学校施設におけるバリアフリー化の一層の推進について(通知)

7文科施第413号
令和7年8月22日

各国公私立大学長
各国公私立短期大学長
各国公私立高等専門学校長
独立行政法人国立高等専門学校機構理事長
各都道府県知事
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長            殿
構造改革特別区域法第12条第1項の
認定を受けた各地方公共団体の長
厚生労働省医政局長
厚生労働省社会・援護局長
 


 

文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長
                                                                                                                      蝦名   喜之 
 

 
 

学校施設におけるバリアフリー化の一層の推進について(通知)

 
 
 学校施設の整備に当たっては、障害のある児童生徒が支障なく安心して学校生活を送ることができるようにするとともに、災害時における避難所など地域のコミュニティの拠点としての役割も果たすことから、学校施設のバリアフリー化を推進していくことが重要です。
 このため、文部科学省においては、「学校施設におけるバリアフリー化の一層の推進について(通知)」(令和7年3月 31 日付け6文科施第 969 号。以下「推進通知」という。)等において、学校施設のバリアフリー化を一層進めるよう要請してきたところです。
 文部科学省では、令和7年1月に「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」(主査:奈須正裕 上智大学総合人間科学部教育学科教授。以下、「調査研究協力者会議」という。)の下に「学校施設のバリアフリー化の推進に関する検討部会」(部会長:髙橋儀平 東洋大学名誉教授。以下、「部会」という。)を設置しました。部会において、今後の学校施設のバリアフリー化の在り方及び学校施設バリアフリー化推進指針の改訂について、具体的・専門的な検討を行い、調査研究協力者会議において「今後の学校施設のバリアフリー化の推進に関する取組について」(参考1参照)を取りまとめ、文部科学省において「学校施設バリアフリー化推進指針」を改訂(別添1参照)するとともに、公立の小中学校等(義務教育学校及び中等教育学校(前期課程)を含む。以下同じ。)におけるバリアフリー化について、令和 12 年度末までの5年間に着実に整備を行うための整備目標を定めました(別添2参照)。
 つきましては、各学校設置者におかれては、今般改訂した学校施設バリアフリー化推進指針を活用するとともに、下記の点に留意の上、学校施設のバリアフリー化を着実かつ迅速に進めるようお願いします。
 また、このことについて、各都道府県教育委員会におかれては域内の市区町村教育委員会等に対して、各都道府県におかれては、所轄の学校法人等に対して周知するようお願いします。

 

 
 
1.公立小中学校等施設における整備目標等を踏まえた早期のバリアフリー化について
 公立小中学校等施設におけるバリアフリー化について、令和2年度から令和6年度までの整備状況の推移を確認すると、一定の進捗は認められるものの、令和7年度末まで国の整備目標に対して進捗が十分でない状況にあります。このたび定めた令和 12 年度末までの整備目標については、この状況を踏まえ、これまでの整備目標を早期に達成することを目指すこととしております。
 更に、この整備目標の達成に向けて、その取組を推進し、また、バリアフリー化の整備内容の質の担保のため、
・早期のバリアフリー化を図るため、令和 12 年度までに原則全ての学校設置者において、バリアフリー化に関する整備計画や方針が策定されること
・令和 12 年度時点で新築・改築、大規模改修の整備を検討している学校設置者において当事者参画が実施されること
を目標としています。
 この目標を踏まえ、学校設置者におかれては、校舎及び屋内運動場において、バリアフリートイレやスロープ等による段差解消、エレベーターの整備等のバリアフリー化の整備に早期に取り組むようお願いします。特にエレベーターの設置については、配慮を要する児童生徒等の垂直移動の基礎的整備であることから、その重要性を十分に認識し、計画するようお願いします。その際、技術的な事情等により早期にエレベーターの整備が行えない場合にも、当面の措置として、法令適合の段差解消機等の活用も含めてきめ細かに計画するようお願いします。なお、簡易な階段昇降機や階段昇降車は、バリアフリー法に基づくエレベーターの定義に含まれていないことに留意しつつ、法令に基づいたエレベーター等を整備するようお願いします(別添3参照)。
 また、インクルーシブ教育システムの構築及び災害時の避難所としての利用等の観点から、学校種や設置主体の別にかかわらず、学校施設のバリアフリー化を一層推進する必要があることから、公立小中学校等以外の学校施設についても、公立小中学校等の整備目標を参考にしつつ、取組を進めるようお願いします。
 なお、推進通知では、令和7年6月施行の建築物移動等円滑化基準の見直し内容について、既存学校施設にバリアフリートイレやエレベーター等を整備する際に既存不適格建築物における法令への対応が生じた場合について等を通知しておりますので、こちらの内容についても留意するようお願いします。加えて、国土交通省の「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」(参考2参照)及び「建築プロジェクトの当事者参画ガイドライン」(参考3参照)についても参考にするようお願いします。
 
2.関係部局との連携について
 学校施設のバリアフリー化を計画的に推進するためには、当該地方公共団体における全体的な中・長期の行政計画やバリアフリー化整備計画等の上位計画との整合を図りつつ、学校、家庭・地域(自治会、障害者団体等)、行政(教育委員会、営繕部局、都市計画部局、財政部局、防災部局等)等の参画により、幅広く関係者の理解・合意を得ながら、学校施設のバリアフリー化に関する整備計画を策定することが重要です。
 このため、地方公共団体における関係部局との連携が図られるよう、本通知については、国土交通省及び内閣府に、各都道府県及び市区町村の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動等円滑化促進方針や基本構想の策定等に関わる都市計画等の担当部局及び防災部局へ情報共有するよう依頼をしております。各学校設置者におかれては、必要に応じて、まちづくりや避難所整備の観点で関係部局とも連携し、学校施設のバリアフリー化を推進していただくようお願いします。

 
3.学校施設のバリアフリー化に係る国庫補助等について
 公立小中学校等施設のバリアフリー化の加速に向けて、各学校設置者の取組を支援するため、令和3年度より、バリアフリー化のための改修事業について、国庫補助率を1/3から1/2に引き上げています。また、別添4に記載のとおり、公立小中学校等以外の学校種にも活用可能な補助等がございますので、ご検討ください。
 
4.今後の文部科学省における取組について
 部会では、既存施設等におけるバリアフリー化促進のための新たな取組についても検討を行いました。今後、文部科学省では、自治体での取組の横展開、アドバイザーの紹介・派遣等を行う学校施設のバリアフリー化に関するプラットフォームの構築等を行う予定です。公表の際には改めて周知いたしますので、これらも活用いただきながら、バリアフリー化の取組を進めていただくようお願いします。
 
 
(通知)
学校施設におけるバリアフリー化の一層の推進について(通知)(PDF:223KB)
 
(添付資料)
別添1 学校施設バリアフリー化推進指針(令和7年8月)(PDF:485KB)
別添2 公立小中学校等施設のバリアフリー化に関する整備目標(PDF:234KB)

別添3 学校施設に対するエレベーターの国の整備に係る留意事項(PDF:351KB)
別添4 学校施設のバリアフリー化に係る国庫補助等(PDF:331KB)


(参考)
参考1 今後の学校施設のバリアフリー化の推進に関する取組について(令和7年8月 学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議)
参考2 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(令和7年5月)( 国土交通省ホームページ)
参考3 建築プロジェクトの当事者参画ガイドライン(令和7年5月)( 国土交通省ホームページ)
参考4 学校施設におけるバリアフリー化の一層の推進について(通知)(令和7年3月 31 日付け6文科施第 969 号)

 

お問合せ先

大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課
 電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2291)

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(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)