永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年8月8日)

令和5年8月8日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

キーワード

日本大学アメフト部の学生が大麻所持等の疑いで逮捕された件、学生スポーツ界における大麻所持・使用事案に対する今後の対応、群馬県高崎市の温泉文化に関する無形文化遺産登録の検討、終戦記念日の靖国神社参拝について、核融合研究に係る有識者検討会の中間報告を踏まえた今後の支援、甲子園における熱中症に対するさらなる対策、広島県の旧陸軍被服支廠の重要文化財指定にかかる検討、国立科学博物館のクラウドファンディング

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年8月8日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年8月8日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年8月8日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、冒頭発言、私のほうからはございません。

記者)
 日本大学の件について質問します。アメフト部の部員が薬物所持の疑いで警視庁に逮捕されるということがありました。日大アメフト部は以前にも危険タックルの問題を受けて一部の再生を進めているところでしたし、日大自身も理事長が林真理子さんになって立て直しを進めていたと思うんですけども、そのような中で今回のような事件が起きてしまったことに関しての大臣の所感と、文科省として日大に何を求めるかということに加えて、日大アメフト部に限らず、学生スポーツ界で大麻を使用した事件、若年層でも大麻を使用した事件というのが日本で相次いでいると思うんですけど、文科省として何か対策を立てることなど検討なさっていますでしょうか。

大臣)
 日本大学のアメリカンフットボール部の学生が、大麻取締法違反、それから覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたとの報道につきましては承知をしております。大変遺憾だと思っております。大学によりますと、既にですね、アメリカンフットボール部に対しまして無期限活動停止の処分を下しているとのことでございます。また、大学として警察の捜査に全面的に協力をして、大学をあげてですね、原因究明と再発防止に全力で取り組み、厳正に対処する旨の考え方を示しているところでございます。また、一般社団法人大学スポーツ協会からは、大学スポーツに関わる学生が、違法薬物や違法行為に手を染めることがないように、大学・競技団体・運動部に徹底を促す旨のメッセージが発信されまして、日本アメリカンフットボール協会ですとか関東学生アメリカンフットボール連盟からも、この事実は大変残念で、今後は捜査の進展を見守り、日大アメフト部からの報告も踏まえて、厳正に対処するとのコメントが出されております。日本大学におきましては、警察の捜査への全面的な協力と、それから明らかになりました事実についての説明責任を果たすとともに、不祥事防止に向けた様々な取組や体制構築を適切に行っていただきたいと思っております。そして、スポーツ界におけます今後の対応というところでございますが、文部科学省といたしましては、スポーツ庁からの一般社団法人大学スポーツ協会に対します補助事業を通じまして、加盟大学の指導者やコーチに対して、学生アスリートに対する倫理教育ですとか法令遵守等の徹底を含む総合的な検証を行ってきているところでございます。大学が、大学スポーツ協会に加盟しているか否かにかかわらずですね、各大学においては、不祥事防止に向けた様々な取組や体制構築を適切に行っていただきますように、強く求めてまいります。

記者)
 温泉文化の無形文化遺産登録についてお尋ねします。岸田首相が今月3日に群馬県を視察した際に、温泉文化のユネスコの無形文化遺産登録について記者団に対して関係省庁で必要な協力をしたいという趣旨の発言をされました。関連して、無形遺産の次期候補について文化審議会での議論が5月に始まっていて、年度内に結論が出るという理解ではありますが、文化庁における今後の方針などでお話できるものがあれば教えてください。

大臣)
 3日にですね、この3日に岸田総理が群馬県の高崎市を訪れた際に、温泉について、ユネスコ無形文化遺産に関する御発言をなされたということは承知をしております。その際にですね、総理から発言がありましたように、ユネスコ無形文化遺産への登録にあたりましては、保護すべき無形文化財について、定義や担い手の整理といった登録のための課題をクリアしていく必要があると承知をしております。文化庁におきましては、既に、自治体や関係団体からですね相談を受けておりまして、課題について意見交換をしていると承知をしております。引き続きまして、専門的な見地からのアドバイスを行うなど、必要な協力を行ってまいりたいと考えているところです。

記者)
 必要な見地から協力というところなんですけれども、お話しいただける範囲で決まっているものなどあれば教えてください。

事務方)
 温泉につきましては、今、群馬県及び関係自治体からお話を伺っているところでございまして、引き続き御相談を受けながら考えておりまして、特に今何か決まっているというものではございません。

記者)
 8月15日の終戦の日に関して伺います。その日に大臣御自身、靖国神社への参拝をされるのかどうか、御意向や思いなどをお聞かせいただければと思います。

大臣)
 8月15日に靖国参拝するかどうかという御質問でございますが、今のところは決めておりません。

記者)
 今後いつ決めるとか、そのあたりはどうですか。

大臣)
 決めておりません。

記者)
 先週、核融合の挑戦的な研究の支援に関する検討会の中間とりまとめ案が示されましたけれども、今後は革新的な核融合技術の開発についてどのように進めていくのか教えてください。

大臣)
 本年4月にですね、決定されました「フュージョンエネルギー・イノベーション」戦略に基づきまして、「ゲームチェンジャーとなりうる小型化、そして高度化等をはじめとする独創的な新興技術の支援策を強化」することを目的といたしまして、検討会を設置をいたしました。これまでに検討会を3回開催をいたしまして、具体的な支援方策や実現したい未来社会像ですね、等について御議論いただいた内容を、先日の4日の日に、中間とりまとめ案としてですね、提示をしたと承知をしております。文部科学省といたしましては、本検討会での議論も踏まえ、フュージョンエネルギーの実現に向けた取組、これを一層進めてまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。

記者)
 一昨日から夏の全国高校野球が甲子園球場で始まっているんですけれども、今年から熱中症対策としてクーリングタイムを設けるとか、ベンチ入りのメンバーの数を2人増やして20人にするとかいう対策がとられているんですけれども、それでも熱中症と見られる症状を訴える選手が複数出ているという報道があります。大会の開催時期をずらすとか場所を変えるとか、もっと根本的な対策が必要じゃないかという意見もあるんですけれども、どのような対策がこれから必要だというふうにお考えになっているかお聞かせください。

大臣)
 今年の夏、やはり皆様方も7月からもう本当に暑くて暑くて、35度以上という日が続きました。そして8月に入りましてもやはり暑いということで、本当にスポーツを行う際には徹底した熱中症対策、これに取り組むことが極めて重要であると、文部科学省といたしましては必要な注意喚起をしているところでございます。この点ですね、全部高校野球選手権大会におきまして、今回初めてクーリングタイムが導入されるとともに、ベンチ裏におきまして、クーラーですとかサーモグラフィーですね、などを設置をしたり、スポーツドリンクだけではなくて、アイススラリーですとかアイスベストですね、これは洋服です、なども用意すること、また、常駐する理学療法士が、選手の体調管理をするなどの熱中症対策がとられていると聞いているところでございます。やはり選手の体調を最優先に、今大会を安全に進めていただきつつですね、これらの対策をしっかりと検証して、必要に応じてさらなる対策を講じていただきたいと思っております。やはり同じようにクーリングタイムを設けましてもね、やはりその人その人個人によってやはり体調というのは違いますから、そういうところも非常に重要な考え方であろうと思いますので、それぞれのチームの御判断というのも重要になってくるかと思っております。

記者)
 広島県広島市にあります旧陸軍被服支廠の件に関してお伺いします。先週1日の記者会見でこの場で永岡大臣、今後も措置が適切にされるように専門的な知見から助言等を行ってまいりたいと考えているということをおっしゃいました。その後6日、岸田首相が広島での会見で活用を前提にしつつ文化財の指定、審議や国の支援は速やかに行いたいと述べられたところで、地元からは一歩前進だというような発言も知事からも出ております。これを受けて先週と何か文化庁さんの動きとして何か新しい動きはあるんでしょうか。例えば予算をもう少し、県が求めている耐震化費用を積み増ししてほしいだとか、そういったところにもう一歩踏み出すようなことはあるんでしょうか。

大臣)
 岸田総理からは、6日の平和記念式典後の記者会見におきまして、旧陸軍被服支廠について御発言があったということは承知をしております。総理からも御発言がありましたとおりですね、文化財の指定に当たりましては、当該建造物の保存だけではなくて、やはり活用について、地元でよく検討を定めていただくということが必要であると考えております。地元の広島県等においてですね、今後、当該建造物の活用等について方針が定めれば、やはり文化財指定の文化審議会の審議等の必要な対応はしっかりとやってまいりたいと考えております。

記者)
 もう一度確認なんですけれども、地元での活用についての方針を定めるというところがあって初めてこちらで動くと。

大臣)
 スタートができると、おっしゃる通りでございます。

記者)
 昨日報道がありました国立科学博物館のクラウドファンディングについてお伺いします。1億円を集めるということで、ネット上では1億円くらい国が出せないのかと、ちょっとこれは深刻なんじゃないかという声が結構出ているところだと思うんですけれども、やはり国立科学博物館という日本を代表する博物館がクラウドファンディングで資料の保存費用を集めなければいけないという現状に関して、率直に大臣としてどう思われますでしょうか。

大臣)
 独立行政法人の国立科学博物館が、コロナ禍ですとか物価高騰等によりますリスク要因を軽減し、そして「標本資料の収集管理・保管」ですね、を安定的に実施をしていくためのクラウドファンディングプロジェクトを、昨日7日から開始したところでございます。1日経たずに目標額の1億円の寄付をいただけたとお伺いしております。先ほど聞きましたら3億円もすでにいただけたという話を伺っております。国立科学博物館の取組にですね、国民の皆様方が理解・御協力をいただけましたことは非常に感謝を申し上げるとともにですね、今回寄付をしていただきました資金につきましては、貴重な標本・資料を受け入れて、未来へと継承していく取組にですね、有効に活用されることを大いに期待をしているところでございます。文部科学省といたしましても、標本の収集・保管業務ですね、を含みます法人の基盤的な活動について、鋭意予算措置を行っております。今回のような博物館によります自主的な予算獲得の努力や国民の皆様方によります支援を合わせまして、国からの基盤的手当によりまして、安定的で優れた博物館運営がなされますように取り組んでまいりたいと考えております。

(了)

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大臣官房総務課広報室