施設系職員の多様なキャリアパス

令和5年8月9日

基本的なキャリアパスについて

個人の希望や適性に合わせて、文教施設整備に関わる部署を中心に、様々な分野の部署を経験します。
 

キャリアパスの例

       
    総合職 一般職
係員 行政の基礎を学ぶ 1から3年目 1から9年目
係長 幅広い実務を経験 4から8年目 10から19年目
課長補佐級以上 担当業務の企画・立案・調整 9年目以降 20年目以降

※基本的な例であり、本人の適正に応じて変わります。
 

キャリアパスの事例紹介

同じ施設系職員として入省しても、文部科学省には多種多様な分野を担う部署が存在するため、どんな部署に配属されるかは人それぞれです。ここでは、中堅からベテランの施設系職員のこれまでのキャリアパスについて紹介したいと思います。(今後更新予定)

キャリアパスに関するQ&A

希望通りの部署に配属されるのでしょうか。

文部科学省では、年1回、本人からの人事上の希望等を申告することとなっています。また同じく年1回、人事担当者との面談も行っており、直接人事等の希望を伝える機会もあります。もちろん人事異動は、本人の能力や適性、人材育成上の必要性なども総合的に考慮して決定されるので、常に希望どおり配属されるとは限りませんが、約1年から3年のペースで人事異動があるため、自分の希望する部署へ異動するチャンスは必ずどこかで巡ってきます。

他省庁へ出向をする機会はありますか。

職員の視野や考え方の幅を広げたり、縦割り行政の弊害批判に応えるためにも、他省庁への職員の出向は積極的に進めています。係員級から課長級まで、幅広い年次で他省庁への出向の機会があり、施設系職員では、内閣府や復興庁、国土交通省などへの出向実績があります。出向先では他省庁が担当する施設や防災に関わる業務に限らず、様々な業務に携わります。

地方で勤務する機会はありますか。

基本的には、文部科学省本省(東京都)での勤務となりますが、地方自治体や国立大学法人との人事交流を行っており、主に課長補佐級以上の役職になると、地方自治体等に出向する機会があります。施設系職員では、全国の教育委員会や国立大学法人などへの出向実績があり、主に課長級以上の役職で出向しています。出向先では、教育委員会事務局において地方公共団体の教育政策全般に関わる業務や、国立大学法人において大学の施設整備に関わる業務等に携わります。また令和5年度より文化庁の一部部署が京都府に移転したため、京都府にある文化庁の部署に配属となった場合は、京都府での勤務となります。

海外で勤務する機会はありますか。

外務省に出向して、書記官や参事官として海外の大使館などに勤務する職員も数多くいます。大使館では、当該国の教育、科学技術等の情報の収集や我が国の施策の発信などに携わります。施設系職員では、各国日本国大使館(マレーシア、タイ、インドネシア、インド、エジプト等)などへの勤務実績があります。また、OECDやUNESCOなどの文部科学省の所管する分野に関連の深い国際機関に派遣される職員もいます。

採用後にはどのような研修がありますか。

文部科学省で行う研修としては、入省1年目の新規採用職員等研修や、入省2年目から3年目の地方教育行政実務研修、係長級以上のマネジメント研修などがあります。また、人事院で主催する研修としては、入省1年目の初任者研修、入省3年目の3年目フォローアップ研修(総合職の場合)、役職研修などがあります。さらに、文教施設企画・防災部の取り組みとして、初めて文教施設企画・防災部に配属された方向けに、毎年研修を実施しています。その他にも、本人の希望に応じて、省内の各課が実施する文部科学施策に関する研修や、国土交通省主催の建築に関する技術的な事項を学ぶ研修に参加することも可能であり、豊富な研修の機会があります。

留学制度について教えてください。

詳細については人事院のホームページを参照いただければと思いますが、人事院が主催する行政官長期在外研究員制度(2年以内)及び行政官短期在外研究員制度(2年以内)を活用することで、海外の大学院等に留学することが可能です。文部科学省では積極的に留学等に派遣し、職員が国際的な視点や感覚を身につけることを推進しており、毎年多くの職員が留学しています。施設系職員ではコロンビア大学や、国内留学では東京大学への留学実績があります。

総合職と一般職で携わる業務は違うのですか。

総合職は政策の企画、立案や省内外との調整業務に関する業務、一般職は建築の専門性をより生かせる業務に携わることが多いですが、文部科学省では本人の希望や能力、適正などを踏まえた人事配置をしており、総合職であっても専門性の高い仕事に携わったり、一般職であっても政策の企画、立案に携わることもあります。なお、文部科学省全体として一般職職員の幹部登用が進んでおりますが、施設部においても一般職の職員が課長級に登用される等、各職員の資質・能力・適性に応じた登用も行われております。

職員の男女比について教えてください。

文部科学省では男女の区別なく採用を行っており、入省後においても全く扱いは同じです。過去4年(令和2年度から令和5年度)の施設系職員の採用実績としては、9人中3人が女性となっています。

業務において建築の知識はどれくらい求められますか。

工事発注に携わる部署や、技術的な基準を策定する部署に配属される場合は、建築の専門的な知識が求められます。施設に関する政策の企画立案や予算編成に携わる部署に配属される場合にも、技術的な知識をベースにした施策の検討も必要となりますので、基本的な知識と、様々なソフトに関する知識を包含して考えられる力が求められます。職員の多くは大学で学んだ基礎的な知識を活用しつつ、業務を通じて専門的な知識を身に付けています。
また、一般職採用の職員の希望に応じて、関東近隣の国立大学法人等へ出向し、工事発注や設計・施工等の施設整備の現場を経験する機会もあります。

一級建築士の取得は可能でしょうか。

一級建築士の実務経験を積める部署があるので、取得することは可能です。一級建築士の資格を業務で活用する機会は少ないですが、本人の希望があれば取得可能であり、総合職一般職問わず、一級建築士の資格を保有している職員もいます。
 

 

((大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課))