永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年9月12日)

令和5年9月12日(火曜日)
教育、文化

キーワード

第14回日中韓文化大臣会合への出席,「いじめ防止対策に関する関係府省庁連絡会議」の開催,北海道における市立小中学校への冷暖房設置状況,教員の働き方改革等に関する審議への現場の意見の反映について,練馬区立中学校校長の児童ポルノ禁止法違反容疑による逮捕事案について,旧統一教会への過料通知、質問権再行使等の今後の展望,日本大学の薬物事件に係る報告について,給食調理会社(株式会社ホーユー)の事業停止の影響について,高等教育の教育費負担軽減等についての在任中の取組状況について

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年9月12日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年9月12日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年9月12日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、私からは冒頭2件、発言させていただきます。
 まず1件目でございます。9月7、8日に、「第14回日中韓文化大臣会合」に出席をいたしました。今回の会合では、2024年の「東アジア文化都市」として、日本は石川県、そして中国は大連市と濰坊市、韓国は金海市を決定するとともにですね、若い世代の文化交流・協力の推進ですとか、東アジア文化都市間の協力の活性化などで一致をいたしました。議論の成果を「全州宣言」として取りまとめすることができました。なお、本会合の前にですね、韓国のイ・ジュホ教育部長官と面会をいたしました。私からは、イ・ジュホ教育部長官には「せかい×まなびのプラン」を紹介するとともにですね、今年の3月以来の日韓関係の改善をさらに推進するべく、留学生交流などの人的交流を強化することで一致をいたしまして、今後、取組を具体化させたいと考えております。
 二つ目でございます。昨日、文部科学省とこども家庭庁を共同議長といたします「いじめ防止対策に関する関係省庁連絡会議」の本年度第1回の会議を文京区の茗台中学校にて開催をいたしました。今回の会議では、各省庁のいじめ防止に向けました取組状況を確認するとともに、会場の茗台中学校におきまして、いじめをテーマとする道徳教育の授業を視察をいたしまして、生徒が活発に議論をしている姿を見学することができました。また、生徒の皆さんと意見交換もさせていただきまして、いじめが起きづらい学校にしていくために、しっかりとした問題意識を持って、具体的な行動に移しているというお話を聞くこともできました。文部科学省といたしましても、引き続きまして、いじめ未然防止に係る取組のより一層の充実に向けまして、関係省庁とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

記者)
 北海道の冷房設置率が16.5%と非常に全国から見て低い状況となっております。全国は96%近く設置されている中で、北海道はこの8月に小学2年生の子が亡くなってしまうという痛ましい事故も起きてしまいました。この遅れている状況について大臣としてどのようにお考えかということと、何かメッセージがあればお願いします。

大臣)
 本当に今年の夏は7月の初めから35度超えということで、本当に北海道でも大変暑かったということを聞いております。学校の施設はですね、児童生徒が学校の勉強をするだけではなくて、やはり生活の場としてあるとともにですね、災害時には学校は地域の避難所としての役割もございます。そういうことから考えますと、空調設備の設置というのは大変重要であると認識をしております。令和4年9月1日時点の調査によりますと、全国の公立小中学校等の普通教室への空調の設置率というのが95.7%でございますし、また他方ですね、北海道におけます普通教室への空調の設置率というのは16.2%と承知をしております。公立学校の施設の空調設備の設置工事に当たりましては、国庫補助の活用が可能でございますので、文部科学省といたしましては、引き続きまして、安心・安全な教育環境の確保等を図るために、各地方公共団体が計画的にですね、空調整備を行えるようにしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。

記者)
 私は中教審での質の高い教師の確保に向けた処遇改善等に関して伺いたいんですけれども、この間は緊急提言を巡っていろんな団体さんなんかが声明を出しておられて、その中の意見の一つとしてこの議論の中に当事者を代表する、現場の先生を代表するような方が入っていないんじゃないか、もしくは私たちの意見が反映されにくいんじゃないかというようなことをおっしゃる方が、いくつかの団体さんの声明の中でそういったことに言及しているんですが、この点、大臣はどのようにお考えでしょうかというのと、あと現場の先生の意見をそういった処遇とか教員の仕事とはどういうものかということについて議論する際に反映させていくことは大事だと思うんですが、この辺り、どのような形で反映させていくのが望ましいとお考えでしょうか。

大臣)
 お答えいたします。学校におけます働き方改革、処遇の改善、そして学校の指導・運営体制の充実の在り方等につきまして検討するために設置をされました「質の高い教師の確保特別部会」におきまして、小学校及び中学校の校長先生に加えまして、教師として勤務経験を有する方もですね、委員として御参画いただいております。特別部会におきましては、今後、来年の春頃に一定の方向性を示すことを目途といたしまして、さらに議論を深めていくこととしております。働き方改革、そして処遇の改善、それから学校の指導・運営体制の充実、これを一体的に進めていきたいと、そう考えているところでございます。またですね、例えばですね、当事者の意見を反映させるということは重要だと思いますが、例えば、平成29年から31年にかけまして、中教審におきまして、学校における働き方改革について検討した際にはですね、答申素案に対します御意見というものを広く一般の方々から募集をいたしました。今回の中教審におけます検討におきましても、今後の審議の状況に応じまして、こうした対応をとることが考えられますけれども、当事者の方々の意見というものを広く反映できるように努めてまいりたいと考えております。

記者)
 私は練馬区の校長が児童ポルノ禁止法で逮捕されるという件と再発防止について伺いたいと思っております。校長が逮捕されるというのは本当にあってはならないひどい話ですけれども、ただ一方で練馬区の教育委員会の記者会見で昨日、経緯を聞いてみたら、このことの発端は東京都が昨年4月にスタートした第三者相談窓口という新しい制度に被害を受けた人ではなくて、こういう被害を受けている人がいるという通報があって、そこから教育委員会が被害者とだんだん折衝していって話し合いをして7月に警察に被害届をすぐに出したほうがいいという結論になったということなんです。もちろんこういう事態が起きたこと自体はひどい話なんだけれども、一方で、それを発見するために行政がいろいろ努力して再発防止のための仕組みを作っていったり、またかなり今回は、教育委員会は一般に不祥事があるとすぐ隠ぺいするという、そういうイメージが世の中にはあると思うんですけれども、今回の場合は教育委員会は非常に積極的に対応して被害者の立場に立ってやったということがあります。こういう再発防止をしていくために、こうした行政の第三者相談者窓口ですとか、また教育委員会の積極的な対応、あと実際に公表してことが抑止効果になるということも練馬区の教育委員会の人が言っていました。そういった取組についてどういうふうにお考えなのかということと、同じような行政にできることがあるんだったらば、できればなるべく全国に横展開をしたい、してほしいなと思うんですけれども、そういったことについてのお考えを伺えればと思います。

大臣)
 お答え申し上げます。本当に練馬区立の中学校の校長がですね、児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されたという報道につきましては承知をしております。本当に教員が児童生徒性暴力等を行うことは絶対に許されないことでありまして、本当に驚きましたし、また本当に背筋が寒くなるような感じを覚えました。ましてや校長ですよね。本当に児童生徒性暴力等を行うこと、これは本当に言語道断であると、そう思っております。昨年4月に施行されました「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」より、地方公共団体ですとかまた学校に対しては相談体制の整備や所轄警察等への通報義務が課されております。文部科学省といたしましては、これまでもですね、児童生徒等やまた教員に対します定期的なアンケート調査や、教育相談の実施、そして電話相談窓口の周知など、児童生徒性暴力等の早期発見や相談対応に関する取組を実施するよう各教育委員会に求めてきたところでございまして、引き続きまして、各教育委員会に対して適切な対応というものを求めてまいりたいと思っております。

記者)
 第三者相談窓口のようなものの整備ということについて。

大臣)
 それにつきましては承知をしておりませんので、お答えは差し控えさせていただければと思います。

記者)
 旧統一教会に対する過料請求についてお伺いします。過料請求をした狙いと、なぜこのタイミングで請求するということになったのかということをお伺いしたいのと、合わせて旧統一教会に対する調査自体はもう終わっているのかということと、それも含めて今後の見通し、内閣改造も迫っているようですが、大臣の旧統一教会に対する対応への意気込みをお聞かせください。

大臣)
 お答えいたします。旧統一教会の動向につきまして、逐一ですね、お答えするということは差し控えさせていただきますが、その上で申し上げれば、旧統一教会に対します報告徴収・質問権の行使は、その行使の「一般的な基準」を定めた上で、毎回、宗教法人審議会におきまして全会一致で了承を得るなど、法令に基づきまして適正な手続きを踏んだ上で重ねてきたものでございます。文部科学省といたしましては、その適法性につきましては、全く揺らぎはないと、そういうふうに思っております。また、旧統一教会に対しましては、これまで7回にわたりまして、法律に則って報告徴収・質問権を行使してまいりました。しかしながら、旧統一教会から報告されませんでした事項があったために、宗教法人法の第88条の規定に基づきまして、過料に処すべき事件に該当すると判断をいたしまして、宗教法人審議会の御意見も伺ったうえで、今月の7日、東京地方裁判所に対しまして、過料を決定するように通知をしたものでございます。今後の対応につきましては、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、さらなる報告徴収・質問権につきましてはですね、もし必要があれば行使はしたいと、そういうふうに思っております。

記者)
 日大の件に関して伺います。日大の報告書の提出期限が金曜日に迫っています。当初から回答までの日数が少ないというような懸念もございましたが、現時点で日大側からの報告の期限を延ばしてほしいなどとの要望などがありますでしょうか。文科省として金曜日に何かしらの報告書を提出してもらうという認識で今いらっしゃるのかということですか。

大臣)
 おっしゃるとおりでございます。お願いしてあることはお願いしてあることでございまして、きちんと日大のほうから報告がなされると、そう思っておりますけれども、何かあれば日大側からですね、連絡があろうかと思いますが、今のところそういう連絡がございませんのでお待ちしているところでございます。

記者)
 学校給食の件でお伺いいたします。給食業務を手掛ける広島市のホーユーという会社が全国でおよそ150の学校とか病院に給食を提供していたようなんですけれども、そのうち半分近くで今月に入って給食の提供がストップしているということだそうです。背景には物価高騰というものもあるようなんですけれども、大臣の受け止めをお聞かせください。

大臣)
 広島にあります株式会社ホーユーですが、学校の給食や学生寮、それから公官庁の食堂の業務などを手掛けてきたと伺っております。5府県の高等学校や特別支援学校を含めまして、様々な施設におけます食事の提供等を行う民間事業者が事業を停止した影響によりまして、新学期以降、一部の学校におきまして、寮や食堂での食事の提供ができなくなっている事例があるということは承知をしております。現在ですね、お弁当の提供や代替の事業者の選定といったですね、対応を行っているところもあると承知をしておりますけれども、いずれにいたしましても、学校の設置者でございます教育委員会等におきまして、児童生徒等の学校生活に支障が生じませんように、適切な対応をお願いしたいと、そう思っております。

記者)
 大臣就任して1年以上経ちますけれども、大臣就任当時は読売新聞の取材に対してシングルマザーでらっしゃったこと、また子育てで苦労されて学費の捻出が大変だったということをおっしゃっていたと思います。その際、返済不要の奨学金の拡充、あるいは学費の軽減も進めていきたいというようなお話をされていたと思うんですけれども、科学技術力の評価等々についても非常に重要な点だと思うんですけど、この点、大臣を務められて達成できたかどうか、その点を総括していただけますでしょうか。

大臣)
 お答えいたします。確かに私、一応シングルマザーと、もう子供2人とも結婚したので、もうその仕事は終わったのかなとは思っておりますが、確かに子育て中はですね、大変、別にシングルマザーじゃなくてもですね、両親の方が一緒でもですね、やはり高等教育等の授業料のことはですね、相当家計負担があるなというのは実感しております。それの対応ですね、まだまだこれにつきましては返済不要のと一概に言いましても、いろいろなパターンがございますので、例えばですね、国のほうでしっかりやっておりますパターンもあれば、また各企業がですね、しっかりと奨学金を企業が代わりに払ってあげますよというようなものもあります。いろいろあるので、そこのところはもっともっと充実させていかなければいけないだろうなとは思います。それとあと科学技術のことですが、やはり相当、私の中では日本の科学技術力というものを、もっともっと世界に伍するようなものにしていかなければいけないという認識がございましたので、それもまだまだ途中ではありますが、これもしっかりしていってもらいたいなと思っております。いろいろお話したいことは山ほどありますけれども、やはり私が就任をいたしまして399日目だそうでございます。そんな中では1年ちょっとやらせていただきまして、それの道筋というものを少しずつ少しずつ登り始めたところだなというふうには感じております。次の後任の方にはしっかりそれを引き継いでいただきたいと思います。すいません。万が一ですね、辞めるということであれば引き継いでいただきたいと思いますし、まだ永岡やれということであればしっかりとやらせていただきたいと思っております。

(了)

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大臣官房総務課広報室