あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年3月7日)

令和7年3月7日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化

キーワード

ユネスコ無形文化遺産への「書道」再提案、民間企業の月面活動・宇宙開発参入への期待、修正予算案における公立専門高校の施設整備の支援、最高裁の決定を受けて旧統一教会に対して報告を求める通知について、運動部活動の指導者による体罰への対策

あべ俊子文部科学大臣記者会見映像版

令和7年3月7日(金曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年3月7日あべ俊子文部科学大臣記者会見

令和7年3月7日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

あべ俊子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件でございます。ユネスコ無形文化遺産につきまして、文化審議会の答申を受けまして、昨日、無形文化遺産保護条約関係省庁連絡会議におきまして、「書道」を再提案することが決定されました。我が国のユネスコ無形文化遺産の審査におきましては、現在、2年に1件となっていることを踏まえまして、昨年度に続き再提出するものでございます。提案書は、今後、3月末までにユネスコに提出をする予定でございます。「書道」は筆・墨・硯・紙等を用いて、伝統的な筆遣いや技法の下に、手書きする文字表現の行為でございまして、日本人の日常生活上の様々な場面で用いられる我が国の大切な文化でございます。文部科学省といたしましては、来年秋頃に開催予定の政府間委員会におきまして決定を目指して、本件の登録に向けた準備を着実に進めてまいります。以上でございます。
 
記者)
 まず宇宙関連についてお伺いしたいのですけれども、今朝、日本の民間企業が開発した探査車なんですが、米国の月着陸機が月面着陸に挑戦しました。日本の宇宙ベンチャーも6月に月着陸を宇宙船で目指している中で、改めて民間の月への挑戦、宇宙開発への民間の参入への期待というのを教えてください。
 
大臣)
 ダイモン社の超小型月面探査車「YAOKI」を搭載した米国企業の月面着陸機の状況は、現時点で月面着陸、正常に達成されたか不明であるというふうに承知しているところでございます。我が国の民間企業による月面活動など、宇宙開発への参入が増加をしていることは我が国の宇宙産業の発展の観点からも歓迎すべきことと考えています。具体的には、今般のダイモン社や、今後6月にはispace社によります月面着陸などが計画されているところでもございます。また、米国主導の月探査計画である「アルテミス計画」におきましても、トヨタ自動車をはじめとした民間企業との協力で有人の与圧ローバの研究開発を進めているところでございます。これら企業の月面開発の取組とともに、さらなる民間企業の参入、イノベーションへの挑戦を期待しているところでございます。
 
記者)
 来年度予算案の修正に関連してお伺いします。予算案の修正で、高校無償化について1,064億円が増加されまして、一部公立の専門高校の施設整備の支援拡充に充てるとの説明がありました。大臣は国会答弁の中で専門高校への支援にしばしば言及されていますが、来年度はどのくらいの予算でどんな支援をお考えでしょうか。また、さらにその先の2026年度以降の支援に向けたお考えも合わせてお聞かせいただけますでしょうか。
 
大臣)
 自民党、公明党、日本維新の会の3党の合意におきましては、令和8年度から「公立高校などへの支援の拡充を行う」とされているところでございます。その先行措置といたしまして、令和7年度分に関しましては、産業教育のための実験実習施設設備(注)の支援を拡充するため、10億円の増額が予算案に盛り込まれたところでございます。具体的な補助対象施設は、例えば、農業高校における牛舎、また温室、工業高校や商業高校における実習室などが挙げられるところでございます。なお、2026年度以降に関しましては、今後、3党の合意内容を踏まえた上で専門高校を含む公立高校などへの支援の拡充につきまして具体的な検討を行ってまいります。以上です。
(注)「施設設備」は、正しくは「施設整備です」
 
記者)
 旧統一教会の関連で伺います。最高裁が教団に過料を命じたことを受けて、文科省は不報告事項への回答を求める事務連絡を5日に発出されましたが、その後、教団から何か反応があったでしょうかということと、反応があった場合には詳細を含めて教えていただけたらと思います。
 
大臣)
 今般の最高裁の決定を踏まえまして、3月5日に、文化庁から旧統一教会に対して、不報告であった事項に対しまして、引き続き報告を求める事務連絡を発出をいたしましたが、現時点で旧統一教会側からの報告はございません。いずれにいたしましても、旧統一教会に対する対応に関しまして今後も万全を期してまいります。以上です。
 
記者)
 甲子園の常連校の京都の龍谷大平安高校野球部監督が部員に暴行して監督を辞任しました。こういった件の大臣の受け止めと、今後、体罰防止に向けて文科省としての取組を教えてください。
 
大臣)
 お尋ねの件に関しましては、当該指導者が野球部の指導で生徒に暴力を加え退職したことについては、報道等によりまして承知をしているところでございます。部活動におきまして、指導者が体罰・ハラスメントを行うことに関しては、決して許されることではありません。文部科学省といたしましては、令和4年12月に策定いたしました部活動に関するガイドラインの中で、校長、部活動顧問等に対して部活動での体罰・ハラスメントを根絶することや、また学校の設置者に対して、学校での体罰・ハラスメント防止の取組の徹底のための支援及び指導・是正を行うことを求めるとともに、毎年、都道府県教育委員会(注)の関係者が集まる会議におきまして、都道府県教育委員会や高等学校体育連盟等に対しまして体罰・ハラスメントの根絶に向けた取組を要請をいたしまして、その徹底を求めているところでございます。文部科学省といたしましては、引き続き関係団体と連携をしながら、部活動における体罰・ハラスメントの根絶に取り組んでまいります。以上です。
(注)「都道府県教育委員会」は、正しくは「都道府県教育委員会等」です
 
(了)

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