永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年7月14日)

令和5年7月14日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

東京藝術大学の視察、JAXAの能代実験場における地上燃焼実験中の爆発、大学・高専における生成AIの取扱いに関する事務連絡、経済産業省における性同一性の職員のトイレ利用制限に関する最高裁判決について、日本大学の不祥事からの改革状況、2050年の大学入学者が約49万人になる推計について、女性議員の比率について、国立大学でのセクハラや性暴力についての実態調査の進捗

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年7月14日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年7月14日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年7月14日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私からは本日は1件でございます。
 一昨日、東京藝術大学を視察をしてまいりました。同大学では、能楽の授業におけます学生の実演、それから国立印刷局の工芸官によります特別講義などを視察するとともに、日比野学長から、アートの力を医療や福祉の分野で活用できる人材の養成など、アートの力で社会的課題の解決を目指す取組などにつきましてお話を伺いました。大変感銘を受けたところでございます。今回の視察を踏まえまして、文化芸術協力の重要性を再確認をいたしましたので、今後の施策にしっかりと生かしてまいりたいとそう考えているところでございます。
 以上です。

記者)
 昨日、大学と高専に対する生成AIの取り扱いについての考え方が通知で示されました。通知では大学ごとに指針を定めることが望ましいということも示されておりますけれども、改めて大学ごとにというところ、専門性の違いなどが含まれると思いますが、その辺の解釈について教えてください。また限定的な利用から始めるべきということを初中局では示されておりますけれども、高等局との違いをどのように考えたり整備されて示されたのか教えていただければと思います。

大臣)
 昨日、各大学・高専に対しまして、生成AIの教学面の取扱いとして、学生等に向けまして指針等を示すなどの対応をですね、主体的に検討することが重要であることを示した上でですね、利活用が想定されます場面例や、また留意すべき観点について、周知をいたしました。大学等の教育活動への生成AIの活用につきましては、やはり正と負の両面での影響が指摘されていることからですね、各大学等におきまして、指針の策定も含めまして、適切に生成AIへの対応が進められていくことが重要であると考えております。またですね、初等中等教育段階と比べまして、大学等につきましては、学生の発達段階が進んでいること、また高校以下は学習指導要領によりまして国が教育課程の基準を示しております。それに対しまして、大学等は独自に教育課程を編成し実施しているところでありますから、そういうことからですね、教育の実態に応じて、各大学等が対応を主体的に検討することが重要であると、そう考えております。各大学・高専におきましては、今回の周知の内容も参考にしつつですね、生成AIに対しまして適切に対応が検討され、対応が進められるということを期待したいとそう考えております。

記者)
 イプシロンSロケットの第2段モータの爆発の件で伺います。この爆発事故が今日の午前中にありましたけれども、まず大臣の受け止めを教えてください。

大臣)
 本日9時よりですね、JAXAの能代ロケット実験場におきまして、イプシロンSロケットの2段モータの燃焼実験を行っていたところ、着火約1分後に、爆発が生じたということは承知をしております。燃焼実験はですね、あらかじめ実験管理をされました立ち入り規制エリア内におきまして実施をされておりまして、現時点で人的な被害の情報は入っておりませんけれども、引き続きまして、情報収集を進めてまいりたいとそう考えております。

記者)
 今回の事故で原因として考えられることはどういうことなのか、例えばモータの固体推進薬を15トンから18トンに増やしているというような設計の変更もありますけれども、そういうことが影響として考えられるのかどうか教えていただけますか。

大臣)
 いろいろなご質問でございますけれども、今、研究開発の途中での爆発ということでございますので、まず影響等の精査をしっかりとしてまいりたいと、そう考えております。

記者)
 日本の宇宙政策への影響について教えていただけないでしょうか。

大臣)
 これは実験場でのことでございますので、これを糧としてですね、もっともっと宇宙開発をしっかりと進めてまいりたいと、そういうことを考えております。

記者)
 今のお話に関連してなんですけれども、イプシロンSは初号機が来年度に予定されていると聞いていますけれども、この影響についてあるかないか、現時点で何か言えることがあれば教えてください。

大臣)
 大変申し訳ございませんが、今、この実験場でのこととですね、これからの打上げのこと、実験ですからいろいろございます。それをしっかり精査をした上でですね、対応してまいりたいと思っております。

記者)
 先日、経済産業省においてトランスジェンダーの方のトイレの使用制限の判決に関して伺いたいんですけれども、学校現場においても思春期を過ぎればそういった性の問題というのは出てくる可能性があるわけですが、学校現場等におけるトイレの使用の、性別で分けているトイレの使用の在り方というのをどのようにお考えなのかというのと、一つの解決策としては、例えば公共施設等において行われているような性別を分けない多目的トイレなどの設置促進みたいなものがあるわけですが、こういったものも含めて文部科学省として学校におけるトイレの使用の在り方について何か取り組んでいかれるお考えはありますでしょうか。

大臣)
 まずですね、11日の性同一性障害の経済産業省の職員の女性用トイレの使用につきまして、最高裁判決が出されましたけれども、当該判決はあくまで個別の事案について判断がなされたものと、そういうふうに承知をしております。学校におけます「性的マイノリティ」とされます児童生徒等への配慮について申し上げますと、既に、教育委員会等を通じまして、職員トイレ、また多目的トイレの利用を認める事例等の具体的な配慮の例も示ししたうえでですね、当該児童生徒等への配慮と、他の児童生徒等への配慮との均衡を取りながら支援を進めるということを周知をしております。職員トイレやまたバリアフリートイレの活用なども含めまして、各学校等におきまして「性的マイノリティ」とされます児童生徒等に対して適切な配慮がなされるよう、引き続きましてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

記者)
 日本大学の林真理子理事長のことで伺います。相次ぐ不祥事を受けて就任をされて1年を迎えたということで今週、記者会見をされました。不祥事を起こした前の経営陣に対してすでに訴訟を起こされていますけれども、また追加の訴訟を検討されているということですとか、また10月の特別調査委員会の最終報告を受けてそれまでに膿を出し切るという決意などを示されました。この林理事長のこの1年の取組への評価ですとか今後の再生への期待などがありましたらお聞かせください。

大臣)
 文部科学省といたしましては、日本大学はまだ改革の途上と、そういう認識でおります。この段階で評価をするということはやはり差し控えなければいけないと思っておりますけれども、この1年間ですね、林理事長の下で適切なガバナンスの構築に向けた取組を進めるなど、本当に信頼回復に努めているものと承知をしておりまして、引き続きまして、学校法人の再生に向けた改革が進められていくものと期待をしております。

記者)
 本日開かれている中教審の大学分科会が午前10時から開かれているんですけれども、2040年から2050年までの大学入学者数の指針が示されていまして、18歳人口減少の影響を受けて学生数が13万人ほど、入学定員が現状のままだと約2割が埋まらないという計算になっております。この推計に対する大臣の受け止めですとか文科省として今後どういう対応策の検討を進めるか教えていただけますでしょうか。

大臣)
 本日ですね、開催をする中央教育審議会の大学分科会におきまして、2040年から2050年の大学入学者数の推計を示した上でですね、2040年以降の我が国の将来を見据えた高等教育が目指すべき姿ですとか、また地域において質の高い高等教育を受ける機会の確保の在り方など、急速な少子化の進行を見据えた今後の高等教育の在り方について御議論いただく予定でございます。御指摘の大学入学者数の推計でございますけれども、2050年の大学入学者数について、当省におきましては49万9,372名と推計をしております。今後ですね、18歳の人口が減少でございますので、各高等教育機関において学修者本位の質の高い教育というものが展開されまして、社会の中で果たすべき役割、そして機能が実現されていきますように、中央教育審議会において十分に議論を深めていただきたい、そう考えているところです。

記者)
 女性議員の育成・登用についてお伺いいたします。自民党が先月、女性の候補や議員の増加に向けた基本計画を発表いたしました。女性の大臣、議員のお一人としてこの計画をどういうふうに評価されているか、また女性議員が増える意義やその課題についてお考えがあればお聞かせください。

大臣)
 自民党内でですね、での議論ということは承知をしておりますが、大臣としての見解というのはちょっと差し控えさせていただければと思います。その上で、一女性議員としてはですね、やはり自民党が目指しております女性比率30%ですね、男性に比べて大変少のうございますので、30%まで女性比率を上げていこうという目標を掲げた基本計画を作っていただいたこと、私も女性議員として大変嬉しく思っております。特にジェンダーギャップ指数の中でも政治分野というのは大変日本は低うございますので、そこのところを考えましてもやはり政策一つ一つにおける女性の意見というものを、やはり反映させていくべきだと思っておりますので、非常に良い取組をしていただいていると思っております。しかしながら、今日決めれば明日から女性議員がどっと増えるということはないので、やはりコツコツとですね、地方議員も含めまして国会議員等ですね、増えていけばよろしいかなと思っています。やはり人口の半分は女性でございますので、その女性の意見をですね、政治分野でしっかりと広げるということをもって日本の国内もだいぶ様子も変わってくるし良い政策ができるのではないかなというふうに考えておりまして期待をしております。

記者:TBSテレビ)
 国立大学におけるハラスメントに関する調査ついて伺わせてください。現在調査中だと思いますが、できるだけ早く公表されるということで公表の目途など、現状について伺えますでしょうか。

大臣)
 教育機関であります大学においてですね、学生に対する性暴力等が生じることはやはりあってはならないと考えております。文部科学省では、昨年11月にすべての大学に対しまして、大学等の構成員は学生に対して性暴力等を行ってはならないことや、またその防止のために各大学で取り組むべき事項について、通知をしております。各大学におきまして、性暴力等の防止に向けました体制整備が確実に行われていることがですね、重要でありまして、本通知で新たに示しました取組の実施状況を速やかに把握するために、まずは国立大学を対象にいたしまして、性暴力等の行為者への厳正な対処ですとか、あと教員採用段階におけます懲戒処分歴ですね、などの確認等について、6月に調査を開始をいたしまして、現在集計中でございます。文部科学省といたしましては、調査結果がまとまり次第ですね、各国立大学へまた周知をいたしまして、より一層の取組を促してまいりたいと考えております。今お話申し上げましたように集計中でございますので、集計終わりまして公表することは考えておりますので、ちょっとお待ちいただければなと思っております。

(了)

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大臣官房総務課広報室