令和7年5月23日(金曜日)
教育、その他
令和7年3月に卒業した学生等の就職状況等調査の結果、高校生が同級生を切りつける事件への対策、農林水産大臣の辞任について、離婚後の共同親権導入による学校現場への影響、国際交流キャンプ旅行を企画する団体の料金未納・返金トラブル、米国政府がハーバード大学の留学生受入れを禁止するという報道、学校給食における地産地消の推進
令和7年5月23日(金曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和7年5月23日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私から1件でございます。令和7年3月に卒業いたしました学生等の就職状況の調査結果がまとまりましたので御報告申し上げます。大学生の就職率は昨年と比べ0.1ポイント低下の98%、高校生の就職率は昨年と変わらず98%となり、いずれも過去最高値と同等の高い水準となりました。これは、人手不足感が高まる中にございまして採用活動に積極的な企業が増加し、学生等が就職しやすい売り手市場が続いていることによるものと考えているところでございます。文部科学省といたしましては、学校関係者や関係省庁などと連携しまして引き続き学校等とハローワークの連携を含めまして卒業後の支援に取り組むとともに、各大学等における学生のキャリア形成支援の取組を促してまいります。以上でございます。
記者)
今週水曜日、広島県の通信制高校で生徒が同級生を刃物で切りつける事件がありました。今年3月には愛媛県でも同様の事件が起こっていますが、文部科学省として今後の対策などありましたらお願いします。
大臣)
3月には愛媛県松山市におきまして、一昨日21日には広島県福山市において、同級生を切りつける事案が発生しています。このような事案が短期間に複数件起きたことにつきましては大変心を痛めているところでございまして、まずは被害に遭われた生徒の1日も早い回復を心よりお祈り申し上げる次第でございます。このような事案を未然に防ぐためにも、文部科学省といたしましては関係機関とも連携をしながら学校警察連絡協議会や非行防止教室の実施促進などに取り組んでいるところでございますが、まずは今般の事案について詳細な情報収集に努め、その原因等について分析の上、今後必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。以上です。
記者)
農相交代の件についてお尋ねします。江藤拓氏は、自らのコメをめぐる発言の責任を取って一昨日、農水大臣を辞任しました。このことについて、内閣の一員としての受け止めをお願いします。
大臣)
御指摘の江藤議員本人からの不適切だった旨の発言がございまして、石破総理からも消費者の方にも生産者の方にも本当に申し訳ない旨の発言があったというふうに承知をしているところでございます。いずれにしても、私といたしましては一層の緊張感を持って文部科学行政を推進してまいりたいというふうに思っています。
記者)
民法改正により離婚後の共同親権が導入されるまであと1年ほどに迫っております。進学先を決める際には父母双方の同意が必要になるなど、学校にも多かれ少なかれ影響が出ると思われるのですが、文部科学省として共同親権が学校にどんな影響を与えるということを具体的に想定されているのかということ、それから学校が政府の趣旨に即して適切に対応しておかないと保護者との間にトラブルになることも懸念されますけれども、学校があらかじめ考慮しておくことの周知など、施行までにどのような対応を予定しているのかということも合わせて教えてください。
大臣)
昨年5月に成立いたしました民法の改正法の施行に向けまして、現在、法務省をはじめとして関係省庁が連携をいたしまして改正法に関するQ&A形式の解説資料の検討などを進めているところでございます。共同親権の導入によりまして、学校現場で父母による具体的な親権行使をめぐった混乱が生じるのではないかという御指摘があることも踏まえまして、文部科学省といたしましては法務省と協力をして解説資料におきまして学校現場での対応も想定をした内容を盛り込む予定としているところでございます。文部科学省といたしましては、法務省とも協力をしながら改正法の施行前にその内容の周知にしっかりと努めてまいりたいというふうに思っております。以上です。
記者)
小学生を対象にした英語を使った交流キャンプを企画運営する仙台の復興支援団体宮城復興支援センターについて、キャンプで青少年自然の家を利用するも施設利用料が支払われないケースやキャンプが中止になったにも関わらず費用が返金されないなど、保護者から苦情や相談が相次いでいますが見解をお聞かせてください。なお、宮城県がこの団体の立ち入り検査をすると2年間の件数が200件ほどあり、返金を指導していますが、今後、国としての対応方針があれば教えてください。また、一部の保護者らは県や市の後援があり学校を通じてチラシを配布されたことから参加を申し込んでいたケースもあり、周知を学校も関与していたということですが、何か対策はありますでしょうか。
大臣)
御指摘のような報道があることは承知をしているところでございます。当省所管の独立行政法人国立青少年教育振興機構が設置する国立青少年教育施設におきましても、宮城復興支援センターからの令和6年度の施設利用に対する料金の未納が存在しておりまして、支払い計画が履行されていないために今後の予約を取り消すとの報告が担当課に届いているということも聞いているところでございます。国際交流キャンプを楽しみにしていた子供たちも多くいる中にあって、事業の中止、参加料に関するトラブルが発生したこと、また青少年の多様な体験活動の場が減ってしまうことに関しましては大変残念に思っているところでございます。また、御指摘のように現在、宮城県において旅行業法に基づいて当該キャンプ旅行の実施企画を担っている株式会社ハローワールドに対しまして立入検査を実施し対応に当たられているというふうに私ども承知しております。文部科学省といたしましては、まずは宮城県の対応を注視してまいりたいというふうに考えております。また、県や市の後援があったという件でございますが、宮城復興支援センターが実施する一つ一つの取組にどういった自治体から後援が出ているかは承知はしていないところでございますが、各自治体における後援名義、また基準、後援名義の基準や学校での配布に関しては各教育委員会や学校において適切に判断をしていただきたいというふうに私ども考えております。以上でございます。
記者)
トランプ米政権がハーバード大学留学生受入れ資格停止を通達しました。この大学には日本人の留学生や研究者が260人ほど在籍していると言われていますが、影響も考えられますが、大臣の受け止めと国としての対応をお願いします。
大臣)
御指摘のような報道があることは承知をしておりますけれども、これは外国政府の内政方針に関するものでございまして、文部科学大臣としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。文部科学省といたしましては、日本人の留学生、また研究者への影響を含めまして引き続き動向を注視するとともに、情報収集にまずは努めてまいります。以上です。
記者)
学校給食についてお聞きします。現在、学校給食の無償化を検討していると思いますが、地産地消への今後の課題や大臣の学校給食無償化に対する思いを教えてください。
大臣)
学校給食において地場産物を活用することに関しましては、地域の食文化、産業の理解、また生産者の感謝の気持ちを育むなども含めて、子供たちの食に関する理解を深めるために大変有効であると私ども考えております。他方で、その活用にあたりましてはいわゆる域内で給食に必要となる量の確保が難しい、また一般的な食材と比較して費用がなかなか高いこともありまして、給食用の納入規格というのがあるようでございまして、それに合わないということもあるなど、様々な課題があるのだということは聞いているところでございます。このため、文部科学省といたしましては令和7年度予算におきまして学校給食におけるいわゆる地場産物の活用に向けた調査研究を実施しているところでございまして、引き続き学校給食の充実に向けた取組を進めてまいりたいというふうに思います。
(了)
大臣官房総務課広報室