あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年4月1日)

令和7年4月1日(火曜日)
教育、文化、その他

キーワード

多子世帯の高等教育費を支援する「大学等における修学支援に関する法律の一部を改正する法律」の成立,令和7年度予算の成立,旧統一教会の財産移転に関する報道について,東京学芸大学附属大泉小におけるいじめの調査報告書について,国際研究開発政策課、地域大学振興室の設置のねらい

あべ俊子文部科学大臣記者会見映像版

令和7年4月1日(火曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年4月1日あべ俊子文部科学大臣記者会見

令和7年4月1日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

あべ俊子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件でございます。今国会に提出しておりました、「大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案」が、昨日31日の参議院本会議におきまして可決をされまして、成立をいたしました。今回の改正、高等教育費による理想の子どもの数を持てない状況を払拭するために、本年度から低所得者世帯の学生等に加えまして多子世帯の学生等を対象といたしまして、所得制限なく、一定の額まで、大学等の授業料・入学金を無償とするものでございます。文部科学省といたしまして、本制度の内容につきまして学生や保護者の方、学校関係者にしっかりと周知をしていくとともに、引き続き、高等教育費の負担軽減に取り組んでまいります。以上でございます。
 
記者)
 昨日の令和7年度予算成立の全体の受け止めと、この間、与野党で給食無償化など大きな課題について合意がなされたと思うのですけれども、これから具体化に向けてどう考えて取り組んでいかれるか教えていただけますでしょうか。
 
大臣)
 昨日31日でございますが、国会審議を経まして、令和7年度予算が成立いたしました。この予算におきましては、政府予算案では、財務大臣との折衝を通じまして確保いたしました、教職員定数の改善、また教師の処遇改善をはじめといたしまして、教育、科学技術・イノベーション、スポーツ、文化芸術の各分野の振興に必要となる予算を盛り込むことができました。さらには、国会におきまして、いわゆる高校無償化に関わる先行措置といたしまして、全世帯を対象といたします支援金の支給につきまして収入要件を事実上撤廃をするなど、増額修正がされました。そうした中で、文部科学省所管の一般会計予算といたしましては、対前年度1,709億円増の総額5兆5,094億円となったところでございます。今後は、確保した予算の着実な執行に向けましてしっかりと取り組んでまいります。また、いわゆる今御質問のございました給食無償化につきましては、3党間の合意内容におきまして、様々な論点が示されているところでございまして、今後、十分な検討を行いながら、安定的な財源の確保と併せまして、関係者の意見もよく拝聴しながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。以上でございます。
 
記者)
 旧統一教会が16年前に教団の解散を想定して資産を移す先として北海道帯広市と宗教法人を指定していたことが報道などで分かったのですけれども、文科省はいつ頃から把握していて、またこの団体との間で資産が移転されていないかなどは監視しているのでしょうか。また、資産が別法人に移った場合、これまで同様に税制の優遇措置を受けながら活動できるという指摘もあるのですが、この点について大臣のお考えをお願いします。
 
大臣)
 一般論といたしまして、宗教法人法の50条におきましては、清算手続きを終えた後の財産の帰属に関しましては、まずは、宗教法人が規則で定めるところによることとされているところであります。報道につきましては承知をしているところでございますが、旧統一教会の解散命令請求事件は係属中で今ございまして、また個別の法人の内部情報でございますのでお答えを差し控えさせていただきます。いずれにいたしましても、文部科学省といたしましては、宗教法人の清算手続におきましては、必要かつ十分な時間をかけて被害者への債務などの弁済の清算が確実に行われることが重要だというふうに認識しておりまして、また文部科学省におきましてはこれまで旧統一教会から提出されました財務書類等を十分に精査をしてきたところでございまして、その内容はお答えを差し控えさせていただきますが、現状におきまして、「特別指定宗教法人」の要件でございますところの「財産の隠匿又は散逸のおそれ」を満たすと認められる状況は確認されておりません。引き続き旧統一教会についての情報収集に努めまして、法令に則りまして、適切に対応してまいりたいと思います。
 また、もう一つ質問がございましたところのいわゆる活動の係属の部分でございますが、御指摘につきましては旧統一教会の解散命令請求事件は係属中でございまして、仮定の質問については、お答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 
記者)
 東京学芸大附属中(注)の小学校で2023年に男子児童が転校を余儀なくされたいじめについて、昨日、第三者による調査報告書が公表されました。学校が組織的な対応を行なったであるとか、学校が定めていたいじめ防止基本方針が空文化されていたとか、厳しい指摘がされているようですがその受け止めと今後の対応を教えてください。
(注)「東京学芸大附属中」は、正しくは「東京学芸大附属」です
 
大臣)
 御指摘の報告書の内容につきましては、国立大学法人東京学芸大学から報告を受けているところでございます。当該報告書におきましては、いじめの対応を担任一人で抱え込み、また管理職等への迅速な報告を怠ったこと、担任及び管理職等において、法や学校いじめ基本方針等が遵守されていなかったこと等が指摘をされておりまして、学校等におきましては、今回の事案につきまして自らの対応を省みていただきまして、再発防止に全力を尽くしていただきたいと考えております。文部科学省といたしましても、令和6年8月に「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」を改訂するとともに、先月の6日には新年度を迎えるにあたりまして、改めていじめに対する平時からの備えについて確認をいただくべく、各学校の設置者等に対して通知を行っているところでございます。引き続き本通知、また法及び基本方針、ガイドライン等を踏まえた適切な対応がなされるように、各学校の取組を促してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
 
記者:教育新聞)
 組織改正についてお伺いします。本日付けで新たに大学振興課と国際研究開発研究課(注)が設置されて、大学振興課の中には地域大学振興室も新設されたと伺っていますが、改めてこの二つの課の設置の狙いと今後の取組への期待についてお話しいただけますでしょうか。
 
大臣)
 少子化が急速に進む中にございまして、高等教育の規模の適正化、質の確保とともに地域における高等教育へのアクセス確保がまさに重要でございまして、関係施策の強化を図るために本日4月1日付で高等教育局に「大学振興課」、その中に「地域大学振興室」を設置いたしました。地域大学振興室におきましては、2月の中央教育審議会の答申におきまして提言されました地域のアクセス確保、また人材育成のための協議体の構築などを通しまして、各地域の関係者と連携をしながら、地域の高等教育のアクセス確保や、また地方創生の取組を推進していくこととしているところでございます。また、昨今の研究活動の国際化の進展、また国際情勢の複雑化を踏まえた上で、科学技術・学術政策局に「国際研究開発政策課」を新設をいたしました。この戦略的な国際共同研究を推進するとともに、重要な技術の育成、また研究セキュリティ・研究インテグリティ、この確保を通じまして経済安全保障の強化を一層努めてまいります。いずれにいたしましても、文部科学行政における現下の重要課題に対応するための組織改正でございまして、新たな組織のもとで引き続きしっかりと取組を進めてまいります。以上でございます。
(注)「国際研究開発研究課」は、正しくは「国際研究開発政策課」です
 
 
記者:北海道新聞)
 先ほどの統一教会の関係で追加なのですけれども、移転先とされている帯広市の宗教団体は20年ほど活動の実績がないと言われています。こうした休止状態のような宗教団体が存在することも問題かと思うのですけれども、それについてはどのようにお考えか教えてください。
 
大臣)
 詳細に関しましては、私はそこまで把握をしていない部分もございますので関係の課にお尋ねいただければというふうに思います。
 
(了)

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大臣官房総務課広報室