令和6年10月25日(金曜日)
教育、科学技術・学術
G20教育大臣会合出席等のためのブラジル出張(10月29日~11月1日)、宇宙戦略基金事業の採択結果初公表、国民の声を受けての文科大臣としての意気込み、教員の「新たな職・級」の創設に伴う「教諭」の基本給の扱い、帯広畜産大学・帯広農業高校の視察、新たに宇宙飛行士認定を受けた米田氏・諏訪氏への期待、ガバナンス体制に問題がある学校法人への対応
令和6年10月25日(金曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和6年10月25日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
おはようございます。本日は久しぶりの会見となります。どうぞよろしくお願いいたします。この間、39回の国民文化祭、また「清流の国ぎふ」文化祭2024年の出席、また帯広の畜産大学、農業高校の視察などもございましたが、本日は御時間も限られておりますので、概要は関連のホームページを御覧いただければと思います。今日はよろしくお願いします。
冒頭のところでございますが、まず2件私のほうからございまして、来週の10月29日火曜日から11月2日の土曜日にかけまして、G20の教育大臣会合及びUNESCO Global Education Meetingに出席するために、ブラジルを訪問させていただきます。両会合を通じまして、教員不足、また各国に共通する課題の対応について、日本の取組を紹介するとともに、各国の様々な取組を学びたいというふうに考えているところでございます。また、ホスト国であるブラジルのカミロ・サンタナ教育大臣をはじめまして、各国の要人との会談も予定しているところでございまして、詳細につきましては、担当課にお尋ねいただきたいというふうに思っております。
2点目でございますが、本日午後より、JAXAの「宇宙戦略基金事業」の公募に関わる初めての採択結果が公表されるところでございます。今回公表されるのは、関係省庁分を合わせた全22テーマに占める1テーマの一部でございまして、文部科学省が担当しているものでございます。具体的には、ロケット部品などの製造プロセス、また品質に革新をもたらすための基盤技術、これを開発するものでございます。他のテーマにつきましても、今後、審査を終了したものから、順次、JAXAのWebサイトに公表される予定でございまして、文部科学省といたしましても、引き続き、本事業を通じまして、民間企業、大学等が宇宙分野における大胆な研究開発に取り組んでいけるよう、全力で支援をしてまいります。以上でございます。
記者)
衆院選も終盤になって、大臣も各地を回る中で普段より市井の方々と触れ合う機会というのが増えていると思います。その中で、社会の文部科学行政への期待や要望をどう大臣が受け止めているかということと、こういう政策を進めたいと思いを強くするようなことがありましたら教えてください。
大臣)
大変いろんな御意見をいただくところでございまして、実は選挙前からもいろんな意見をいただく、大変教育というのは皆さんにとって身近なものであるというふうに思っているところでございます。そうした中で、この国民のみなさまの声を大切にさせていただきながら、課題に対し、一つ一つ着実に成果を出していきたいというふうに考えているところでございます。以上です。
記者)
先日の中教審答申を踏まえまして、文部科学省の中で今教員の「新たな職・級」の創設に向けた制度の検討が進んでいるのではないかと思うのですけれども、これに関して今、オンライン署名という形で、「新たな職・級」を作る際に、「新たな職・級」の給与を上げるということではなくて、その下にある「教諭」の基本給を下げることで差をつけるというような可能性があるのではないかという指摘が出ています。もしそうなると、これは待遇改善とは真逆の結果になりかねないなと思うのですけれども、そういったような可能性があるのかどうかというところに関して、文科省の現段階でのお考えを教えていただければと思います。
大臣)
「新たな職」及び「新たな級」の創設に関しましては、学校の組織的また機動的なマネジメント体制の構築、教師のいわゆる職務と責任に見合った適切な処遇のために、中教審から提案されたものでございます。このいわゆる公立高校(注)の教員の給与におきましては、職務給の原則に基づき地方自治体において定められることとなっておりますが、文部科学省といたしましては、「新たな職」の創設に伴い「教諭」の職務、責任について変更を加えることは想定をしておりませんでして、基本給の引き下げは考えていません。以上です。
(注)「公立高校」は、正しくは「公立学校」(公立高校を含む)です。
記者)
文科省としては考えていないということで、ただ、あくまで地方自治体のほうで決めるというところで、場合によってはこの判断というのに関しては余地があるというふうに受け止めたのですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
大臣)
文部科学省としては考えておりませんが、これから様々な議論が出てくると思いますので、しっかりと対応も含めた形で進めてまいりたいというふうに思います。
記者)
17日に帯広市で帯広畜産大などを視察されましたけれども、大学側との懇談の内容ですとか大臣の印象ですとか、また、どうしてこの時期の訪問だったのか、それと、その前後に選挙応援などをされていたらそれも合わせて教えてください。
大臣)
実は、帯広畜産大学は私3回目でございまして、農林水産の副大臣のところと、実は外務省の関係でJICAの育成をしてくださっているということでお伺いしています。今回は、農業高校と隣接しているということと、いわゆる一法人複数校ということで、御存じのように北見工業と小樽商業と三つが一緒になったということの2年目でございまして、そのお話も私、少子高齢化の中の大学の在り方としても聞きたいということがございました。特に、石破内閣の重要政策の「地方創生」ということを推進するに当たって、やはり現場の実情を把握していくことが大切だということで、また農業高校と隣接していることで視察をさせていただきました。特に地方大学の文理融合、またリカレント教育に関する取組、この意見交換を行いました中、また高校生から、農業高校に対する学びや進路について率直な意見をとっても元気に豚丼を食べながらいただきました。そういう中にありまして、その前に応援に行きました。以上です。
記者)
選挙の応援のついでということではなかったということですよね。
大臣)
元々畜産のほうは何度もお伺いしていて、また来たのかという感じで、ただ今回は文部科学省としてお伺いしたのでということです。
記者)
21日にJAXAの宇宙飛行士候補だった米田さんと諏訪さんが正式に宇宙飛行士として認定されたと思います。23日には大臣へも表敬訪問をされましたが、その際にどういったお話があったのかという部分と、今後お二人に期待するものがありましたらお話いただけたらなと思います。
大臣)
21日、JAXAの宇宙飛行士として認定された米田あゆさんと、また諏訪理さんに御訪問いただきまして、大変素敵な時間を、嬉しい時間を過ごさせていただきました。今回の認定についての祝意を述べさせていただいたころでございまして、お二人とは、訓練の内容、また人材育成の話、さらに宇宙産業の盛り上がり、宇宙がいかに若者を惹きつけていくのかということのお話をいっぱいさせていただきました。お二人には、これから宇宙飛行士としての御活躍を特にお願いしたいとともに、その活動を通じて、次世代を担う若者、夢や希望を与えてくれることを心から楽しみにしています。
記者)
昨日、私学事業団のほうが運営審議会と理事会を開きまして、あと助成金の関係、私学助成について判断が決定されました。その中で、違法な集金問題などが指摘されている日本大学ですとか東京女子医科大の私学助成については、今後の改善の取組をさらに注視していく必要があるということで保留、いずれも保留という結果が出ております。ガバナンスの機能強化の必要性が言われていて、文科省としても私学法の改正などに取り組んできたと思いますけれども、そういったことをする最中にも次々と不祥事が出てきている状態だと思います。大臣としてこういった問題をどう受け止め、これからどのように取り組んでいきたいかお教えください。
大臣)
私立大学を設置する学校法人におきましては、社会からの要請に応えつつ、主体性をもって、実効性のあるガバナンス体制を構築することが重要であるというふうに私どもも考えているところでございます。文部科学省といたしましては、ガバナンスに問題ある学校法人に対しましては、引き続き、しっかりと指導を行ってまいります。
(了)
大臣官房総務課広報室