第2節 私立学校に対する助成

2.私立高等学校等に対する助成

(1)経常費助成費に対する補助

 私立の高等学校,中等教育学校,中学校,小学校,幼稚園,特殊教育諸学校の運営のための経常的経費については都道府県が助成しています。初等中等教育の全国的水準の維持向上のため,地方交付税措置が講じられているほか,文部科学省では,都道府県が行う経常的経費の助成(経常費助成費)などに対して国庫補助を行っています。国庫補助金の配分に当たっては,都道府県の助成水準に応じて配分し,都道府県における積極的な取組を促すよう配慮しています(図表2-4-2)。

図表●2-4-2 私立高等学校等経常費等補助の推移

 平成18年度には,前年度予算額に対し5億円増額の1,038億5,000万円の国庫補助金を措置するとともに,地方交付税についても充実が図られています。
 国庫補助金については,コンピュータ整備などのIT教育環境の充実,体験学習や少人数教育などきめ細かな学習指導の推進など豊かな心と確かな学力を身に付ける教育の推進に必要な経費に対する補助を行うことにより,私立高等学校などにおける教育条件の向上などを図っています。
 また,社会人講師や補助教員などの活用に対する補助や幼稚園における預かり保育,子育て推進事業などの補助の充実も図っています。さらに,「授業料減免事業等支援特別経費」を措置し,保護者などの失職・倒産による家計急変や生活保護世帯を対象とした授業料減免措置に対する補助を行うこととしています。
 なお,各都道府県は,経常費助成費の配分に当たり,教育条件の整備状況などに応じた傾斜配分や特別補助の実施により,私立学校の経営努力を促しつつ,特色ある教育が推進されるよう配慮しています。

(2)施設・設備等の整備に対する補助

 文部科学省では,私立高等学校などにおける校舎施設の機能をより高めることを目的として,

  • 1校内LAN,施設のバリアフリー化などの改造工事
  • 2防災機能・安全機能強化のための施設整備
  • 3環境へ配慮した施設づくりと環境教育のための施設整備

などに対する補助を行っています。平成18年度は20億7,800万円を計上しています。
 また,IT教育の充実を図るため,コンピュータなどのIT教育設備の購入に要する経費の一部を補助する「私立高等学校等IT教育設備整備推進事業」を実施しており,平成18年度は13億円を計上しています。

▲IT学習の風景

(3)教員研修事業費等に対する補助

 私立学校における教育指導の充実を図るため,財団法人日本私学教育研究所が,私立高等学校などの新任教員を対象に実施する初任者研修事業費と10年経験教員を対象に実施する経験者研修事業費などに要する経費の一部を補助しており,平成18年度は5,296万円を計上しています。

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