永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年9月5日)

令和5年9月5日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

教育未来創造会議第二次提言工程表の閣議で報告、日中韓文化大臣会合への出席、旧統一教会への今後の対応について、理化学研究所「子ども睡眠検診」プロジェクトの成果、科学技術分野での研究成果の教育行政への活用について、大臣就任から就任期間中に力を入れた政策について、日本大学のガバナンスの問題について

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年9月5日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年9月5日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年9月5日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日は私から冒頭発言、2件ございます。
 まず1件目でございます。今年4月に取りまとめられました教育未来創造会議第二次提言につきまして、関係省庁との連携の下で、工程表を取りまとめ、そして本日閣議で報告をいたしました。本工程表では、第二次提言におけます新たな留学生派遣・受入れ方策、そして留学生の卒業後の活躍に向けた環境整備、そして教育の国際化の推進に関する具体的取組につきまして、今後10年間の政策実施プロセスを明らかにするものでございます。加えまして、昨年9月に取りまとめました第一次提言工程表につきまして、フォローアップを行い、反映をした工程表の改訂版を本日公表いたします。二度にわたります提言の内容の着実な達成に向けまして、政府一丸となって取り組んでまいります。
 2件目でございます。9月7、8日になりますが、韓国全州市で行われます「第14回日中韓文化大臣会合」に出席するために、韓国を訪問いたします。本会合では、日中韓3か国の文化交流・協力につきまして意見交換を行うほか、2024年の「東アジア文化都市」として日本は石川県、そして中国は大連市、濰坊市、韓国は金海市が正式に決定される予定でございまして、この点も含めた成果文書の策定が予定をされております。また、期間中、中国及び韓国の文化担当大臣と二国間会合を行う予定でございまして、文化交流の一層の進展について、意見交換をしてまいりたいと思っております。本会合の開催によりまして、文化交流を通じた日中韓3カ国の友好関係が一層深まることを期待しております。またですね、この韓国訪問の機会を捉えまして、韓国の教育担当大臣とも面会をする予定でございます。教育分野におけます連携強化に向けて、意見交換をしてまいります。
 以上でございます。

記者)
 幹事社から旧統一教会に関してお伺いします。一部報道では教団が質問権に対して適切に回答していないとして明日、宗教法人審議会を開催し教団に対して過料を科すことについて意見を聞くということですが、これについて事実関係の確認と、早ければ来月にも解散命令請求をするという報道もありますが、今後のスケジュールについてはどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 現時点でですね、旧統一教会に対します過料につきましては、文部科学省といたしましては、何らかの決定を行ったという事実はございません。なおですね、旧統一教会への対応に関しましては、明日6日水曜日になりますけれども、「宗教法人法の第78条の2に規定をする報告徴収・質問権について」を議題といたしまして、宗教法人審議会を開催する予定でございます。後刻ですね、事務的にお知らせをさせていただきます。お尋ねの点を含めまして、議事内容の詳細等につきまして現時点でお答えすることは差し控えますけれども、審議会の終了後、事務方から必要な説明をさせたいと考えております。今お話にありました具体的な何か今後のスケジュールですか、解散命令請求等の今後のスケジュールというお話もありましたけれども、現段階におきまして、解散命令の請求について判断をする事実というものはございません。今後の対応につきましては予断をもってお答えすることは差し控えさせていただければと思っております。

記者)
 統一教会の関係で今の発言に絡むんですけれども、過料に関しては特に宗教法人審議会に意見を聞くということは規定上特に書かれていないと思うんですけれども、今回、宗教法人審議会に意見を聞く手続き、手順を踏むということはどういう意図というか。

大臣)
 おっしゃいますように、過料につきましては宗教法人審議会にですね、お伺いをするということは法的にはございません。しかしながらですね、お尋ねの点を含めまして現時点で詳細をお話することは差し控えさせていただければと思います。

記者)
 理研が「子どもの睡眠検診」プロジェクトの第二次募集を開始しました。これまで第一期でそれなりの成果が出ていると思うですけれども、その成果について大臣としてどのように受け止めているのか、また第二期がこれから行われてその結果がいろいろ出てくるかと思うんですけれども、そうした科学的成果を教育行政に今後どのように生かしていくのか、その辺について教えてください。

大臣)
 今回理化学研究所によります発表では、全国の小・中・高校生を対象として、理研が独自にですね、開発をしたシステムを活用して、睡眠の実態把握を進めるとともに、子供や保護者に対する睡眠に関する知識の提供と、それから学校現場への支援を行うものと承知をしております。昨年9月に開始をいたしました第一次募集では、延べ27校、約4,200名を対象に測定を行った結果ですね、全体の統計的な分析等の途上ですけれども、学校や地域によって、睡眠の傾向に特性がある可能性が見えてきたと、そういう話は聞いております。今回の第二次募集は、さらに対象者を広げまして、子供や保護者の睡眠に関する理解増進に資するより有用な研究成果を得るために開始されたものと承知をしております。政策を推進するに当たりましては、より効果的、そして効率的な教育政策の企画、立案等を行う観点や、また国民への説明責任を果たす観点から、やはり客観的な根拠を重視をした行政運営に取り組んでいくことが重要であると考えております。今年6月に閣議決定されました教育振興基本計画におきましても、客観的なですね、根拠を重視した教育政策のPDCAサイクルの推進、それから調査結果に基づきます多様な関係の対話を通じた政策・実践の改善等が明記されているところでございますので、科学技術分野でのこの研究成果も含めまして、様々なデータや調査結果等を文部科学政策の実施・改善に繋げてまいりたいと、そういうふうに考えております。

記者)
 大臣が就任されて1年ということでちょっと振り返りのことをお尋ねしたいと思います。大臣が去年の8月10日から文部科学大臣に就任されて1年が経ちますけれども、二つお尋ねなんですが、一つ目は永岡さんのカラーを出せたという政策を二つ三つ具体例を教えていただけないかと思います。もう一つが、以前から例えばシングルマザーの支援策とか、コロナ禍などは特に非常に熱心に取り組まれていたと思います。そういった方々からもよく大臣の名前をずっと聞いているんですが、そうしたすごく生活者目線とか日常生活に関わる政策について熱心に取り組まれているのは文部科学大臣としても共通するのかなということを個人的に思っておるんですが、政治家としてそうした生活者とか日常生活に役立つ政策ということを意識されているのかどうかということをお尋ねしたいと思います。

大臣)
 今お話いただきましたように、文部科学大臣になりまして1年を過ぎました。その以前ですね、大臣に就任前からやはり私は1人親家庭の支援のほうに力を入れてまいりました。というのも御存知でありがたいなと思っております、言っていただきまして、それとですね、やはり大臣になりましてからはやはり一番心配だったことというのは、やはり教育とそれから科学技術・学術、それからスポーツ、それから文化芸術と幅広い所掌になっております文部科学行政で、私に何ができるかということをやはり一番考えました。そうしますとですね、やはり母親であった、また子供を育てた経験から申し上げますと、やはり何と言いましても経済的な事情を含めましてね、どのような理由があっても、やはりやる気のある子供たちが本当に教育の機会、学びの機会を失ってはいけないと、しっかりとそれは私の中で思っていたところでございます。令和6年度から多子世帯等の中間層への給付型の奨学金等を拡大するということなどですね、高等教育の修学支援新制度を進めてきたというのも、やはり私の中では大変大きな成果であったのではないかと思っております。そしてやはり学校でずいぶんとコロナ前からありましたけれども、コロナ後ですね、小・中・高校生の不登校児が増えているということもありまして、やはりその子供たちが過去最高ですよね、となりましたことも受けて、令和4年度末には、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」の「COCOLOプラン」の取りまとめもできたということは、大変大きな成果であったと思っております。私の中ではですね、実は以前、文部科学副大臣の時に科学技術の担当をしておりまして、その点におきましては、やはり通常国会におきましてナノテラスですね、「共用促進法」の一部改正ができたのも大変嬉しゅうございましたし、またずいぶんと日本の国にですね、外国から来た方々が住んでらっしゃると、その方々は生活者であり、また働く方であり、そしてまた勉強する方であるという中におきまして、大変重要な日本語教育機関の認定法というのも成立させることができまして、大変嬉しく思っております。それから7年に一度なんですけれども、G7の教育大臣会合を富山・金沢で開催できたということも、大変大きな成果であったと思っております。そこの採択の中でですね、「せかい×まなびのプラン」、つまり外国人の方には日本に来ていただいて日本の文化を体験し、そして勉強してもらう、研究してもらうということ、そして日本人もですね、多くの若者が高校生から大学生、そして研究者の方もですね、海外に行ってそこの国の文化を知り、そして他文化の中で自分というものを再発見をし、そしてその中で日本の国というものをもう1回見直すという、そういう取りまとめができたというのは私にとりましては大変大きなことをやってきたなと思っております。しかしながら、まだ辞めたわけではございませんので、今ある課題をですね、しっかりとやるというのが今、私の一番大きな課題であると、そう思っているところです。

記者)
 部員の違法薬物事件が起きた日大のアメフト部について伺いたいんですけれども、先週の金曜日の1日ですか、再度の無期限活動停止にしましたけれども、これまで個人の犯罪として活動を再開させていましたけれども、今回、日大が再度の無期限活動停止という判断を下したことについて大臣の受け止めをお願いします。

大臣)
 日本大学からはですね、8月31日付でアメフト部学生寮を閉鎖をし、また今月の1日に同部を再度の無期限の活動停止にしたとの報告を受けております。文部科学省におきましては、日本大学に対しまして、8月22日付で指導通知を発出しておりまして、日本大学では、当該通知も踏まえましてね、8月24日付で外部有識者で構成をいたします「第三者委員会」というものを設置をして、そして事実関係や、徹底的な調査や、法人として全ての課題ですねや問題点の洗い出しを行っているものと承知をしているところでございます。日本大学に対しましては、やはり警察の捜査への全面的な協力ですね、それと法人としてのガバナンスの強化を含みます管理運営体制の再構築に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。

記者)
 冒頭発言でありました日中韓文化相会合についてお尋ねします。東アジア文化都市にちなんだ成果文書の策定ということでしたが、現段階で成果文書をどのようなものにしたいかなど、イメージでお話できることがありましたら教えてください。

大臣)
 日中韓文化大臣会合でございますが、これは2007年から開催をされておりまして、3か国相互の敬意とそれから信頼ですねによりまして今回14回目を数えております。コロナ禍の間もですね、3か国相互の文化交流は絶え間なく続いております。本会合は、久しぶりでの対面での会合になりますけれども、日中韓3か国におけます文化交流の具体的な協力案件について、3か国の担当大臣が意見を交換できるという大変重要な意義があると思っております。今回の会合ではですね、日中韓におけます文化交流が、3か国の将来に向けた関係構築において極めて重要との認識を改めて共有をするとともにですね、未来志向での文化交流及び協力の強化、それから東アジア文化都市事業のさらなる推進、それにつきまして意見交換をする予定としております。これらが成果文書として取りまとめられることを期待をしているところでございます。これらの取組をしっかりと通じまして、日中韓3か国の文化交流・協力というものが一層ですね、拡大できることを期待いたします。

記者)
 宗教法人審議会でお伺います。大臣は先ほど明日、宗教法人審議会を開いて後ほど正式にプレスリリースをされるとおっしゃいました。今までですと通常2日前、2営業日前に宗教法人審議会を開くというリリースを文科省はやってきました。なぜそれを前日にされるようになったのでしょうか。またただそれは記者会が求めたものではなく、たぶん文科省側が作った報道対応のルールだと思うんですけれども、そのルールを自ら破るということについて大臣の御所感をお聞かせください。

大臣)
 すいません、それにつきまして詳細はですね、事務方のほうでお答えさせていただきたいと思っております。

事務方)
 まず宗教法人審議会について申し上げますと、調整ができたのは今日だったので皆様にお知らせするのも今日だということでございます。

記者)
 日程調整が付いたのが今日というのはにわかに信じがたいんですけれども、その前にくっ付いていたとは思いますが、文科省が自ら作ったルールを破るということについて大臣はどう思われますでしょうか。

大臣)
 申し訳ございません。そのことにつきましては私ちょっと所見、考えが及びませんので、お答えすることはできない。

記者)
 一般的に教育を所管する官庁として自ら作ったルールを自ら破るということについてはどう思われますか。

大臣)
 申し訳ございません。それでは申し上げますけれども、そのルールというのを私はしっかりと聞いているところではございませんので、それにつきましてはお答えは差し控えさせていただければと思います。

記者)
 別に大臣が御存じであろうと御存じでなかろうと構わないんですけれども、では一般的に自ら作ったルールを自ら破るということについて一般論としてどう思われますか。

大臣)
 大変難しい御質問をいただきました。自分が決めたルールというのはそれこそ法律からそれこそ自分がですね、朝起きたらまず歯を磨くか顔を洗うかどっちかにしようかと、そういうことまでルールの一つには入ってくるかと思っております。それをどういう段階でどういう状況でそれを取り違えるということがあったかということにつきましては、あまりに幅が広いのでちょっとお答えはですね、差し控えさせていただければと思います。

(了)

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