あべ俊子文部科学大臣記者会見録(令和6年12月17日)

令和6年12月17日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

キーワード

産休・育休者の業務を代替する教職員の安定的な確保に向けた政令の改正、「ナイスステップな研究者 2024」の選定、日中韓スポーツ大臣会合への出席、理工系分野における女性人材を増やすための方策、旧統一教会の解散命令請求にかかる報道について、いわゆる103万円の壁をめぐる議論について

あべ俊子文部科学大臣記者会見映像版

令和6年12月17日(火曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年12月17日あべ俊子文部科学大臣記者会見

令和6年12月17日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

あべ俊子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から3件ございます。1点目でございますが、本日、義務教育費の国庫負担法に基づきまして、教職員の給与、国庫負担額について定める政令の改正案の閣議決定をさせていただきました。現在、産休・育休を取得する教師は約3万人というふうに増加している中、取得者が出るたびにその都度、臨時の講師を確保することが困難な状況が生じていました。今回の法令改正に関しましては、こうした状況を背景に、地方団体からの要望も踏まえまして、代替者が正規の教職員である場合にも国庫の負担の対象とするものでございまして、令和7年4月1日から施行されます。これによりまして、産休や育休を取得する教師の代替者の安定的な確保が可能となりますとともに、教師不足を解消する一助となるとともに、何よりも、教師の皆様が産休や育休を安心して取得できるようになりまして、働きやすい職場環境となる効果が期待されるところであります。文部科学省といたしましては、引き続き、教師を取り巻く環境の整備のため、総合的な対策を進めてまいります。そうした中で、教師不足の解消の効果ということも、なかなかお答えするのは難しいところではございますが、産休や育休を取得する教師の業務を代替する臨時講師の不足が現在の教師不足の主な要因の一つであるということを踏まえまして、年度途中の時期が進むにつれ増加する教師不足の解消への効果が期待できるというふうに考えております。この改正内容を周知するとともに、改正を踏まえまして、計画的な正規職員の採用の対応を促してまいりたいというふうに思います。
 2点目でございます。NISTEP、科学技術・学術政策研究所で、今回、科学技術イノベーションの様々な分野で活躍をしながら、日本に元気を与えてくれる方々を「ナイスステップな研究者」として毎年選定をさせていただいております。本年も、国内外に研究成果を展開し、今後の飛躍が期待される若手研究者を中心に10名を選定いたしましたので、御報告をいたします。物理学、生物学、コンピュータ科学、言語学、多岐にわたる分野を専門とされる方々が選定されておりまして、平均年齢約36歳でございます。女性はお二方でございまして、数学、物理学を御専門とされているところでございます。今後、選定された皆様との意見交換会をしたいというふうに考えているところでございまして、現場の第一線で活躍されている皆様から御意見を伺いながら、今後の政策の検討に役立てていきたいというふうに思っているところでございます。
 3件目でございます。一昨日、15日でございますが、第5回の日中韓スポーツ大臣会合を東京で開催させていただきました。コロナ禍を経て、6年ぶりの対面での会合となりまして、中国や韓国との相互理解を一層深める非常に有意義なものとなりました。会合では、「第5回日中韓スポーツ大臣会合2024東京共同声明」を採択させていただきまして、この声明におきましては、3か国間のスポーツ交流・協力の促進や3か国間及びアジア地域全体にわたるスポーツの社会経済的価値の向上などを協力して実施することを確認させていただきました。ネルソン・マンデラ氏がおっしゃったように、スポーツには世界を変える力があります。重要な隣国である中国、韓国とのスポーツ交流また協力を通じまして、3か国及びアジア地域の平和と持続可能な発展に貢献することは文部科学省としてまさに重要な使命だというふうに考えております。日中韓スポーツ交流・協力の一層の発展に尽力をしてまいります。以上でございます。
 
記者)
 冒頭の御発言にありました「ナイスステップな研究者」のほうですが、選定された研究者の10名のうち女性お二人ということでした。昨年度も2名だったと伺っております。これは公正な選考の結果かとは思うのですが、やはり科学技術・イノベーションの分野にまだまだ若手においても女性が少ないことの一つの表れではないかという印象を持ちます。大臣の受け止めと、改めてそういった科学技術の分野に女性の人材を増やすためにどのような取組が必要か、お考えを伺いたいと思います。
 
大臣)
 女性研究者を増やしていくことは私も重要な課題だというふうに思っておりまして、今年選定された女性研究者、先ほど申し上げましたように、数学と物理学、昨年の実はお二人は農学と生物学が御専門でございました。研究業績に加えアウトリーチ活動も含めた多角的な観点で、選定されたものでございます。そうした中で、理工系分野の中で女性人材を増やすためには、女性が活躍できる環境、これを実現していくことがまさに重要でございまして、文部科学省といたしましては、まずは女性研究者のリーダー層を育成していくこと、また女性研究者が出産や育児による研究を中断した後にも、またできるだけしないことも含め、円滑に研究現場に復帰できる環境の整備、ロールモデルとの交流機会の提供を学生たち、若者たちに提供していくなど、理工系分野の女子生徒の進学促進などの支援を行ってまいります。引き続き、積極的な取組を推進してまいりたいというふうに思います。以上です。
 
記者)
 旧統一教会の関連でお尋ねします。旧統一教会に対する文科省の解散命令請求をめぐって、東京地裁が来年1月に審理を終結させる方針を示していて、早ければ年度内にも地裁が解散命令を出すかどうか判断する可能性があるとのことなのですが、これについて大臣の受け止めをお願いします。また、「指定宗教法人」に指定されてから3度目となる財務書類の締め切りが先週だったかと思うのですが、その精査状況についても教えてください。
 
大臣)
 2点目がちょっと聞こえなかったです。
 
記者)
 「指定宗教法人」に指定されてから3度目となる財務書類の締め切りが先週あったかと思うのですけれども、それの精査状況についてお願いします。
 
大臣)
 旧統一教会に対する解散命令請求に係る裁判所の手続きでございますが、非訟事件手続法に基づきまして、非公開で行われることとされているものでありまして、お答えは差し控えさせていただきます。また、2点目のところでございますが、「指定宗教法人」の指定を行った教会からの12月3日、令和6年度第2四半期、7月から9月の分でございますが、財務書類の提出がございました。提出された財務書類を十分に精査してきたところですが、現状において、「特別指定宗教法人」の要件を満たすと認められる状況は確認されておりません。引き続き、旧統一教会においての情報収集に努め、また「財産の隠匿・散逸のおそれ」が把握された場合には、法令に則り、適切に対応してまいります。以上でございます。
 
記者)
 いわゆる103万円の壁の関係で、国会でも答弁されていたと思うのですけれども、学生がそこまで働かなくてはいけないのかという問題意識での御発言がいろんな方からあって、自民党の政調会長からもそうした趣旨の発言があったかと思うのですけれども、大臣も苦学をされていた経験もあるかと思いますが、その辺の経験も踏まえてこの問題に対する考えを教えてください。
 
大臣)
 103万の壁に関しては、今、政党間で協議されているというふうにも承知しているところでございまして、文部科学大臣としてはコメントは控えさせていただきます。個別の発言に関しては控えさせていただきますが、実は国公私立の学生を対象した調査によりますと、過去1年間にアルバイトに従事した学生は約84%となっているところでございますが、アルバイト時間については様々であるという結果となっているのと、今、アルバイト収入の年間の総額の平均は約38万円だということも聞いているところでございます。ただ、私どもとしましては、文部科学省といたしましては、学生が学業にしっかりと取り組み、社会をけん引する人材となるための力を育んでいただくことが重要だというふうに考えておりまして、経済的に困難な学生につきましては、授業料等の減免、また奨学金の充実を図ってきたところでございまして、引き続き、学生の経済的負担の軽減に努めてまいりたいというふうに思います。以上です。
 
(了)

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