永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年7月28日)

令和5年7月28日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

全国高校総合体育大会総合開会式への出席、エスコンフィールド北海道への訪問、JAMSTECの北極域研究船の船名公募、文部科学省の幹部人事、大阪府の高校授業料の全面無償化案に関する要望、教職大学院における実習の改善・充実、総務省の「不登校・ひきこもりのこども支援に関する政策評価」、学習院女子大学の学習院大学への統合、部活動の地域移行

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年7月28日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年7月28日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年7月28日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から本日は3件ございます。
 まず1件目でございます。21日と22日に、北海道を訪問いたしました。21日には、エスコンフィールド北海道を視察をいたしまして、運営者のファイターズですとか、また地元の北広島市の方々と意見交換をさせていただきました。観戦体験を楽しめます最新鋭の設備ですとか、試合観戦以外にも楽しめる工夫を随所に拝見できまして、まちの賑わいを創出するスタジアムのモデルになっていると実感をいたしました。今後ですね、スタジアム・アリーナ改革を進めていくうえで、非常に参考になりました。次、22日には、4年ぶりの通常開催となりました「全国高等学校総合体育大会」の開会式で祝辞を申し上げるとともに、ダンスですとかチアリーディングなどの式典演技を観覧いたしました。全国から集まりました選手の皆さん、大変明るく希望に満ちた姿が印象に残りましたし、また力強い選手宣誓、それから大会を支えます地元の高校生ですね、本当にはつらつとした姿を見まして、これからの時代を担います若者の無限の可能性を感じました。選手の皆さんには日頃の練習の成果を大いに発揮されまして、それぞれが満足のいくベストなパフォーマンスを発揮されますことを期待をしております。
 それでは次に2件目でございます。JAMSTECの北極域研究船の名称を公募いたします。北極域研究船は、日本初のですね、砕氷機能を有します研究船として、現在、建造中でございます。令和8年度予定の就航後、やはり世界の気候変動予測の高度化などへの貢献が期待をされているところでございます。今回、子供たちからの応募も受け付けております。暑い日が続くわけですけれども、北極はどんなところだろうかなとね、思いをはせながらですね、素敵な名前をお子さんたちにも付けて欲しいなと思っております。JAMSTECのウェブサイトから、皆様の御応募をお待ちをしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 3件目でございます。本日の閣議におきまして、8月8日付け局長級以上の人事につきまして、内閣の承認を得ました。この度、勇退なさいます柳事務次官の後任といたしまして、藤原初等中等教育局長を起用することといたしました。同じく勇退をいたします伯井文部科学審議官の後任には藤江総合教育政策局長を起用をいたします。その他の局長級の人事の内容につきましては、お配りしました資料のとおりでございますので、よろしくお願いいたします。今回、適材適所を基本とした人事を行ったところでございまして、藤原新事務次官をはじめといたします新体制の下で、文部科学行政、これをより一層強力に推進してまいりたい、そう考えているところでございます。
 以上です。

記者)
 大阪の高校授業料無償化についてお伺いします。昨日、大阪の私立高校生の保護者らで作る団体が大臣のほうに面会されたと思います。授業料無償化、私立学校側の負担が生じて教育環境が悪化する恐れがあるなどとする意見書が提出されたと思いますけれども、面会では先方とどういったやり取りがあって、文科省はこの件についてどういう見解をお持ちなのか、教えていただけますでしょうか。

大臣)
 昨日、大阪私立中学校高等学校保護者会連合会、それから大阪私立中学校高等学校連合会などの皆様方がですね、文部科学省を訪問いたしまして、大阪府が5月に打ち出しました高校授業料完全無償化の案に関する意見書を受け取りました。具体的にはですね、標準授業料を超える授業料をですね、私立高校の負担とする案では、やはり生徒の可能性を伸ばす手厚い指導などが特色であります教育内容を維持することが難しい、その結果ですね、子供にとって、私立のこういった特色のある教育を受ける機会が減るなどの不利益が生じるなどの懸念があるとのことでございました。今後の制度設計では、大阪府知事の責任の下で行われるというものでございます。その際、何よりも大切なことはですね、教育の機会の確保や教育水準の維持向上といった公教育の原点に立ち返っていただきまして、「こどもファースト」、まずは子供の視点からですね、制度設計がなされることでありまして、私からはですね、その意識をもって、関係者間で丁寧な意見交換・合意形成を図っていただきたいと何度もお話をさせていただいたところでございます。いずれにいたしましても、大阪府の私学教育についての責任を有する知事と、実際に現場で教育を担う大阪の私学関係者がともに手を携えてですね、大阪の教育の質の向上に取り組んでもらえることを期待している、そういうところでございます。

記者)
 文部科学省が6月に出した教職大学院の実習に関する通知について伺いたいと思います。この通知では、現職教員の学生には勤務校で実習してもらったり、学部新卒の学生には教育委員会と連携して学校現場での勤務することを奨励しています。これに対して教員不足の中で一部には「学徒動員」ではないかという声も出たりしています。こうした指摘についてはどのように受け止められているのかということと、この通知を発出した狙い、学校現場と教員養成の双方にそれぞれメリットもあると思うんですけれども、そういったことについて改めて伺いたいと思います。

大臣)
 御指摘の通知はですね、昨年12月の中教審の答申を踏まえまして、より質の高い教育研究活動の推進のために、実習の改善・充実についてを周知をしたものでございます。具体的にはですね、現職の教師が勤務しながら教職大学院で学ぶ場合にはですね、教職大学院の教育研究活動が、勤務校における実際の教育課題の解決にも寄与するということが期待をされるわけでございますから、勤務校におきまして実習を行うことも考えられること、それから学部の新卒学生等については、教職大学院での学びをより効果的に、そして質の高い教師養成につなげる観点におきまして、学校現場での勤務経験を積む機会を提供することが有意義であるということでございますので、非常勤講師等として勤務できる仕組みを構築することも有効であるということ、こうした取組を進めるにあたりまして留意点といたしましては、学生の負担に十分留意をするとともに、教職大学院としての実習と、それから学校教育活動の双方が円滑に行えるようにすることなどが考えられますので、これについてお示しをしたというところでございます。本通知はですね、教師配置の未充足に対応するということを主眼として発出したものではございません。こうした取組はですね、やはり学校現場における教育実践の充実と実践的な教師養成の双方にメリットがあるというふうに考えております。

記者)
 先日、総務省の方から行政評価で受けた指摘に関してちょっと伺いたいんですけれども、不登校支援の関係です。教育機会確保法の趣旨に沿った対応、情報提供が学校現場において、不登校支援において行われているかどうかというところを総務省が調査して、基本方針や法の趣旨に沿った対応がなされていない部分があるのではないかというような指摘があったわけですけれども、この件をどのように受け止めているのかというのと、これまでも文科省として法の趣旨に沿った対応を各現場にお願いしてきたところがあるのかと思いますけれども、今後、また何かしらのアクションとかは考えておられるのでしょうか。

大臣)
 先日ですね、総務大臣から不登校・ひきこもりのこども支援に関します政策評価の結果について、意見の通知を受けたところでございます。具体的には、教育相談体制の整備、それから学校外施設の支援情報の提供、それから支援後のフォローアップの実施等、支援を受ける立場に立った支援施策の推進について御意見をいただいたところです。今般いただきました御意見につきましては、COCOLOプランを踏まえまして、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の拡充を図るということ、それからあと不登校児童生徒の保護者が有益な情報を得られますように、近日中にですね、学校外の施設等の関係機関についてわかりやすい情報提供を行うこと、それからあとわかりやすい様式例ですね、これ教育委員会に周知をすることということをしてまいりたいと思っております。総務省のほうからいただいた御意見もね、踏まえまして、しっかりと今後も不登校児童生徒の支援について対策を行ってまいりたいと、そう考えております。

記者)
 今日冒頭発言にありました幹部人事について質問をさせてください。今回、藤原初等中等教育局長が事務次官になられるということで3点お聞きしたいんですが、まず1点目が、冒頭にもありましたが藤原さんを今回選んだ理由について聞きたいのと、期待すること、最後に今回、幹部人事が7月末に発表ということで、他の省庁よりも1か月ぐらい遅れての発表になっていると思いますが、その理由について教えてください。

大臣)
 今回の人事はですね、文部科学行政をですね、より一層強力に推進していくために、適材適所を基本として行ったものでございます。藤原新事務次官をはじめとする新たな体制で、やはり次期教育振興基本計画の推進、それから教員の人材確保、そして質の向上、それから学校におけます働き方改革、GIGAスクール構想の推進、科学技術・イノベーションの推進など重要な課題に着実に取り組んでもらいたいと、そう考えております。また、女性のことなんですけれども、女性登用といたしまして、今回は、事務次官級であります文部科学審議官に、藤江総合教育政策局長を起用することといたしまして、事務次官級に女性職員を起用する、登用するというのは、10年ぶりということで、私もうれしく思っているところです。これらの布陣を中心にですね、しっかりと文部科学行政、いっそう強力に進めていきたい、そう思っております。そして1か月遅いと、ほかの省庁よりということでございますが、幹部の人事につきましては、各省それぞれに適切な時期に実施されるものと承知をしておりまして、文部科学省も以前はですね、7月の初めにやっておりました。しかしながらいろいろな、例えばオリパラ、令和3年度などのオリパラが8月にありましたので9月21日というようになっております。ですからそれぞれ適切な時期に実施されるものと、そういうふうに思っておりますので、理由はそれでございます。

記者)
 先日、学校法人学習院が学習院女子大と学習院大学を26年度から統合する計画を明らかにしました。近年、女子大の統廃合や共学化というのが進んでいると思いますけれども、大臣の受け止めを教えてください。それと大臣は学習院大御出身だと存じていますが、個人的な感想がもしありましたら教えてください。

大臣)
 私は学習院大学卒業でございます。2026年ですね、学習院の女子大学から大学に統合されるということでございますが、それぞれ大学等、いろいろと考えて、これからの大学の運営等を考えて御決断なさったと、そういうふうに考えております。

記者)
 学校の部活動についてお聞きできればと思います。今日我々が寝ている間に、メジャーリーグのエンゼルスの大谷翔平選手が1試合目完封、2打席連続ホームランという異次元の活躍をされていまして、大谷翔平選手の経歴を考えると高校野球からプロ入りしたということで、活躍を支えている一番は本人の絶えまぬ努力があると思うんですけれども、高校の部活動出身という意味で、部活動が彼が世界に打ち出ていくきっかけというか一助になっていくのかなというような気もします。それを考えた時に運動部活動、文科系部活動問わず、子供の成長を促す、可能性を広げる大変すばらいしい機会になっているのかなと思いますけれども、一方で今年から中学の週末、地域移行ということを進めていらっしゃるというところで、働き方改革とのバランスも考えて部活動をこれからどう存続していくのかという課題が大変多いかと思います。改めて令和型の部活動の在り方、持続可能な部活動の在り方も含めて御所見を伺えればと思います。

大臣)
 確かに私も朝6時に起きましてテレビをつけた途端に完封勝利と、それからホームラン2本というのが目に飛び込んできまして、大谷翔平さん頑張っているなというふうには思いました。彼は確かに高校部活動、野球部で一生懸命頑張っていたというのは承知はしております。部活動につきましてはですね、やはり少子化がだいぶ進展をしております。これまでと同様の学校単位での体制というのは非常に困難になっているというのは記者さんも御承知のことと思います。専門性ですとか意思に関わらずですね、学校の先生が顧問を務めます指導体制の継続というのは、やはり働き方改革が進む中でより一層困難になってきていると思っております。そのために、少子化の中でも将来にわたりまして子供たちが本当にスポーツ、文化芸術活動に継続して親しむ機会を確保するべくですね、休日の部活動の地域移行、地域クラブ活動への移行ですね、に向けた環境の一体的な整備というものを進めることが必要になっていると、そういうふうに考えております。このような取組はですね、やはり子供のニーズに応じた多様で豊かな活動を実現をして、地域住民にとってもより良いスポーツ、文化芸術環境の整備につながると、そういうふうには考えております。

(了)

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