の問題について、過去の著作物の保護と利用に関する小委員会の検討状況をご報告いただきたいと思っております。また、機器利用時・通信過程の蓄積の取り扱い、及び検索エンジンの法制上の課題につきまして、デジタル対応ワーキングチームよりご報告をいただいて、議論をしたいと思っております。
 最後に、事務局から何か連絡事項がございましたらお願いいたします。

【黒沼著作権調査官】

 本日は、ちょっと抽象的な課題設定だったのでご議論が難しかったかもしれません。お詫びいたします。今回の資料2のうちから何を課題として抽出するかにつきましては、また主査とご相談させていただきまして、課題の指摘自体はあるものでございますので、何を取り上げるか、またお諮りをさせていただきたいと思います。
 それと、本日ご説明していない資料4でございますけれども、ワーキングチームの名簿でございます。ワーキングチームにつきましては、各委員は座長が指名するということになっておりますけれども、このような構成で固まっているということでございますので、ご報告をいたします。
 次回の法制問題小委員会は5月22日(木曜日)、10時から12時、三田共用会議所での開催を予定しております。よろしくお願いいたします。

【中山主査】

 先ほど、三菱UFJリサーチ&コンサルティングからご説明がございましたとおり、この問題は従来の問題の延長線上の問題なのか、あるいはデジタル固有のもっと画期的な改正をしなければいけない問題なのか、極めて重要な論点を含んでいると思いますので、次回からもよろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれで文化審議会著作権分科会の第2回法制問題小委員会を終了させていただきます。
 本日はありがとうございました。

(文化庁著作権課)