永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年9月13日)

令和5年9月13日(水曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

臨時閣議について、大臣在任中の成果や課題について、旧統一教会の事案に対処している中での退任に関する所感、在任中における不登校対策に関する認識と今後の課題、在任中における科学技術政策に関する成果と今後の課題、文化庁の京都移転に関する認識と課題、質の高い教師確保のための方策に関して議論している中での退任に関する所感

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年9月13日(水曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年9月13日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年9月13日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私からは1件でございます。
 先ほど臨時閣議におきまして岸田総理に辞表を提出をいたしました。昨年8月文部科学大臣に就任をして以来ですね、記者の皆様方にも大変お世話になりましたこと、改めまして御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 以上です。

記者)
 大臣就任されてからを振り返りまして一番の実績は何かということをお聞かせください。それともう1問、ちょうど旧統一教会の解散命令も目前に迫っているような状況の中、退任されることへの思いをお聞かせください。

大臣)
 本日で在任400日目でございます。ずいぶんと400日間も大臣として仕事をしてきたのかなという思いもございますけれども、やはり先週も申し上げましたとおりですね、私の中では、やはり大臣になりましてそれぞれの現場ですね、に行ってそのところでいろいろ当事者の方々にお話を聞くということからスタートいたしまして、本当に私の中ではできる限りのことはやったのかなというふうには思っております。それとですね、旧統一教会のお話もいただきました。私の在任中にですね、旧統一教会につきましては、法律に則りまして、7回ほど報告徴収・質問権を行使するなど取組を通じまして、事実関係を解明をするためのですね、対応を着実に進めてきたなというふうには思っております。報告を求めた事項のうちですね、法人から報告がなされなかったものがあったことから、過料に処すべき事件に該当すると判断をいたしまして、宗教法人審議会の皆様方の御意見も伺いまして、この7日ですね、9月7日に東京地裁に対しまして、過料を決定するように通知を行ったところでございます。旧統一教会の解散命令請求の判断につきましては、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、後任の文部科学大臣に、引き続き旧統一教会の業務等に関します客観的な事実というものを明らかにするための丁寧な対応ですね、これを着実に進めていただきまして、その上でですね、法律に則って、必要な措置というものが講じられるようにしっかりやっていただけると考えております。

記者)
 私は大臣がこの一年で積極的に取り組まれた不登校対策のことについて伺いたいと思います。3月末に大臣のイニシアティブでCOCOLOプランをまとめられまして、その後7月に埼玉県戸田市の学校などを視察された時に、取組の方向性は間違ってなかったと自信を持てたんだという御感想を述べられていて、非常に印象に残っております。そうした不登校対策に取り組む中でお感じになったことですとか、今後の課題や取り組むべき方向性などについてお考えを伺えればと思います。

大臣)
 小・中・高等学校で不登校の児童というのが本当に9年連続で増加をしておりますし、また令和3年度にはですね、約30万人と過去最多となっておりまして、非常に私といたしましても大きな問題であると、そういう問題意識を持っておりました。そのためですね、COCOLOプランの取りまとめができたことは、大変大きかったなというふうには思っております。また、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部」を設置をいたしまして、8月31日に開催をいたしました第2回の会議におきましても、COCOLOプランの進捗状況について意見交換を行いました。私からは、不登校のことにつきまして、やはり多様な学びの場ですね、これが必要であると、確保しなければいけないということや、また1人1台端末を活用いたしまして支援策ですね、についてやっぱり必要な予算というものの確保ということが非常に重要でありまして、加速度的に取組が進められるように指示をさせていただきました。引き続き、誰一人取り残されない学びの保障に向けた環境整備というのが必要だと思っておりますので、今後はですね、もっともっとこども家庭庁と一緒になって連携をしまして、その対応というのが必要になろうかと思っておりますので、それに取り組んでいただけることを期待しております。

記者)
 科学技術関連でお話をお伺いしたいんですけど、この1年間、H3ロケットの打ち上げなどのイベントが多くあったと思いますし、多くの政策にも取り組まれてきたと思いますが、大臣として一番振り返って思い入れのあること、そしてやり残したこと、次の大臣に引き継ぎたいことなどがあったら教えてください。

大臣)
 日本の研究力の強化というのが喫緊の課題でございます。そんな中でですね、様々な取組に一定の道筋をつけたとは思っておりますけれども、それぞれ道は半ばでございますので、一つ一つ頑張っていただきたいとは思っております。そんな中で、やはり東北大学のナノテラスですね、これを対象とした「共用促進法」これを改正させることができましたし、非常に印象に残っております。そしてまた、フュージョンエネルギー、これは昔で言いますと核融合ですが、その対応ですね、その取組というのもやはり未来のエネルギー源として非常に重要だということで力を入れてもらいたいなと実は思っております。でも一番最近なんですが、私本当は種子島まで行きたかったなと実は思っておりました。しかしながら、韓国出張ともばっちり重なっておりまして、韓国ですと日中韓文化大臣会合でございますので、それを勝手に欠席することはできませんので韓国に行かせていただきました。そちらのほうでもしっかりと3国間で話し合いましていい成果が上がったなと思っておりますが、残念だったのはやはり種子島に行けずにH-ⅡAロケットの成功が見られなかったということですかね。それだけは残念だというふうに思っております。でも成功して非常によかったなと思っておりますし、次の大臣にもですね、大学や研究機関、機構ですね、現場に足を運んでしっかりと皆様の意見を聞きながら政策を進めていただきたいなというふうには思っております。

記者)
 2点お伺いしたいんですけれども、まず今年度からようやく文化庁の京都移転が実現したと思うんですけれども、これに関しましてまだこちらの東京に臨時的に残っている部署も数々あろうかと思います。今後、大臣がこの半年ほどでお感じになった京都移転の積み残しの課題などありましたらお聞かせください。もう1点は大臣の任期に関しまして、400日ということがあったと思うんですけれども、この10年を見てみても大臣の任期は長くても2、3年ということで、特に1年というところでやり残したというか短いんじゃないか、これだとちょっと継続的な政策も打ち出しにくいんじゃないかという声もありますけれども、それに関しましては大臣はこの400日は長かったと思うか短かったと思うか、率直にお聞かせください。

大臣)
 やはり400日が長いか短いかというのは、やはり自分がどのぐらいそれに集中して仕事をしてきたかどうか、またそこのそれぞれの役所の課題ですね、これの量の多さであるとか、そういうことがあげられるかと思っております。私といたしましては、長いか短いかというのは軽々に言えることではないのではないかなと実は思っております。やはりやれることをやれる期間でしっかりやれるかどうかということが、のほうがですね、非常に大きな問題かなとは思っておりますが、永岡はそうそう能力があると皆様方にですね、大きな声で言えるわけではございませんが、やれるだけのことはやってきたかなというふうには思っておりまして、これからやらなければいけないことはいっぱいありますけれども、それがやり残したというふうには思ってはおりません。これからしっかりと次の大臣がやってくださると、そういうふうに思っております。
 それと文化庁の京都移転でございますが、私の中でも文化庁の京都移転というのは、私の任期中では本当に大きな大きなイベントではございました。3月の末にですね、京都に移転をいたしまして、そして業務が京都で開始をされたということでございますが、なかなか宗務課等ですね、東京にいなければいけないというところもございまして、なかなかすんなりとは京都移転が達成できなかったというところは非常に残念ではございますが、やはり現在の状況を考えますと、これも致し方ないことかなというふうには思っております。しかしながら、宗務課等の仕事がですね、本当に普通の状態に戻るというところがそのうちくるかと思っておりますが、その時にはしっかりと京都に移転をしていただきましてそれぞれの業務に励んでいただければと思っております。

記者)
 5月に大臣が諮問された質の高い教員の確保、処遇改善に関する諮問に関してなんですが、これは非常に重要な諮問だと思ってまして、大臣としても非常に思い入れもあったのかなと思うんですが、先日、緊急提言が出たわけですけど、この結論は来春くらいに出るんじゃないかと言われていますが、これを見届けることなく退任されるということで、どのように思っていらっしゃるのかということと、今後の議論にどのような期待をされておられるかというのが1点です。それから大臣、今、やり残したという思いはないというようなお話もありましたが、今後も国会議員でおられるので文教政策、科学技術政策に関与する機会はあるんだと思うんですが、今後そういった政策についてどのように貢献していかれたいと考えておられるか、お気持ちをお聞かせいただければと思います。

大臣)
 現在ですね、中央教育審議会の「質の高い教師の確保特別部会」におきまして、今年の5月に私から諮問をいたしました、学校における働き方改革、処遇の改善、そして学校の指導・運営体制の充実の在り方に関して、総合的に検討いただいているところでございます。先月には、特別部会が取りまとめました緊急提言を受け取ったところでございまして、その翌日には、「学校における働き方改革推進本部」を開催をいたしまして、提言を踏まえ、私から文部科学大臣メッセージを公表いたしました。特別部会におきましては、今後、記者の方もおっしゃっていますけれども、来年の春ですね、春頃に一定の方向性を示すことを目途といたしまして、さらに検討していくこととしておりまして、引き続きまして、丁寧な議論というのを重ねていただきたいと思っております。次の大臣もですね、この課題を先頭に立って取り組んでいただけるようにですね、しっかりと引き継ぎを行っていきたいと思っております。すでに400日前ですね、に私がここに着任いたしました時もですね、すでにやはり学校の先生方の働き方改革、処遇改善等の議論はスタートしておりました。私がやりましたのは中教審のほうに諮問をするというところをしっかりとやらせていただいたというのは非常によかったと思っておりますが、ちょっと長く議論がかかりますので、話し合いがかかりますので、そういう点では数人の大臣がですね、これに関わるということは、これあろうかと思っております。来年の春に答申が出ましてもすぐに法律改正とかいうことにはならないかと思うんですね。ですからもう少し気長に見ていただきまして、そしてその議論をですね、それにも自民党の中からしっかりと私も注視させていただきたいと思っております。
 どうも皆さん、本当にお世話になりましてありがとうございます。本当につたない大臣ではございましたが、皆様方のお支えをいただきまして平穏に退任することができました。本当にありがとうございました。

(了)

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