今日,テレビ,ビデオ,インターネットなどの様々な情報メディアの発達・普及や子どもの生活環境の変化,さらには幼児期からの読書習慣の未形成などにより,子どもの「活字離れ」が指摘されています。
読書活動は,子どもが,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かなものにし,人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであり,社会全体でその推進を図っていくことは極めて重要です。
平成13年12月に,議員立法により「子どもの読書活動の推進に関する法律」が成立,公布・施行されました。この法律は,子どもの読書活動の推進に関し,施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,基本理念を定め,国や地方公共団体の責務などを明らかにするとともに,国が「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定・公表することや,地方公共団体が「子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画」を策定・公表すること,4月23日を「子ども読書の日」とすることなどを定めています。
また,平成14年8月には,この法律の規定に基づき,「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定され,18年度には,全都道府県において計画が策定されています。
文部科学省では,この計画を踏まえて施策の充実を図っています。
具体的には,広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに,子どもの読書活動への意欲を高めるため,「子ども読書の日」記念“子どもの読書活動推進フォーラム”を毎年開催しています。その中で,子どもの読書を推進する活動が顕著であり優秀と認められる学校,図書館,団体に対する文部科学大臣表彰の授与,子どもの読書活動推進の実践事例の発表,著名作家などによる記念講演などを行っています。また,平成18年度は,沖縄県で,講演やシンポジウムなどを行う読書フェスティバルの開催などの全国的なキャンペーンを実施しています。
なお現在,小学校の約9割,中学校の約8割,約2万校で全校一斉の読書活動に取り組んでいるほか,多くの学校で読み聞かせや物語のあらすじなどを聞かせて読書意欲を持たせるブックトークなどを実施しています(参照:第2部第2章第1節5)。また,全国で約5,700の子どもの読書関係の団体・グループで活動する約8万人(注)のボランティアが読み聞かせなどにより子どもの読書活動を応援しています。
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▲「子ども読書の日」ポスター |