文化芸術振興基本法が制定され,さらに,同法に基づく基本方針が策定されたことにより,国の具体的な施策の方向性が明らかになり,文化庁予算も平成15年度に初めて1,000億円を突破しました。その後も,厳しい財政事情による歳出削減が政府全体で進められる中,文化庁予算はほぼ横ばいで推移しています。
また,国の一般会計に占める文化庁予算の割合は,平成18年度予算で過去最高の0.13パーセントとなりました。各国の文化関係予算は,それぞれ文化行政の組織や制度,文化関係予算の範囲・内容などを異にしていることから,単純に国際比較することは困難ですが,一定の条件の下に比較すると,フランス(0.96パーセント),英国(0.26パーセント),韓国(0.95パーセント)に比べてまだ低い状態にあります。
文化庁予算を分野別に見ると,全体の40パーセント弱が「芸術文化の振興」,60パーセント弱が「文化財保護の充実」に関する経費となっており,この傾向はほぼ一定しています(図表1-2-4,1-2-5)。
「芸術文化の振興」の中では,こどもの文化芸術体験活動の推進に関する予算が,平成14年度の39億円から18年度は55億円と,1.4倍に増加しています。
一方,「文化財保護の充実」の中では,史跡等の保存・活用に関する予算が,文化庁予算全体の27パーセントを占めており,この状況はここ数年変化がありません。