あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年9月19日)

令和7年9月19日(金曜日)
教育、スポーツ、その他

キーワード

スポーツ庁長官人事、在外教育施設の安全対策、相次ぐ教員の児童生徒性暴力への対策、自民党総裁選、旧香川県立体育館の解体差し止め請求と建築文化の振興

あべ俊子文部科学大臣記者会見映像版

令和7年9月19日(金曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年9月19日あべ俊子文部科学大臣記者会見

令和7年9月19日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

あべ俊子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件でございます。本日の閣議におきまして、10月1日付のスポーツ庁長官人事につきまして内閣の承認を得ましたところでございます。この度、室伏広治スポーツ庁長官が9月30日で任期満了によりまして退官をし、その後任といたしまして河合純一氏に就任いただくことといたしました。室伏長官には、5年という長きにわたりましてスポーツ行政の旗振り役として御尽力をいただきまして、心から感謝申し上げるところでございます。10月からは、河合氏がスポーツ庁長官としてリーダーシップを発揮され、本年の11月、わが国では初となる聴覚障害者の総合競技大会でございます東京2025デフリンピックの開催、また来年のミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックや、愛知・名古屋アジアパラ競技大会に向けましたアスリートの強化と競技力の向上、さらには運動部活動の地域展開の取組など、スポーツ立国の実現に向けましてスポーツ行政の推進、進展に御尽力いただくことを心から感謝申し上げる次第でございます。以上です。
 
記者)
 中国の深圳で日本人学校に通う小学生の男児が刺されて亡くなった事件から1年になります。今年7月にも蘇州で子どもを連れた日本人の母親が何者かに襲われる事件があり、日本人が襲撃される事件が相次いでいますが、今年は中国にとって抗日戦争勝利80年の節目にあたり、反日感情の高まりも懸念されます。そうした意味で、改めて日本人学校の安全対策について大臣の考えを聞かせてください。
 
大臣)
 未来ある子供の命、奪われるということが二度とあってはならない、この事件から昨年(注)で1年が経過をいたしまして、今もなお深い悲しみを禁じ得ません。改めて心から哀悼の意を表したいというふうに思います。在外教育施設における施設に通う子供たちが安全な環境の中で安心して学校生活を送ることができるよう、文部科学省といたしましては在外教育アドバイザーからの指導・助言を基にしまして、各学校における危機管理マニュアルの見直し、また在外教育施設が危機管理また安全教育に関する専門人材からオンラインによる研修などを受けられるようにする実証研究に取り組むなど、安全対策の体制づくりの支援に今、努めているところでございます。引き続き外務省ともしっかり連携をしていきながら、在外教育施設の安全対策に全力をあげて取り組んでまいります。以上です。
(注)「昨年」は、正しくは「昨日」です
 
記者)
 教員による性暴力をめぐり、名古屋市の教育らがSNSへ盗撮画像を共有していた事案以降も、愛知県などでも逮捕事案が発生している件で2点伺います。文科省は、7月に全国の教育委員会に通知を発出し、教育長を集めた緊急オンライン会議を開催しましたが、その後に起きたとみられる逮捕事案もあります。会議で性暴力の根絶を呼びかけた後も発生していることについてどのように受け止めているか、またさらなる対策が必要かと思いますが、どのような対策を考えているかお伺いします。
 
大臣)
 文部科学省といたしましては、7月に通知を発出するとともに緊急オンラインの教育長会議を開きまして、今一度、取組徹底を強くお願いをした中で、その後も教師によるわいせつ事案が立て続けに報道されていることは極めて遺憾でございまして、強い危機感を感じているところでございます。改めて強く申し上げますが、教師から児童生徒への性暴力は決してあってはならないことでございまして、断じて許されません。9月には教育委員会の人事管理担当者が集まる研修の場におきましても、改めて取組の徹底を依頼したところでございます。今後も、都道府県等の教育委員会の担当部課長向けの会議など、あらゆる機会をとらえまして徹底を図る予定でございます。児童生徒性暴力等の防止に対する認識を高め、学校全体でこうした事案を根絶していくという強い意識が学校現場の先生方一人一人にまでしっかりと浸透するよう、今後とも教育委員会に対しまして指導を行いましてこの取組を徹底してまいりたいというふうに思います。具体的には、これまでも教員の性暴力等防止法に基づいた取組が確実に行われますよう、取組事例集、また教職員に向けた研修用の動画も作成していきながら、様々な機会を捉えて各教育委員会等に徹底を図ってきたところではございます。また、未然防止に向けましては教師と生徒児童等が第三者の目が行き届きにくい環境となる場面をできる限り減らしていくこと、また教室やトイレ、更衣室等の定期的な点検を行うこと、私的な端末で児童生徒等を撮影しないことなどにより被害が起きないような環境を整備していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。また、教職員1人1人が意識を持って未然防止に取り組んでいくことも必要でございます。さらに、教育委員会以外が設置する相談・通報の窓口を児童生徒、保護者に対しても周知することによりまして抑止効果も期待できるものと考えておりまして、各省庁とも一層連携をしていきながら取組をさらに進めてまいりたいというふうに思います。
 
記者)
 先週に重ねて恐縮なのですけれども、自民党総裁選についてお伺いします。来週22日告示の総裁選では、現在5名の候補者が出馬の意思を表明しており、総裁選の構図が固まりつつあります。既に閣僚でも支援先を表明しておられる方もいらっしゃいますが、自民党所属議員として誰を支持するかなど、現時点で決めていることがあれば教えてください。また、総裁選管等から報道機関からの総裁選に関するアンケートへの回答自粛という要請があったかと思うのですけれども、大臣としてこの自粛を受けて何か決めている対応があればそれも合わせて教えてください。
 
大臣)
 この場は文部科学大臣としての会見の場でございますので、自民党総裁選に関するコメントは控えさせていただきたいというふうに思います。また、先日の会見でも申し上げましたが自民党に所属する1人の議員としては適切にしっかりと判断をしてまいりたいというふうに思います。もう一つのアンケートの件でございますが、この件も自民党総裁選の運営に関することになるのでコメントは控えさせていただきたいというふうに思います。私個人といたしましては、自民党総裁選に関するアンケートに限らず、報道機関の皆様方からの御質問については従来からその性質や内容等を踏まえた上で個別に対応しておりまして、また引き続き適切にしっかりと対応してまいりたいというふうに思います。
 
記者)
 解体と利活用で議論がある旧香川県立体育館について御質問いたします。香川県は体育館の解体手続きを進めていますが、保存、利活用を提案する民間団体が差し止めの住民請求を行っています。文化庁の文化審議会のワーキンググループでは、近代建築の保存、利活用を進める建築文化振興法の立法を協議しています。民間団体がこの体育は建築文化振興のモデルの取組になり得るとしています。本件に関して、さらに建築文化振興について大臣の御所感を伺うとともに、本件に関して文部科学省、または文化庁として対応を考えているようでしたら教えてください。
 
大臣)
 建築を文化として捉えまして、またその振興を図っていくことは重要でございまして、この文化審議会の文化経済部会にいわゆる建築文化ワーキンググループを設置いたしまして、将来的な制度化も見据えながら建築また景観をめぐる普及啓発、人材育成、拠点形成などについて議論を今進めているところでございます。なお、個別の建物の保存・活用のあり方に関しましては、この場で私からコメントすることは控えさせていただきたいというふうに思いますが、必要であれば後ほど文化庁にお尋ねいただければというふうに思います。いずれにいたしましても、御指摘の建物につきましては地元でも様々な御意見があるというふうに承知をしておりまして、それらも踏まえながら御議論をいただくなど、丁寧な検討を進めていただきたいというふうに思っているところでございます。
 
記者)
 先ほどの盗撮の関係で質問させていください。今回の事案は県をまたいで教員同士がネットワークを作っているような形でわいせつな画像のようなものが共有されていたように思うのですけれども、これについて文科省として、県をまたいでこういったものがネットワークができていることについて実態を調査するお考えがあるかどうか教えてください。
 
大臣)
 今おっしゃってくださった調査の件ですが、調査をするということは今考えておりませんが、9月には教育委員会の人事管理担当者が集まる研修の場におきましても、改めてこの取組の徹底を依頼したところでございます。今後も、都道府県等の教育委員会の担当部課長向けの会議など、あらゆる機会をとらえて私ども徹底を図ってまいりたいというふうに思っておりまして、児童生徒、この性暴力等の防止に関する認識をしっかりと高めていき、学校全体でこうした事案を根絶していくという強い意識が学校現場の先生方お一人お一人に対しましてしっかりと浸透するよう、今後とも私ども、教育委員会に対しまして指導を行っていきながら取組を徹底してまいりたいというふうに思います。
 
記者)
 冒頭の河合純一さんのスポーツ庁長官就任に関してなのですけれども、パラリンピアンではじめてという点に関して期待する部分をお聞かせいただけますでしょうか。
 
大臣)
 新たにスポーツ庁長官に御就任いただきます河合氏でございますが、パラの水泳選手としての競技実績、また中学校教員としての教育活動の経験、日本パラリンピック委員会におけます組織マネジメントの経験などを有してございまして、今後の我が国のスポーツ関連政策を総合的に推進していく上では河合氏が最適任であるというふうに判断をさせていただいたものでございます。今後は、河合氏が室伏長官の後引き継ぎましてスポーツ立国の実現に向けまして我が国のスポーツ行政をしっかりとけん引していただきたいというふうに考えておりまして、特に部活動の地域展開の着実な推進、また各種競技大会に向けた競技力の向上とスポーツを通じた共生社会の実現といいました諸課題に取り組んでいただきたいというふうに私ども期待をしているところでございます。
 
(了)

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大臣官房総務課広報室