令和6年11月19日(火曜日)
教育、スポーツ、その他
1年後に開幕が迫った「東京2025デフリンピック競技大会」への期待、埼玉県の私立高校で生徒が無免許で運転する車が横転し1名が死亡した事故、教員の処遇改善や人員増に関する財源確保について、教員業務支援員等の支援スタッフの効果的な配置について、全国学力・学習状況調査結果の公表方法の見直し、詩人の谷川俊太郎氏の死去について、選挙戦におけるSNS活用について
令和6年11月19日(火曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和6年11月19日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
記者)
来年ですけれども、日本で初めて開催されるデフリンピックまで1年を切りました。改めて期待するところを教えてください。
大臣)
おっしゃるとおり、東京2025デフリンピック競技大会の開催まで、あと1年というふうになりました。そうした中で、全日本ろうあ連盟、開催都市の東京都におきまして、今回のマスコットの任命や、各国の選手団の団長への説明会が実施されるなど、大会の開催に向けました準備が着実に進められているところでございます。そうした中で、日本でのデフリンピックの開催は初めてでございまして、この大会の開催を契機といたしまして、ろうあ者の、いわゆるろう者のスポーツの理解、環境整備、また、共生社会の実現に向けた取組が一層促進されることを期待申し上げているところでございます。また、文部科学省といたしましても、全日本ろうあ連盟、また東京都と連携させていただきながら、大会の成功に向けて、引き続き、必要な支援・協力を行ってまいりたいというふうに思います。以上です。
記者)
16日土曜日の夜に、さいたま市の高校のグラウンドで生徒が運転する車が横転するという事故がありました。一部報道では、生徒による車の運転が常態化していた可能性であったり、車の鍵の管理の問題があったことなどが報道されているかなと思います。学校側からは間もなく11時頃から会見で説明があるということを承知していますが、文科省としての対応がありましたらお聞かせていただけたらなと思います。
大臣)
お尋ねの事案におきましては、所管する埼玉県より報告を受けているところでございまして、まずもって亡くなられた生徒さんに哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に対し心からお悔やみを申し上げる次第でございます。また、事故の詳しい状況については、現在警察において捜査が行われているところでございまして、本件は学校やその所管庁である埼玉県においてまずは事実確認について適切に御対応いただくこととなりますが、文部科学省といたしましても、引き続き、状況を注視してまいりたいというふうに考えております。
記者)
教員の給与に関する財政審での財務省案に絡む質問なのですけれども、先日の中教審の初等中等教育分科会や教育関連23団体の緊急声明で財務省案に対する懸念の声が上がったと思います。一方で、骨太の方針では教員の処遇改善や人員増については財源確保と合わせてとの記載があると思います。文科省案ですと、教育調整額に限って言えば13%に増額した場合に国費負担が年1,080億円増えるとなっておりますけれども、財源の確保を現状どのように考えているか教えていただけますでしょうか。
大臣)
文部科学省といたしましては、令和7年度概算要求におきまして、教職調整額の引上げなどによりまして教師の処遇改善、また教職員定数の改善、支援スタッフの更なる配置充実に必要な経費を計上しているところでございまして、しっかりと確保してまいりたいというふうに考えております。また、教育予算の確保は重要でございまして、教師の処遇改善、さらには学校の指導・運営体制の充実を含む教師を取り巻く環境整備については、優先順位が高いところでございまして、財源を確保すべきものというふうに考えておりまして、引き続き、財政当局と丁寧にしっかりと議論してまいります。
記者)
先週15日に行われました秋のレビューで、教員の業務負担を減らすための外部人材を活用する文科省の事業が対象となりまして、有識者から教員の労働時間削減に十分な効果が出ているとは言い難いと、予算投入規模に見合った効果が現れるように改善を図る必要があるとの指摘がありました。まず、これについての大臣の受け止めについてお話しいただきたいのが一つと、それと、指摘の中では学校での外部人材活用をめぐって有識者から地方交付税で算定されている市町村費負担事務職員を適正に配置した上で、教員業務支援員の配置を考えるべきだとの意見が出されています。こうした指摘に対して、文科省としてどう取り組まれるかお話いただけますでしょうか。
大臣)
先日行われました行政の事業レビューの公開検証におきまして、教員の業務の支援員などの支援スタッフに関わる配置効果についての御指摘が確かにございました。教員の業務支援員を配置した学校におきましては、教員の在校等の時間の着実な縮減につながっていることが確認されているところでございまして、学校現場や自治体からも、教師の負担軽減を図るために不可欠な人材として大変多くのニーズがあるものと私どもは認識をさせていただいております。そうした中、文部科学省といたしましては、必要な予算をしっかりと確保させていただきながら、有識者の御指摘も踏まえまして、より高い配置効果に向けまして、各自治体に対して補助金申請の際に教師の時間外在校等時間の状況を成果目標に設定させるなど、引き続き運用の改善に努めてまいります。また、市町村費における負担事務職員の財源におきましては、実は使途が特定されていない一般財源でございます。市町村は、それぞれの学校や地域の実情に応じて職員を配置しているというふうに承知をしているところでございます。近年、市町村費の負担事務職員に関しましては、交付税算定におきまして、見込まれている人数を下回っている一方で、市町村が独自に配置する教員、支援スタッフ等の数は増加しているところでございます。一方、文部科学省といたしましても、学校における働き方改革を進めるに当たりまして、学校において事務職員等の体制を整備することは重要だというふうに考えておりまして、有識者からの御意見をしっかりと踏まえさせていただきながら、市町村独自の取組を促すことができるように、具体的な仕組みについて検討してまいります。以上です。
記者)
今朝の一部の報道で、学力テストの公表の見直しを検討しているという報道がありましたけれども、これについて文部科学省としてどのような対応をされるのかお願いいたします。
大臣)
全国知事会におきまして、全国の学力と学習状況の調査によるアンケートが行われていることは承知しているところでございまして、結果を取りまとめ中というふうに聞いております。本調査、児童生徒一人一人の学力課題を把握し、エビデンスに基づく学習指導に生かしていくために、毎年度実施をしている、調査のデータの還元の充実、また学校現場の負担軽減に向けまして、CBT化の計画的な推進などに取り組ませていただいているところでございます。そうした改善の取組の中でも、全国知事会のアンケートを踏まえた対応につきまして、正式に結果を受け取ってから検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。本調査、都道府県・市町村の協力をいただきながら実施をさせていただいているところでございまして、引き続き、全国知事会を含めた、関係者の方々の御理解をいただいていきながら、調査の改善に必要な取組を進めてまいりたいというふうに思います。
記者)
詩人の谷川俊太郎さんが亡くなりました。国語の教科書でかなり使われている方なので、文科大臣としての所感をお伺いしたいと思います。
大臣)
実は私、詩人の谷川先生は大ファンでございまして、彼のいわゆる詩だけではなく、いわゆる翻訳をされたその日本語力と、また、海外の子供たちの貧困に関しても彼が作られたビデオを私は見させていただいておりまして、やはり世界中の子供に対してのいわゆる思いを言葉でいかに自分たちが今いる場所の感謝と恵みと、また共有などをしていくということができるという言葉の力を本当に教えていただいた方でございまして、心から、心から哀悼の意を申し上げます。
記者)
一昨日投開票された兵庫県知事選の関連でお尋ねします。知事失職に伴う知事選で斎藤元彦さんが再選されました。その勝因の一つにSNSでの広報戦略を挙げています。大臣もSNSのアカウントをお持ちかと思うのですけれども、この選挙の結果についての受け止めと、SNSが選挙に与える影響をどう捉えるかというところについてのお考えをお聞かせください。
大臣)
知事選挙に関しましては所管外でございますのでコメントは控えさせていただきます。そうした中、文部科学省といたしましては、やはり情報リテラシーをいかにしっかりと育成していくかということが重要だというふうに思っておりますので、また御指導いただきながら取り組んでまいりたいと思います。
(了)
大臣官房総務課広報室