令和6年12月6日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化
「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録、「書道」のユネスコ無形文化遺産登録に向けた期待、高等教育の在り方に関する特別部会で示された「答申案」について、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2023)の結果の受け止め、イプシロンSロケットの地上燃焼試験中の爆発について
令和6年12月6日(金曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和6年12月6日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは1件でございます、ユネスコの無形文化遺産に提案しておりました「伝統的酒造り」これにつきまして、この度、ユネスコの政府間委員会におきまして正式に登録が決定されまして、大変喜ばしく思っているところでございます。これまで「伝統的酒造り」を継承してこられた関係者の皆様、また改めて心よりお祝いを申し上げます。この登録を契機といたしまして、また伝統的な酒造り技術、この保護・継承、この取組がより促進されることを期待申し上げております。「伝統的酒造り」、大切に受け継がれてきた我が国の文化でございまして、次世代に着実に継承されるよう、文部科学省といたしましても取り組んでまいります。以上でございます。
記者)
今週水曜日に中央教育審議会の特別部会において、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方に関する答申案が提示されました。答申案を受けて、今後、文科省としてどのように対応していくのかお聞かせください。
大臣)
先日4日の日でございますが、高等教育の在り方に対する特別部会に提出されました「答申案」でございますが、我が国の「知の総和」の向上に向けまして、まずは「質」の高度化、さらには「規模」の適正化、また3点目といたしまして、「アクセス」の確保という3点を軸にいたしまして、今後の高等教育政策の方向性と具体的な施策が示されたところでございます。先日の会議におきましては、引き続き委員の方々から多くの意見をいただいているところでございまして、答申に向けて更に議論を深めていただきたいというふうに考えているところでございます。文部科学省といたしましては、答申が取りまとめられましたら、それを踏まえて改革に速やかに取り組んでまいります。以上でございます。
記者)
先日公表された国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果におきまして、特に算数、数学及び理科の科目の男女の平均得点ですとか、あるいは科目が得意か不得意かどうかといった意識調査の両方で男女差は女性の方が低くなったということが明らかになりましたが、こちらについての大臣の受け止めと、結果を踏まえて今後、文科省としてどのように施策を展開していくお考えでしょうか。
大臣)
先日の4日の日でございますが、TIMSS2023の結果が公表されたところでございまして、我が国のスコア、小・中いずれも算数・数学、理科ともに引き続き高い水準を維持しました。一方で、今回の調査から、先ほどおっしゃってくださったように、理数教科が「得意だ」と思う児童生徒の割合が減少している、また、理数教科の平均得点及び興味・関心の男女差などの課題も明らかになりました。文部科学省といたしましては、今回の結果も踏まえながら、全国学力・学習状況調査におきまして、必要な質問項目を追加させていただきまして課題の要因分析を行っていきます。また、その他に女子生徒の理工系分野の興味・関心、これを高めていくため、ロールモデルと交流機会の提供をしていきながら、また出前授業などの取組を行ってまいります。以上でございます。
記者)
昨日の早朝に、冒頭発言にもありましたが、昨日の早朝に日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まって、酒類協会をはじめ、日本全国で喜びの声が聞かれました。その一方で、新しい提案の候補として「書道」が上がっていて、年度末に提案書が提出される予定だということは承知しておりますが、現段階での「書道」の無形文化遺産登録に向けての期待をお伺いできますでしょうか。
大臣)
「書道」につきましては、令和6年3月にユネスコの無形文化遺産の候補として提案をさせていただいているところでございますが、登録のない国の審査を優先するという観点が実はございまして、我が国の案件の審査は2年に1度ということになっています。2年に1件ということで、このため、「書道」に関しましては、次の令和8年の審査対象となるよう、令和7年の3月までに再提案を行う必要がございます。文部科学省といたしましては、我が国の大切な文化、ユネスコ無形文化遺産に登録されることはまさに重要だというふうに考えておりまして、今後も登録実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。以上です。
記者)
先ほど幹事社のほうからも質問があったと思うのですが、中教審の特別部会の答申案についてお尋ねします。授業料の仕組みについて2~3年後に見直すと答申案が示されていますが、今後のスケジュールと具体的にどのように見直すのかをお答えください。
大臣)
授業料の仕組み?
記者)
授業料の具体的な仕組みについて。
大臣)
分かりました。答申案の中におきましては、高等教育投資の在り方の一つとして、個人と保護者負担の見直しという観点が示されたというふうに私は聞いているところでございまして、特別部会におきましては、答申に向けた議論が行われているところでございまして、文部科学省としては、この答申が取りまとまり次第、具体的な方策の実行に向けて速やかに対応していきたいと思います。
記者)
イプシロンSについて伺わせていただきます。昨日、JAXA会見にてイプシロンSの年度内打上げが不可能になったという見解が示されました。計画が大幅に遅れる可能性があることについて、このことについて大臣の受け止めを改めて教えてください。また、衛星搭載予定のベトナムからこれまでに何かしらの反応があるのかというのを改めて教えてください。
大臣)
イプシロンSロケットを含め基幹ロケットの開発、我が国のまさに宇宙開発の自立的などの観点から極めて重要でございます。今回の燃焼試験に関しては、開発途中段階の試験でございますが、期待された成果が得られなかったことは残念に思います。文部科学省としては、対策と再度の試験を行い、開発を着実に進めていくことは重要だというふうに考えておりまして、引き続き、必要な支援は行ってまいります。また、このイプシロンSロケットの年度内打上げ見込みが立たなくなった、という件に関しましても、11月27日に、JAXAの理事長のほうからベトナム国家宇宙センターの所長に対しまして、今回の試験結果と調査開始に関し説明がなされているところでございまして、状況を御理解いただいているという報告を受けさせていただいております。文部科学省といたしまして、いずれも外務省を通じていきながら、ベトナム側には開発のリスクを含め、開発状況についてお伝えをしているところでございますが、引き続き、よくコミュニケーションを取って対応したいというふうに考えているところでございます。以上です。
記者)
今回、国が持つ固体燃料式のロケットの打ち上げられない期間が長引くと考えられます。この影響について大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣)
まずは、JAXAが原因調査及び対策の検討、必要な対応を進めていくことがまさに重要でございまして、現時点においては、何ら申し上げる段階にはございません。以上です。
(了)
大臣官房総務課広報室