令和7年10月14日(火曜日)
教育、スポーツ、その他
2024年度「体力・運動能力調査」の結果、福岡県における補助教員の教員免許状偽造による逮捕、自公連立の解消に関する受け止めと高等学校無償化への影響、大阪・関西万博の文部科学省としての総括
令和7年10月14日(火曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和7年10月14日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
記者)
先日、スポーツの日に合わせて2024年度の「体力・運動能力調査」が公表されました。98年度以降の推移分析では、多くの世代で体力の向上または横ばいという傾向が示されましたけれども、30代後半または40代については低下の傾向が示されました。これらの世代の女性についてはスポーツの実施率が低いという、そういった調査結果も出ておりますが、こうした子育て世代にどうスポーツに日常的に取り組んでもらうか、今後の取組について大臣の御見解をお伺いできればと思います。
大臣)
文部科学省では、国民の体力・運動能力、この現状を明らかにするために毎年度、「体力・運動能力調査」を実施しているところでございます。そうした中で、今般の令和6年度の調査結果及び分析結果を公表させていただきました。その結果を見ますと御指摘のとおり、30代、40代女性につきましては体力低下の傾向が見られまして、スポーツの実施率も低いという状況にございまして、その理由としては「家事が忙しい」、「面倒くさい」といった回答割合が男性に比べて高くなっておりまして、こうしたことも体力低下の一因と考えられるものと私ども認識をしているところでございます。文科省といたしましては、女性のこうした現状を踏まえた上で職場や、またお住まいの地域など身近な場所でスポーツに親しむことができる環境の整備、またそのための働きかけ支援を通じまして女性がスポーツをしやすい環境づくりに取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。また、今回の結果におきましては学生時代の運動経験、これが成人以降の体力、スポーツ習慣に強い影響を与えるということが明らかになったところでございまして、学生時代の運動経験の確保に向けまして環境整備についてもしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。以上でございます。
記者)
福岡県の中学校の補助教員が偽造した教員免許証のコピーを採用時に示したとして13日に逮捕された件について伺います。補助教員は、2005年に児童買春で懲戒免職となって免許を失効していましたが、その後、失効を隠したり改正して免許を偽造したりして様々な自治体の学校で働いていたとされています。教員による性暴力防止法ではデータベースの活用が義務化されるなどしていて、そうした対策をすり抜けるような事案とも言えると思うのですけれども、大臣の受け止めをお聞かせください。また、同様のケースを防ぐために文科省として今後どう対応していくのかお聞かせください。
大臣)
御指摘の報道は承知しているところでございまして、教育の質を全国的に担保していくという免許制度の趣旨に鑑みまして、誠に遺憾でございます。文部科学省といたしましては、過去の通知等におきまして採用時に免許証の有効性の確認を徹底するために、その者が保有する全ての教員免許状の原本の確認をするよう求めている他、必要に応じまして都道府県教育委員会の免許担当と連携の上、「教員免許管理システム」に記載されました情報を活用するように周知をしているところでございます。この福岡県の須恵町におきましては、今後、採用時に免許証の原本の提示を求める運用とすると伺っているところでございますが、文部科学省といたしましても各採用権者に対しまして採用時の留意点等につきまして引き続き周知徹底をしてまいりたいというふうに思っております。また、今回の事案におけるいわゆる補助教員など児童等に日常的に接するスタッフにつきましては、いわゆる日本版DBSの制度対象として性犯罪歴の確認対象とする方向であるというふうに承知をしているところでございます。引き続き制度を所管するこども家庭庁と密に連携しながら児童生徒が性暴力の被害を受けることがないように努めてまいりたいというふうに思います。
記者)
教員による性暴力防止法でデータベースが義務化されるなどしていると思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
大臣)
教員の性暴力防止法に基づくデータベースでございますが、教育職員を任命または雇用しようとする際に活用が義務付けられているものでございます。そのため、教員、職員等を任命または雇用しようとするとき以外に本データベースを活用することは想定をしておりません。事案の詳細を承知しないところでございますが、今般の補助教員が教員性暴力等防止法において定義されている教育職員等に該当するかどうかコメントすることは困難でございますが、いずれにいたしましても教員免許状の確認に当たりまして原本の提出を求めること、また都道府県教育委員会と連携した上で「教員免許管理システム」に記載された情報を活用することなどの対応を行うことが重要というふうに考えているところでございまして、引き続き都道府県教育委員会と連携を図りながら適切な運用の徹底に努めてまいりたいというふうに思います。
記者)
最近の政治情勢に関連して伺います。公明党が連立政権から離脱することになりました。自民、公明両党の26年に及ぶ協力関係が終了することへの受け止めをお願いします。公明党と言えば自民、公明、維新の3党での高校無償化の協議にも加わっているところですが、その影響について大臣としてどう考えているのかも合わせてお願いします。
大臣)
政党間における協議について、私の立場でコメントするものではないかというふうに思いますのでお答えは控えさせていただきます。いずれにいたしましても、国民目線での政策を進めていくためにも各党と政策協議を重ねていきながらしっかりとした政権の運営体制を整えていくことがまずは重要だというふうに考えております。私といたしましては、文部科学大臣の職にある最後の瞬間までその職責を果たすことが私自身の務めでございまして、文部科学行政が停滞することがないように一つ一つの課題にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。また、いわゆる高校無償化の3党協議に関する影響についてでございますけれども、こちらも政党間協議に関することでございますので私の立場で深く申し上げるべきお話ではございませんけれども、今後の政策への賛否について政策ごとに判断されることも伺っているところでございまして、その意味では今年の2月、3党合意は3党の党首が政党として合意したものになりますので、連立を離脱されたことによって協議が進まなくなるという話では必ずしもないのではないかというふうに受け止めているところでございます。いずれにいたしましても、私としては受験生や高校生の皆様が不利益を被ることがない、安心して進路選択ができるよう協議が進められることを期待しているところでございまして、文科省といたしましてもこの状況を踏まえながらしっかりと準備を進めてまいりたいというふうに思います。以上です。
記者)
昨日、大阪・関西万博が閉幕しましたが、今回開催された万博で得られた成果であったり、前回日本で開催された愛・地球博と比較して今回の万博にはどのような特色があったと大臣は振り返りますでしょうか。
大臣)
私も大阪・関西万博に関しては開会式に出席をいたしました。この大阪・関西万博が昨日、大盛況のうちに閉幕をいたしました。文科省といたしましては、大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもとに、科学技術分野の最先端技術や成果、また我が国の文化芸術の魅力、さらには先端技術の活用などスポーツの新たな可能性など、様々な充実(注)を通じまして世界とともに、また我が国がこれからの時代に求められる社会像、これを提示することができたというふうに考えているところでございます。今回の万博、世界中の人々がアイデアを交換し、また未来社会を「共創」するとともに、人類共通の課題解決、これに向けまして新たなアイデアを創造・発信するなど、未来への道筋を示す素晴らしい機会になったというふうに考えているところでございます。以上です。
(注)「充実」は、正しくは「展示の充実」です
(了)
大臣官房総務課広報室