永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年7月21日)

令和5年7月21日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

岐阜県(核融合科学研究所、岐阜農林高等学校、岐阜大学)の視察,大学・高専機能強化支援事業の選定大学・高専の決定等,広島県の旧陸軍被服支廠の文化財指定にかかる要請等,JAEAと英原子力研究所(NNL)のチームの英国の高温ガス炉実証炉プログラムの基本設計事業者への採択について,旧統一教会に対する学校法人国士舘からの申し入れ

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年7月21日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年7月21日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年7月21日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、私からは冒頭2件ございます。
 まず1件目でございます。7月18日から19日にかけまして、岐阜県に出張をしましたので御報告をいたします。最初に、核融合科学研究所を訪問いたしまして、フュージョンエネルギーの研究に活用されます大型ヘリカル装置等を視察をいたしました。フュージョンエネルギーの実現に向けた学術研究機関の役割等につきまして意見交換を行いました。今後ですね、フュージョンエネルギー政策の充実を図る上で、大変貴重な視察となりました。そして次にですね、岐阜県立岐阜農林高等学校に伺いました。岐阜農林高等学校では伝統野菜の「まくわうり」の普及ですとか、そして企業との商品開発の取組に関する発表を伺いましたり、またスマート農業によります植物生育の調査研究に関する実習等を視察をさせていただきました。これからの農業教育の充実を図る上で、大変参考になりました。最後にですね、岐阜大学に伺いました。岐阜大学では、糖鎖生命コア研究所の視察と、研究者や学生との意見交換を行いました。最先端の研究に取り組みます皆様方の熱意に大変感銘を受けたというところでございます。今回の出張を通じまして得た知見を踏まえて、引き続きまして、関連施策の充実に積極的に取り組んでまいります。
 2件目でございます。昨年度の補正予算で基金として措置されました大学・高専機能強化支援事業につきまして、実施主体であります大学改革支援・学位授与機構におきまして、選定大学・高専が決定されましたので御報告いたします。本事業は、二つの支援がありまして、学部再編等による成長分野への転換等への支援は67件、高度情報専門人材の確保に向けた機能強化の支援は51件でございまして、そのうち規模や質の観点から極めて高い効果が見込まれますハイレベル枠として7件が選定をされました。選定されました大学・高専におかれましては、提案内容を着実に実行していただきまして、成長分野をけん引する高度専門人材の育成にしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。本事業は、今後も公募を行ってまいりますので、引き続き、本事業の活用について、積極的、また意欲的に御検討いただくようにお願いしたいと考えております。
 以上でございます。

記者)
 冒頭発言でもありました、大学の高専の機能強化支援事業についてお尋ねします。特に支援1のほうで選定された67件の中に女子大からの申請だったり、あるいは個別の取組でも女子枠の入試の創設であったりとか、女子学生の受け入れというものを強く意識した取組というものが見受けられました。女子学生の理系進学を促すというのは政府の教育未来創造会議の提言に入っていた件ですけれども、そうした観点から今回の選定結果についてどのように考えられるか、また今後の女子学生の増加の目標といったことについて大臣の御見解をお願いします。

大臣)
 やはり理系分野の専門性を持った女性が活躍できる社会を構築していくということは重要でありまして、女子学生の割合を高めていくことは大切であると考えております。今回はですね、女子大のほうでもだいぶ頑張っていただきましたし、また共学の学校も非常に女子学生の確保の取組を積極的にやっていただきました。この事業の支援1ではですね、女子学生の確保を含みます「多様な入学者の確保に向けた取組」を要件としておりまして、今回選定をされました大学におきましても、入試における女子枠の設定など、女子学生の増加に向けた取組が多く提案をされております。本事業は、今後も公募を行ってまいりますので、多くの大学・高専から女子学生の増加に向けた取組が提案されますことを期待をしております。

記者)
 旧陸軍被服支廠についてお伺いします。昨日、自民党の議連が申し入れに来られていましたけれども、被服支廠についてはどのような話があったかということと、それに対して文部科学省としてどう対応していくかというのを教えてください。

大臣)
 昨日ですね、「原子爆弾被爆者救済並びに核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を推進する議員連盟」の皆様方が大臣室を訪問されました。広島県にあります旧陸軍の被服支廠の文化財指定について要請がございました。広島県からはですね、文化財指定の意見具申がされておりませんけれども、私の方からはですね、面会におきまして、文化財を指定する場合には、当該建物等の保存だけではなく、活用につきまして、地元でよく御議論をいただくことが重要であるということをお伝えさせていただいたところでございます。地元の広島県等におきまして、今後ですね、当該建物の活用について結論を出しまして、指定の範囲などを確定させた上で、早期の文化財指定等の御要望があればですね、文化庁としてもしっかりと検討してまいりたいと、そう考えております。

記者)
 日本原子力研究開発機構が今週19日に次世代原子炉の高温ガス炉の核燃料をイギリスの原子力研究所と共同開発すると発表しました。日本が持つ独自の技術を海外展開するチャンスと期待されてますけれども大臣の受け止めを教えていただけないでしょうか。

大臣)
 日本原子力研究開発機構JAEAでございますが、それと英国国立原子力研究所NNLのチームがですね、英国の高温ガス炉実証炉プログラムの基本設計及び、燃料製造技術開発を行う事業者として選択されたことは承知をしております。HTTR等を通じたJAEAのこれまでの研究成果が、このように展開されることはですね、大変喜ばしいと考えております。高温ガス炉は、安全性の面で優れた機能を有することに加えまして、発電のみならずですね、水素製造過程におけます熱源としての利用も可能であることから、2050年カーボンニュートラル実現への貢献が期待されております。文部科学省といたしましては、今般のJAEAによります英国実証炉計画への参画等の取組も通じまして、引き続き、高温ガス炉に関する研究開発や人材育成、そういうものを推進してまいりたい、そう考えております。

記者)
 冒頭にもありました大学・高専機能強化支援事業の関係でお伺いします。北海道からも北大はハイレベル枠に選ばれたということで、ラピダスが今度、次世代半導体の工場を作る展開が進んでいる、そこに向けての何か大臣からの狙いとか期待があればお答えいただきたいと思います。

大臣)
 細かいことは申し訳ございませんが、一個一個につきましては事務方のほうからご説明させていただきたいと思いますが御了解いただけますでしょうか。

事務方)
 北海道大学の提案にはラピダスとの連携というのも含まれておりまして、今後、北大とラピダスの連携も本基金を機に進んでいくのではないかというふうに期待をしております。

記者)
 統一教会が多摩地区で進めている工事の問題で昨日、国士舘大学が撤退するように申し入れを行いました。この理由として社会的な影響力とかこれまで大学で行ってきた統一教会の勧誘活動など、そういった懸念があるということも言われています。これに関して大臣の御所感をお伺いしたいのですが。

大臣)
 旧統一教会がですね、取得をいたしました多摩市内の土地の利用につきましては、多摩市が当該法人に対しまして建物の新築を行わないように求める要望書を施行するなどした他ですね、お尋ねのように国士舘大学におかれても昨日、旧統一教会に申し入れを行ったところというのは承知はしております。文部科学省といたしましては、これらの状況につきましても注視をしながら、引き続きまして法令に則りまして適切に対応してまいりたいと、そう考えております。

記者)
 法例に則った対応というのは具体的にどういうことですか。

大臣)
 法律に則ってということでございますので、法律に則っていなければできないということはよく御承知いただければと思っております。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室