あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和7年1月31日)

令和7年1月31日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

夜間中学等に関する実態調査及び映画「35年目のラブレター」とのタイアップ、東京女子医科大学や日本大学等への私学助成の不交付決定、児童生徒の学習アプリの利用状況等の教育データの活用に関して、小中高生の年間自殺者数が過去最多、マテリアル戦略有識者会議の提言骨子について

あべ俊子文部科学大臣記者会見映像版

令和7年1月31日(金曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年1月31日あべ俊子文部科学大臣記者会見

令和7年1月31日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

あべ俊子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件でございます。夜間中学について、2点お知らせをさせてください。1点目につきましては、令和6年度夜間中学等に対する実態調査がまとまりましたので御報告をいたします。今回の調査では、令和4年度の前回調査と比較をして、夜間中学に通う生徒数が、約1.3倍、これは1,558人だったのが今は1,969人になりました。そのうちに日本国籍を有する方が、約1.4倍というふうになりました。現在713名でございます。と増加しております。また、30代以下の若年層、約1.4倍、今1,114人でございますけれども、に増えまして、夜間中学で学び直しを希望する方の割合が高まっていることが分かりました。なお、調査の詳細については追って事務方にお問い合わせをください。
 2点目でございますが、この度、3月7日に公開予定の映画「35年目のラブレター」と協力をいたしまして、タイアップポスターを作成いたしましたので、御紹介をさせてください。全国の自治体に配布をさせていただきまして、夜間中学のほか、図書館や公民館等の地域の方々が訪れる施設に掲示していただくなど、夜間中学の更なる普及・啓発に活用させていただきます。先日の夜間中学の視察、私自身がさせていただいたものに関しては先生方が一生懸命に指導されている姿、かつて不登校だった生徒が学び直したいと言って頑張る姿などを拝見させていただきまして、大変感銘を受けました。文部科学省といたしましても、義務教育を十分に受けられなかった方々にとって「学びの場」となる夜間中学の設置促進・充実に向けまして、引き続き各地域の取組を支援するとともに、夜間中学の広報周知を進めてまいります。以上です。
 
記者)
 日本私立学校振興・共済事業団は、今年度の私学助成金を巡って東京女子医科大学への不交付を昨日決定しました。このことについての大臣の考えをお聞かせください。また、日本大学についても4年連続での不交付が決まったことについてのお考えをお願いします。
 
大臣)
 2点目をもう一度言っていただいてよろしいですか。
 
記者)
 日本大学が4年連続不交付となったことについて。
 
大臣)
 昨日1月30日でございますが、日本私立学校振興・共済事業団におきまして、管理運営等が不適切な学校法人に対しまして今年度の私学助成を不交付とするいわゆる判断が行われたことにつきましては、文部科学省といたしましても妥当なものであると受け止めさせていただいております。学校法人の運営にあたっては、公共性を維持する、また社会の信頼を得ていくことがまさに重要でございまして、文部科学省として不適正とされた事案の改善に向け、引き続きしっかりと指導をしてまいります。また、日本大学に関しましてでございますが、女子医大ですね、ごめんなさい。昨日1月30日の日本私立学校振興・共済事業団が東京女子医科大学に対する令和6年度の私立大学等経常費補助につきまして、大学の推薦入試における不適切な対応と元理事長が背任容疑で逮捕されるなどの内部統制とガバナンス機能の不全等を踏まえまして、「不交付」の判断をしたことにつきましては、文部科学省といたしましても妥当であるというふうに受け止めております。同法人につきましては、令和6年12月13日、第三者委員会の指摘を踏まえた改善計画を公表しているところでございまして、この計画に基づいた改善がしっかりと進むように、文部科学省といたしましても引き続き必要な指導を行ってまいります。
 もう1件でございますが、引き続きまして昨日の日本大学に関するいわゆる大学経常費の補助につきまして、重量挙部等による学納金の不適切な徴収、また当該事案に対する法人の対応に不十分な点があったことによりまして、ガバナンス強化、再発防止に向けた取組が進んでいるとは認められないといたしまして、令和3年度からの不交付措置を緩和せず「不交付」との判断をいたしましたことにつきましては、文部科学省といたしましても妥当なものであったと受け止めているところでございます。同法人におきましては、引き続き内部統制の強化、また教職員のコンプライアンス意識の醸成などに取り組む必要があり、文部科学省といたしましては、対応状況を確認をさせていただきながら、必要な指導を行ってまいります。以上です。
 
記者)
 マテリアル戦略の有識者会議が3月に提言をまとめるということで骨子が固まりました。勝てるマテリアルを強調されるというふうな内容になりそうなのですが、御所感をお聞かせください。
 
大臣)
 1月29日、内閣府におきましてマテリアル戦略有識者会議が開催されまして、今後のマテリアル分野の推進方策に関する提言骨子が報告されたということは承知をしているところでございまして、マテリアル、AI、量子、バイオ、半導体等の先端技術の基盤となる重要分野でまさにございまして、我が国は高い研究開発力を有しているところでございますが、近年、海外との競争は激しさを増しているところでございます。文部科学省といたしましては、令和3年(注)に策定されました「政府のマテリアル革新力強化戦略」、これに基づきまして、研究開発の効率化、また高速化をもたらすデータ駆動型研究手法を活用をしっかりとさせていただきながら、また革新的マテリアルの研究開発等を実施しているところでございまして、今後とも関係府省、また産業界ともしっかりと連携をさせていただきながら、我が国が強みを持つマテリアル分野、これに更なる強化に取り組んでいきたいというふうに思っております。
(注)「令和3年」は、正しくは「令和3年度」です。
 
記者)
 昨年の自殺者数の暫定値が公表されまして、児童生徒の自殺者数が527人と過去最多になりました。全体の自殺者数が減っている中で、子供の自殺が高止まりして20歳未満の原因要因については学校問題が最も多いことが明らかになりましたけれども、大臣の受け止めと対策の見直し等についてのお考えをお聞かせください。
 
大臣)
 令和6年の小中高生の自殺者数、暫定値で527人と過去最多の見込みであること、また20歳未満の自殺者のおっしゃるとおり約4割において自殺の原因・動機の1つに学校問題を挙げていることについては、先日29日の厚生労働省の発表により承知をさせていただいているところでございます。如何なる事情であれ、子供たちが自ら命を絶つようなことは決してあってはならず、このような事態について極めて重大に私どもも受け止めて、大変痛ましく感じているところでございます。また、小中高生の自殺の原因・動機につきましては、学校問題、また家庭問題、健康問題等様々な事情が考えられるところでございますが、子供たちの命は何よりも大事でございまして、文部科学省といたしましてはこども家庭庁とも連携をしながら、自殺予防教育の普及、また1人1台端末を活用いたしました心の健康観察の実施とスクールカウンセラー、SNSの相談体制の強化等、更に取組を進めてまいりたいというふうに思っております。また、自殺の危機に対しての組織的な対応を強化していくために、学校内で自殺予防を組織的に行う「校内連携型の危機対応チーム」、また学校外の専門家も加えました「ネットワーク型緊急支援チーム」の設置など、学校内での危機管理体制の強化をしていきつつ、福祉部局等との教育機関の連携強化をさせていただきながら、一層そこを推進しながら、未来を担う子供たちの命を守るために、自殺予防の取組に全力を尽くしてまいりたいと思います。以上です。
 
記者)
 福岡市教育委員会が、児童一人当たりの学習アプリの利用状況の平均値をグラフ化した上で上位の学校を列挙して各小学校の校長に配布している件について、こうした順位付けは学校を競わせるシステムとして働くとの指摘もありますが、大臣の受け止めをお願いします。
 
大臣)
 ご指摘のような報道があったことは承知をしておりますが、事案の詳細を把握しておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で一般論として申し上げれば、教育データの活用にあたりましては、その目的を学校現場と共有し理解を得ながら、効果的に取組を進めていただくことがまさに重要だというふうに思っております。そうした中で、学習アプリの利用時間が長いかどうかがいいかどうかは一概に言うことができない中にありまして、文部科学省といたしましては引き続き児童生徒の学びの質の向上のために、各自治体において教育データが効果的な利活用が図られるよう、取組を進めてまいりたいというふうに思います。以上です。
 
(了)

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