令和7年7月8日(火曜日)
教育、スポーツ、その他
文部科学省の幹部人事、大学スポーツにおける薬物問題が続いていることへの対応、私立学校における教員性暴力防止のデータベース活用状況、今後の通級による指導の体制整備の方針
令和7年7月8日(火曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和7年7月8日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは1件でございます。本日、閣議におきまして7月15日付け局長級以上の人事につきまして、内閣の承認を得たところでございます。この度、勇退する藤原事務次官の後任といたしまして増子文部科学審議官を起用いたします。また、増子文部科学審議官の後任におきましては柿田内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官を起用いたします。その他の人事の内容につきましては、お配りしました資料のとおりでございます。今回、適材適所を基本といたしました人事を行ったところでございまして、新たな布陣によりましてこれからの文部科学行政をより一層、強力に推進してまいりたいというふうに考えてるところでございます。以上です。
記者)
専修大学の柔道部に所属していた学生が大麻を所持していたとして先週逮捕されました。先月には国士舘大学の柔道部、そして天理大学ラグビー部でも大麻の所持などが明らかになっていて、大学の運動部で大麻をめぐる事件が相次いで発覚しています。大臣の受け止めと文科省として対応があれば教えてください。
大臣)
昨今、大学スポーツに対する社会の信頼を損なうような事案が相次いで報じられていることにつきましては大変遺憾に思っているところでございます。いかなる理由でございましても、薬物の使用は断固として許されるものではありません。文部科学省といたしましても、各事案の状況を注視するとともに、機会を捉えて大学関係者に対しまして大学スポーツにおけるインテグリティ確保の重要性につきまして周知徹底を図りまして、大学の自主的な取組を促してまいりたいというふうに思います。また、大学スポーツ協会など関係団体とも協力をしていきながら指導者、コーチ、また大学生への研修の充実、さらには大学の執行部の適切な関与につきまして啓発を行うなど、大学スポーツにおける不祥事の防止に向けてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。以上でございます。
記者)
教職員等による児童生徒性暴力防止法についてお尋ねいたします。文科省が行った私立学校などを運営する学校法人を対象にした調査によると、回答者75%にあたる5480法人が教員採用の際に児童制度へのわいせつ処分歴の有無を国のデータベースで確認していなかったことが分かりました。教員による児童生徒の性暴力防止法はデータベースでのチェックを義務付けており、法令違反とも言えると思いますが、大臣のお受け止めと今後の対応、対策について教えてください。
大臣)
子供を守り育てる立場にある教員、この方々が児童生徒に対しての性暴力を行うなどということは断じてあってはならないことでございまして、児童生徒性暴力の未然防止に向けましては教員性暴力等防止法のデータベースの活用は大変重要であるというふうに考えているところでございます。他方、御指摘のように文部科学省が昨年度実施いたしました調査におきましては、約75%の私立の学校法人等におきましてデータベースのユーザー登録、また適切な活用ができていないということが確認されたところでございます。こうした状況は極めて遺憾でございまして、データベースの適切な活用につきまして本年3月に改めて周知を行ったところでございます。引き続き文書による周知に加えまして、様々な会議等におきましてもデータベースの確実な情報の登録、また適切な活用について重ねて周知をしっかりしてまいりたいというふうに思います。以上です。
記者)
7月4日の中教審の教育課程企画特別部会の場で文部科学省のほうから通級による指導について、障害の状態などを踏まえて特に必要がある場合には各教科の指導を行えるようにすること、それから通級指導の授業時間数の上限の見直しの検討といったものが提案されました。これらの提案を実現するとなると、通級指導を担当する教員を大幅に増やす必要があるというふうに思われるのですけれども、こうした教員の定数改善を含めまして今後の通級による指導の体制整備の方針について教えていただければと思います。
大臣)
先日の教育課程企画特別部会でございますが、通常の学級に在籍する障害のある子供たちへのきめ細やかな指導の実現を図るという観点から、通級指導のあり方に関しまして自立活動に加えて各教科の指導を行うことを可能にすること、また授業時間数の上限を見直すことなどの方向性について御議論をいただいたところでございます。お尋ねがありました体制整備つきましてでございますが、これまでも通級指導担当教員の基礎定数化を着実に進めるとともに、特別支援教育支援員の配置などの取組を進めてきているところではございます。引き続き障害のある児童生徒に必要な支援が行われますよう、中央教育審議会における専門的な議論も踏まえながら障害のある子供たちに対する指導、また運営体制の在り方についても併せてしっかりと検討してまいります。
記者)
冒頭にあった人事異動のことについてお尋ねします。今回、事務次官になることが決まった増子宏氏について、起用のねらいと期待されることを改めて教えてください。
大臣)
今回の人事は文部科学行政をより一層、強力に推進していくための適材適所を基本として行ったものでございます。今回起用する増子事務次官のもと、新たな体制で、私どもやはり学校における働き方改革、この更なる加速化、更にはいわゆる高校無償化の推進、第7期科学技術・イノベーション基本計画の検討及び関連施策の推進、また文化芸術推進基本計画に基づきました文化芸術立国の実現、またスポーツ基本計画等に基づいた関連施策の推進など、重要な課題を着実に取り組んでもらいまして、また今後、文部科学行政をより一層強力に推進してまいりたいというふうに思います。
(了)
大臣官房総務課広報室