あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年10月17日)

令和7年10月17日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

教師を取り巻く環境整備特別部会における緊急声明(案)が示された経緯と今後の対応、HTV-Xの打ち上げへの期待と物資輸送技術の開発への支援、「学士・修士5年一貫制度」のねらい、秋の例大祭時の靖国神社への参拝、維新の会「政策協議メモ」に記載の教育政策に対する受け止め

あべ俊子文部科学大臣記者会見映像版

令和7年10月17日(金曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年10月17日あべ俊子文部科学大臣記者会見

令和7年10月17日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

あべ俊子文部科学大臣記者会見テキスト版

記者)
 15日に開かれた中教審の教師を取り巻く環境整備特別部会で、改正給特法を踏まえた環境整備を着実に進めることなどを求める緊急声明が議論されました。声明案の中では、中学校35人学級の実現に向けて次の通常国会に義務標準法改正案を提出することの他、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの支援スタッフの配置、充実に向けて必要な予算措置を確実にすることなどが盛り込まれております。また、正式に声明を受けた段階ではありませんけれども、こうした要望についてどう今後答えていくか、方針をお願いいたします。
 
大臣)
 御指摘のように、先日15日水曜日でございますが、に開催されました「教師を取り巻く環境整備特別部会」におきまして、教師を取り巻く環境整備へ向けた緊急声明の案が示されまして議論が行われたところでございます。声明案につきましては、今般の改正給特法(注)を踏まえまして教師を取り巻く環境整備を着実に進めるとともに、教師のみならず事務職員、またその他の学校を支える支援スタッフ等の指導・運営体制を整備することが求められているところでございます。文部科学省といたしましては、令和8年度概算要求におきまして義務標準法の改正による令和8年度からの中学校35人学級の実施、また教員業務支援員、またスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等などの支援スタッフの配置の充実などに必要な経費、これを盛り込んでいるところでございまして、特別部会での御議論も踏まえつつ、また必要な予算をしっかりと確保できるよう、引き続き関係省庁との調整に全力を尽くしてまいりたいというふうに思います。以上でございます。
(注)「改正給特法」は、正しくは「改正給特法等」です
 
記者)
 先ほどの幹事社さんからの質問と関連するところで、特別部会の緊急声明案なのですけれども、改正給付法の改定の指針のほうも出まして、中学校35人学級など声明に盛り込まれている内容というのは与野党5党の合意によるところが大きいと思いますので、かなり実現する可能性はほぼ確実なのではないかというふうな気もするのですけれども、そうでもないですか。何でこのタイミングでこういった声明をあえて出されたのか、ちょっとその理由みたいなところも教えていただければと思います。
 
大臣)
 教師を取り巻く環境整備に関しましては、先般、各教育委員会におきまして学校における働き方改革に関する計画を策定するための指針を改正するとともに、計画のひな形、また給特法改正に伴います留意事項について各教育委員会に対しまして通知をいたしました。給特法の改正を受けまして学校現場における働き方改革、さらに加速化させるためにはこの仕組みを着実に構築しているところではございますけれども、一方で学校現場でより実効的に改革を進めるためにはこうした仕組みの構築と歩調を合わせた形で必要な体制整備を速やかに行っていくことが求められているところでございます。先日15日の水曜日の特別部隊におきましては、こうした問題意識を背景に体制整備に関わる取組の着実な実行を求めるものとしていわゆる緊急声明の案が示されたものと認識をしているところでございます。文部科学省といたしましては、こうした学校現場の実態を踏まえた御議論、また御意見をしっかりと受けとめさせていただきながら、必要な予算の確保に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。以上です。
 
記者)
 今このタイミングで次の政権の閣僚ですとか、こういったようなところの動きが活発になってきていますけれども、こちらの今回の声明の内容について今後の政権ですとか国会に期待するところというところもお伺いしてよろしいでしょうか。
 
大臣)
 御質問の趣旨に合っているかどうか私は分かりませんけれども、先ほど申し上げましたように今回の緊急声明に関しましては給特法改正を含めまして、学校における働き方改革を進めつつある中におきまして、そのいわゆる流れをさらに加速させて改革の成果を現実のものにするために特別部会から御提言いただいたものと理解しておりまして、タイミングを含めましてそれ以上でもそれ以下でもないと認識をしているところでございます。以上です。
 
記者)
 宇宙関連で1点お伺いしたいのですが、21日に新型の宇宙補給船「HTV-X」の初号機の打ち上げがあります。それに対する期待をお伺いしたいのと、今後の宇宙の物資輸送やISSを含めた低軌道への利用に対して文科省として取り組みたいことがありましたら教えてください。お願いします。
 
大臣)
 H3ロケット7号機による新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)でございますが、1号機の打ち上げが10月21日火曜日10時58分頃に予定されているというふうに承知をしているところでございます。全9機を成功させました宇宙ステーション補給機「こうのとり」に続きましてHTV-Xにつきましても着実にミッションが遂行されることを期待しているところでございます。今後もHTV-XによるISSへの着実な物資輸送を継続していくとともに、宇宙戦略基金等を活用いたしました物資輸送技術のさらなる向上、また務めてまいりたいというふうに思っているところでございます。以上です。
 
記者)
 先日、文科省が大学学部と修士を5年間で一貫教育をするという方針が示されました。具体的な方策はいくつかあるようですけれども、いずれにせよ5年間で修士課程を取れるという仕組みだと思うのですが、それについて新制度の意義と狙いについて教えていただけますか。
 
大臣)
 近年の国際的な競争環境の高まりなどを受けまして、より高度な教育を受けた大学院修了者の増加を図ることが喫緊の課題でございます。このため、本年2月の中教審の答申も踏まえまして大学院修了をスタンダードにしていく発想の転換を図ることを狙いといたしまして現在、学部・研究科、これが連携した体系的な教育課程の編成方策、また教育の質の確保を前提とした上での5年間の履修を可能とする方策につきまして御議論いただいているところでございます。こうした制度によりまして学部から大学院まで連続性が向上し、また密度の高い学びを受けた優秀な人材が社会へ輩出することを期待しているところでございまして、私自身の経験といたしましても痛感するところでございますが、学生が大学院への進学を検討する上におきましては修了後のキャリアパス、また在学中の経済的な不安、大きな課題であるというふうに私考えておりまして、文部科学省といたしましても博士後期課程学生への経済的支援に加えまして、若手研究者への支援、また博士人材の民間企業での活躍の促進など、引き続き大学院修了者の増加に向けまして必要な施策をしっかりと推進してまいりたいというふうに思っているところでございます。以上です。
 
記者)
 教育無償化の関連でお伺いします。現在、自民党と日本維新の会の間で連立に向けた政策協議が行われているところですが、維新の会の政策協議メモの中では教育政策についても実現が求められているところです。例えば、高校無償化や給食無償化については具体的な期限が示されていますが、これらについて文部科学省としてどのように捉えているのか、特にグランドデザインを令和7年度中に策定というところは可能なのかどうか、大臣の御見解をお聞かせください。
 
大臣)
 いわゆる高校無償化や給食無償化に関しましては、本年2月の3党合意に基づきまして現在も実務担当者によりまして協議が行われているものと承知をしております。文部科学省といたしましては、その状況をしっかりと踏まえつつ、直ちに必要な対応ができるよう、しっかり準備を進めるということに尽きるというふうに考えているところでございます。その意味では、御指摘のございました高校教育改革のグランドデザインにつきましても同様でございまして、日本維新の会の政策協議メモの中で令和7年度中に策定とされていることは承知をしているところではございますが、グランドデザインにつきましては本年6月の3党の検討チームによる大枠の整理でも言及はされているところでございまして、日本維新の会との政策協議を抜きにいたしましても、私自身といたしましても、今後の高校のあり方も含めまして高校改革のために不可欠なものというふうに考えておりますので、文部科学省といたしましてもしっかりと議論を進めてまいりたいと考えているところでございます。以上です。
 
記者)
 靖国神社で今、秋の例大祭が開催されているのですけれども、大臣は今回の開催中に参拝されたりだとか、あとは真榊を奉納されたりする御予定があるかどうか、教えてください。
 
大臣)
 私個人といたしましては、参拝する予定も真榊を奉納する予定もございません。以上です。
 
記者)
先ほどの質問の関連なのですけれども、ちょっと大臣の個人的なお考えも伺ってみたくて、大臣御自身、アメリカの大学で博士課程を修了されていると思うのですけれども、仮に今後、来年度以降、こういう5年間で修士がとれるというふうな制度ができた場合、御自身が仮に学生時代に戻ったとしたら積極的にこういう大学を受けてみたいなとか、そういう思いはございますか。5年間で修士課程が取れるという制度ができた場合に、御自身が例えば受験生だったときにこういう新しい仕組みと新しい制度の大学に積極的に受験してみたいなとか、そんなお考えはございますか。
 
大臣)
 5年になったかどうかということは一つのプラス要素だと私は思っておりますが、それ以上に自分のキャリアパスと連動してどういうふうに構築できるかという全体の考え方でございますので、やはり何を学んでいくか、また卒業した後に何をしたいかということを総合的に考えていくものだというふうに思っているところでございます。いずれにしても、5年制度になったということは、私はある意味でキャリアをしっかりと密度の高いものにしていきながらやっていくということの部分では非常に重要な大きな1歩ではないかというふうには考えているところでございますが、しっかりまた御議論をいただきながら進めてまいりたいというふうに思います。
 
(了)

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