第8節 宗教法人制度の概要と宗務行政の推進

2.宗務行政の推進

(1)事務所備付け書類の提出

 平成7年12月に公布され,8年9月に全面施行された「宗教法人法の一部を改正する法律」(改正宗教法人法)により,役員名簿,財産目録などの事務所備付け書類の写しを所轄庁へ提出することが,新たに宗教法人に義務付けられました。
 文部科学大臣所轄宗教法人の平成16年中提出期限分の書類の提出状況については,約98パーセントの法人から提出されており,ほとんどすべての宗教法人が,書類提出制度の趣旨に沿って対応しています。

(2)不活動宗教法人対策の推進

 宗教法人の中には,設立後,何らかの事情により活動を停止してしまった,いわゆる「不活動宗教法人」が存在します。不活動宗教法人については,社会的に存在意義がない上,いわゆる宗教法人売買・名義貸しなどに悪用され,社会的な問題を引き起こすおそれがあり,ひいては,宗教法人制度全体に対する社会的信頼を損なうことにもなりかねません。
 このため,国と都道府県においては,不活動状態に陥った法人について,吸収合併や任意解散の認証で,また,これらの方法で対応できない場合は,裁判所に対して解散命令の申立てを行うことにより,不活動宗教法人の整理を進めています。

(3)宗教法人の管理運営の指導

 文化庁では,都道府県の宗務行政に対する指導・助言,都道府県事務担当者の研修会,宗教法人のための実務研修会などの実施,手引書やビデオの作成などを行っています。
 また,改正宗教法人法により,各法人に義務付けられた事務所備付け書類の写しの提出などについて,制度の定着に努めています。

(4)宗教法人審議会

 宗教法人の信教の自由を保障し,宗教上の特性などに配慮するため,文部科学大臣の諮問機関として,宗教法人審議会が設置されています。

▲宗教法人指導者講習会

▲宗教年鑑等

前のページへ

次のページへ