第3節 国際競技力の向上

〈競技スポーツ振興の意義・現状〉

 オリンピック競技大会をはじめとする国際競技大会などでの日本選手の活躍のように,競技者のひたむきな挑戦やその結果として生まれる記録,勝利する姿は多くの人々に夢と感動を与え,スポーツに対する興味や関心を高めるものです。
 平成18年8月に内閣府が実施した「体力・スポーツに関する世論調査」によると,85パーセントの国民が日本選手の活躍に関心を示し,さらに,国際競技大会で日本選手が活躍するために公的な援助を行うことについても,89パーセントの国民が援助の必要性を認めています。
 また,スポーツは同一ルールの下に,言語の壁を越えて行われるものであり,諸外国との相互理解や友好親善にも大きな役割を果たしており,人類共通の文化の一つであるといえます。
 我が国のスポーツの国際的な競技力の向上を図っていくことは重要な課題です。過去のオリンピック競技大会におけるメダル獲得状況を主要各国と比較した場合,我が国の国際競技力は長期的・相対的に低下傾向にありました(メダル獲得率の推移については,図表2-8-5を参照)。
 このため,文部科学省では,「スポーツ振興基本計画」の中で「我が国の国際競技力の総合的な向上方策」を一つの柱としています。具体的には,財団法人日本オリンピック委員会及び各競技団体と連携しながら,競技者を組織的・計画的に育成する一貫指導システムの構築,国立スポーツ科学センターとナショナルトレーニングセンターの整備,指導者の養成・確保,強化合宿等の選手強化事業への支援などの施策を総合的に推進しています。

図表●2-8-5 オリンピック競技大会におけるメダル獲得状況

前のページへ

次のページへ