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行政改革関連法の制定について

 「小さくて効率的な政府」を実現し,財政の健全化を図るとともに,行政に対する国民の信頼を確保することは,我が国政府にとって喫緊かつ最も重要な課題の一つです。このため,これまでも政府として様々な観点から行政改革に取り組んできましたが,この度,その道筋をより確かなものとするために,以下のとおり,5本の法律が制定されました。

1.簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(いわゆる「行政改革推進法」)

 この法律は,今後政府が具体的に改革方針を立案する際の総合的な基本指針,推進方策などを定めるものとして,平成18年6月2日に公布・施行されました。
 その中で掲げられた今後の行政改革の重点推進分野のそれぞれについて,文部科学省としても,以下のように取り組んでいきます。

(1)政策金融改革

 独立行政法人,特殊法人,公益法人による融資等業務について,平成18年度に見直しを行います。

(2)独立行政法人の見直し

 国の歳出削減の見地から組織及び業務の在り方について厳しく見直しを行います。

(3)特別会計改革

 平成22年度までの5年間をめどに改革を行い,その後も5年ごとに存続の必要性を検討します。文部科学省においては,19年度に電源開発促進対策特別会計と石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計を統合することとしています。

(4)総人件費改革

 国家公務員の定員を,平成18年度末から5年間で5パーセント削減するとともに,給与額も見直します。独立行政法人や国立大学法人等の役職員の人件費についても,5年間で5パーセント削減を基本としています。また,公立学校の教職員等の総数について,児童・生徒の減少に見合う数の純減を図るとともに,あわせて,人材確保法(注)の廃止も含めた見直し,公立学校の教職員の給与の在り方に関する検討を行い,18年度中に結論を得て,20年4月をめどに必要な措置を講ずる予定です。

  • (注)人材確保法
     正式名称は,「学校の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法」。

(5)資産及び債務に関する改革

 国の債務の残高を抑制するために国の資産の圧縮を図るとともに,民間の知見を積極的に活用して国の資産及び債務の管理の在り方を見直します。

(6)関連制度の改革と連携

 公務員制度改革,競争の導入による公共サービスの改革,公益法人改革等と連携して,行政改革を行っていきます。

2.競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(いわゆる「市場化テスト法」)

 今後,「簡素で効率的な政府」への道筋を確かなものにするためには,国や地方公共団体が行っている業務について,公共サービスの受益者である国民に対し,より質の高いサービスを提供する観点から,必要な措置を講ずることが重要となっています。
 また,国や地方公共団体が行う業務について,競争を導入することにより,業務の実施主体の切磋琢磨・創意工夫を促すことも,極めて重要です。
 以下の認識から,「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」が平成18年5月26日に公布され,7月7日に施行されました。この法律では,公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って,公共サービスの全般について透明かつ公正な競争の下で民間事業者の創意と工夫を適切に反映させることにより,国民のため,より良質かつ低廉な公共サービスを実現することとしています。
 なお,文部科学省関連では,平成18年12月に改定された「公共サービス改革基本方針」(18年12月閣議決定)において,日本学生支援機構の東京国際交流館「プラザ平成」や広島国際交流会館の管理・運営業務等が新たに対象事業とされました。

市場化テストの仕組み

3.公益法人制度改革関連三法

 平成18年5月26日,第164国会において,「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」,「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」及び「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の公益法人制度改革三法が,可決・成立し,同年6月2日に公布されました。
 これらの法律により,これまでの許可主義に代わり,準則主義(登記)が採用され簡便に法人(一般社団法人又は一般財団法人)が設立できることとなりました。また,これらの法人の申請により,民間有識者からなる合議制の機関の意見に基づき内閣総理大臣又は都道府県知事が公益性の認定をしたものが,公益法人(公益社団法人又は公益財団法人)となることができます。公益性の認定は,従来のように主務官庁が裁量により行うのではなく,法令で定められた明確な基準の下に,合議制の機関の客観的な意見に基づき統一的に判断されます。

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