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私立学校に対する寄附について

 近年の少子化の進展などに伴って私立学校の経営環境が厳しさを増す中,私立学校としても,学生納付金や私学助成に加えて,多様な財源を確保することが求められています。学校法人に対する寄附の促進は,その重要な方策の一つと考えられており,国としても,学校法人に対する寄附については,税制上の優遇措置を設け,寄附の促進に努めています。優遇措置の具体的内容は,以下のとおりです。

【個人が学校法人に対して行う寄附】

 個人が学校法人に対して行う寄附については,寄附を行った個人は,所得の30パーセントから5,000円(注1)を除外した額について,所得控除を受けることが認められています。例えば,年間所得が1,000万円の寄附者の場合,所得控除が受けられるのは299万5,000円までとなります。

【法人が学校法人に対して行う寄附】

 株式会社などの法人が行う学校法人への寄附については,1学校法人に対して直接行う場合と,2日本私立学校振興・共済事業団に対して助成先を指定して行う場合の二通りがあります。
  1のうち,特定公益増進法人の証明を受けた学校法人に対する寄附金については,企業などに対する一般の寄附金の損金算入限度額(注2)と同額までを別枠として,損金算入することが認められています。
  2のうち,日本私立学校振興・共済事業団が,寄附者がその寄附を行うことによって特別の利益を受けるものではないことや,寄附金が学校の教育研究に必要な費用又は基金に充てられるものであること等を確認した場合には,いわゆる「受配者指定寄附金」として,その金額を損金算入することが認められています。
 平成18年度に文部科学省が行った調査(大学・短大を設置する学校法人が対象,回収率91.0パーセント)によると,寄附金総額は,個人寄附が約380億円,法人寄附が約1,090億円となっており,寄附金は,学校法人の重要な財源の一つとなっています。

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