令和6年11月22日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他
埼玉県戸田市立芦原小学校の視察、不登校の子供たちに対する大臣メッセージ、地域文化功労者の表彰の出席などの京都出張、博士人材の就職支援のための企業・大学向けの手引きの骨子案、地方三団体からの教師の処遇改善の要望について、新たな経済対策の文部科学省関連の施策
令和6年11月22日(金曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和6年11月22日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは3件ございます。先日19日でございますが、埼玉県の戸田市の芦原小学校を視察させていただきました。芦原小学校では、戸田市における「誰一人取り残されない教育」の実践例、この一つでございます、校内教育の支援センター「ぱれっとルーム」で児童の様子を拝見させていただきまして、多様な学びの場、また学校の重要性などについて意見交換をさせていただきました。また、教科担任制を含む授業の様子を拝見させていただくとともに、働き方改革に関して学校や教育委員会との意見交換も行わせていただきました。先生方からは、教育は人であり、教師が子供に向き合う時間を確保するために、働き方改革と一緒に教職員の定数の改善などをぜひとも指導・運営体制の充実、これが必要である、という御意見をいただきました。今回の視察を踏まえまして、子供に寄り添った不登校支援の推進、教師を取り巻く環境整備に、引き続き、しっかりと取り組んでまいります。
2件目でございます。先日、令和5年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果につきまして、小・中・高等学校の不登校の児童生徒数が過去最多となるなど、極めて憂慮すべき状況が継続していることを公表させていただきました。こうした状況を踏まえまして、本日、私から、不登校の児童生徒の皆さんに、また保護者の皆様に対し、メッセージを発信させていただきます。幅広い方が閲覧可能な動画形式で本メッセージを発信することによりまして、支援の方向性、相談窓口など必要な情報をお届けできるようにという思いを述べさせていただきまして、メッセージを作成させていただきました。文部科学省といたしましては、引き続き、こども家庭庁をはじめとする関係省庁、教育委員会などの関係機関とともに、不登校児童生徒の学びの継続に全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
最後になりますが、3点目でございます。20日、21日の2日間、京都におきまして、地域文化功労者の表彰、また文化庁京都庁舎、文化財及び関連施設の視察、文化芸術関係者の方々との意見交換を行わせていただきました。文化庁の移転から1年半が経過し、関係自治体、また団体との連携、地方創生に関係する取組状況を把握するとともに、現地で働く職員を激励してまいりました。また、有形・無形の様々な文化財の現場を視察をさせていただきまして、有形文化財の修理の技術者の皆様とお話をし、また花街や料亭でのおもてなしを支える方々の御尽力により、文化財が守られ、地域に根差した文化が継承されている様子を拝見させていただきながら、改めて文化の持つ力の大きさを感じさせていただきました。文部科学省といたしましては、京都に移転した文化庁を中心とした、こうした伝統文化を支える人材の育成、また現場の環境整備を支援するなど、引き続き文化芸術の振興に取り組んでまいります。以上でございます。
記者)
博士号を取得した専門人材の就職支援について、経産省とともに検討会合で骨子案がまとまりました。民間企業に対して能力に見合った初任給を求める内容になっていますが、大臣としての評価をお願いします。
大臣)
御指摘の検討会におきましては、「博士人材の民間企業における活躍促進に向けた手引き・ガイドブック」の骨子案を示させていただいたところでございまして、民間企業の活躍に向けて、企業に向ける処遇の向上、また大学における組織的な支援の必要性など、企業や大学が留意すべき重要な観点も盛り込ませていただいたところでございます。昨日の検討会におきましては、骨子案に関して委員の方々から、企業が博士人材を採用するメリットを示すべき、また大学院教育の中においての産学の人材交流を増やすべき、キャリアについて、学生が博士課程に入る前に考える機会を提供すべき、といった御意見をいただきました。経済産業省と連携して、更にこの検討を進めさせていただきたいと思います。以上です。
記者)
不登校のメッセージですけれども、これはいつ以来で、どういったところに力を入れたメッセージを送るのでしょうか。
大臣)
実は今日出すところでございますが、やはりタイミングといたしまして一番伝えたいことを申し上げれば、不登校の児童生徒の皆さん、また保護者の皆さんが1人で思い悩むことがないよう、文部科学省をはじめ関係機関が連携して全力でお支えをするということをお伝えしたいというふうに思い、メッセージを出させていただきました。
記者)
いつ以来かというのは。
事務方)
約1年前、前の大臣から出させていただいております。
記者)
昨日、愛知県の大村知事らから武部副大臣に対して教師の処遇改善などについて要望があったと思います。それについて大臣の受け止めを教えてください。
大臣)
昨日の全国自治体をはじめとする地方三団体の教師の処遇改善についての御要望をいただきました。とりわけ、教職調整額の引き上げによる抜本的な教師の処遇改善について御要望いただいたとともに、また、財政制度審議会の案では現場が混乱し、機能しないという旨の懸念が示されたというふうに聞いているところでございます。文部科学省としての見解はすでに御説明をさせていただいたとおりでございますが、学校現場を支援するための教育予算の確保、まさに重要でございまして、教師の処遇改善、学校の指導・運営体制の充実を含む教師を取り巻く環境整備について、引き続き、財政当局と丁寧に議論していきたいというふうに思います。以上です。
記者)
本日、新たな経済対策が決定する見込みかと思うのですけれども、報道ベースとかですと学校の体育館への空調設備の設置などが文科省関連で盛り込まれるのではないかと思うのですけれども、この点を含めて文科省として今後の補正予算の編成とかで力を入れたいポイントがありましたら教えてください。
大臣)
新たな経済対策につきましては、先月10月4日でございますが、その閣議の中で総理の指示におきまして、物価高の克服と、日本経済・地方経済の成長、国民の安全安心の確保などの方針が示されたところでございまして、私ども文部科学省といたしましては、この方針を踏まえ検討を進めているところでございまして、必要な事項が盛り込まれるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
記者)
先ほど不登校のメッセージを出されると伺いましたけれども、以前よりカリキュラムがきつすぎるという指摘が不登校の要因として挙げられていました。大臣のお考えと不登校の原因について大臣の思いがあれば教えてください。
大臣)
カリキュラムが多すぎる点でございますか。
記者)
コマ数が多すぎるという指摘。
大臣)
実は、文部科学省としてお示ししている必要なコマ数よりも実は多い学校がいくつか散見されておりまして、ここは見直しを実はお願いしているところでございまして、改めてここはしっかりと精査をしていきたいというふうに思っているところでございます。コマ数が先生方の業務に大変影響があることは私ども存じ上げているところでございますが、それとこれはまた違うお話でもございまして、ただ先生方がお忙しすぎると児童と向き合う時間が少なくなるということは私ども理解をしておりますが、直接関連することではないというふうに考えております。
(了)
大臣官房総務課広報室