我が国の文化芸術の振興を図るために,「世界水準の芸術家,世界に誇れる日本映画・映像,世界に羽ばたく新進芸術家,感性と感受性豊かな子どもたち」の育成を総合的に行うことを目的として,文化庁では,従来の支援施策を再構築して,平成14年度に「文化芸術創造プラン」を創設し,創造活動に対する支援を行っています。
最高水準の舞台芸術公演・伝統芸能等に対しての重点支援や音楽・舞踊・演劇の国際フェスティバル,芸術による国際交流を推進しています(図表2-9-1)。
我が国の映画・映像水準の向上を図るため,国内における製作・上映,海外への発信,人材養成事業などを支援するほか,映画フィルムの収集・保管を進め,世界に誇れる映画・映像の振興を推進しています。
多様な文化芸術を継承し,発展させ,創造していくためには,その担い手として優秀な人材を得ることが不可欠です。そうした人材を育成するには,充実した活動環境が必要であることから,「文化芸術創造プラン」の一環として,「新進芸術家の海外留学」や「国内研修への支援」,「発表機会の確保」,世界的な芸術家による「特別指導助成事業」を実施し,新進芸術家の養成を図っており,特に新進芸術家海外留学制度では,これまで多数の優秀な芸術家を輩出しています(図表2-9-2,2-9-3)。
今後も世界トップレベルの芸術家をはじめ,優秀な芸術家の育成を進めていきます。
芸術文化振興基金は,政府の出資金と民間からの出えん金を原資として,多様な芸術文化活動に対して,安定的・継続的に幅広く援助を行うため,平成2年3月に設けられました。現在,約653億円(国からの出資金541億円,民間からの出えん金約112億円)の運用益により,芸術家及び芸術団体が行う芸術の創造や普及活動,地域の文化施設における公演・展示活動などに対して助成を行っています。