永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年6月30日)

令和5年6月30日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

国際卓越研究大学の選定状況、北海道白滝遺跡群出土品の国宝指定等、岸田総理からの面談時における指示、旧統一教会への報告徴収・質問権行使、送迎用バスへの安全装置の装備状況の調査結果、学校現場でのAI利用に関するガイドラインの検討状況

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年6月30日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年6月30日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年6月30日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私からは本日、発言はございません。

記者)
 国際卓越大学について質問させてください。今、認定校の候補について文部科学省が東京大学と京都大学、東北大学の3校に視察する方向であると、事実上、絞られたというふうに認識しています。その中で10校今回、申請があったと思いますが、その3校に対して視察、そして絞り込みをかけた理由について教えていただけますでしょうか。

大臣)
 大学ファンドの支援対象となります、国際卓越研究大学の選定に向けましては、4月から有識者会議による審査を行っております。有識者会議におきましては、書面審査に加えまして、大学側との丁寧な対話を実施する方針を踏まえまして、申請がありました全10大学に対して、面接審査を実施をいたしました。有識者会議におきまして、議論の結果ですね、研究現場の状況等を把握するために、7月に、3大学に現地視察を行うこととしたと、そういうふうに承知をしております。今後ですね、面接審査や現地視察の結果等も踏まえまして、有識者会議におきまして審査を続けて、今年の秋頃にはですね、国際卓越研究大学の認定候補を選定をいたしまして、その理由とともに公表する予定としております。引き続きまして、大学側との会話を通じまして、変革への意志と将来構想を引き出し、挑戦をですね後押ししていただきたいと考えております。そして、絞り込んだと言われましたがそんなことはなくて、現在はまだ審査過程の途上でございますので、今後ですね、面接審査や現地視察の結果を踏まえまして、有識者会議において審査を続けて、大学ファンドの運用状況も勘案しながらですね、今年の秋頃に候補を選定し、そして公表するという予定にしております。

記者)
 27日付けで官報で北海道の白滝の黒曜石も含めた4件が国宝に指定されました。それについての大臣の所感と今後の活用方法など、もしお考えがあればお聞かせください。

大臣)
 昨年の11月18日に、文化審議会から、美術工芸品4件を国宝に、また47件を重要文化財に指定をすることにつきまして答申を受けておりましたけれども、先日の6月27日ですね、これらにつきまして官報に告示をされました。これによりまして、わが国の美術工芸品の国宝指定は906件、そして重要文化財指定は10,872件になります。今回新たにですね、国宝に指定されたものといたしましては、北海道白滝遺跡群出土品、またもう一つ言わせていただきますけれども、藤原定家筆の更級日記などがございまして、これら新たに指定されました貴重な文化財を通じまして、わが国の歴史や文化への理解、これが一層深まることを期待をしてまいりたいと思っております。また北海道の白滝遺跡群出土品につきましては、やはり約1万5千年前から3万年前の遺物でございまして、わが国で最も古い国宝となります。これらの出土品からは、この時代の石器の変遷を明瞭に追うことができるものでございますので、同種の遺物の中では石器の内容・質量とも群を抜いているものと聞いております。

記者)
 幹事社質問に関連して、卓越大の3大学を現地視察すると、なぜその3大学の現地視察が必要だとご判断されたのか、その点について可能な範囲で理由をお聞かせください。

大臣)
 これはですね、まだ審査過程の途上でございますので、今後ですね、面接審査、現地視察の結果を踏まえて、有識者会議において審査を続けて、秋頃に結論を出すということで、先ほどと変わらないんですけれども、やはり研究現場の状況等を把握するためには7月に視察を行うことを承知しておりますけれども、それだけです。これは視察をするということで決まっておりますのでそれは変わりません。

記者)
 火曜日の閣議の後に総理から各閣僚に個別に指示があったという報道があったんですけれども、その翌日にも大臣は官邸で総理と面会されていたかと思うんですが、それも含めて何か、どのような指示があったかというのを教えてください。

大臣)
 6月27日の閣議後でございますが、各閣僚順番に総理と面会をさせていただきました。その時はですね、国会は終了したけれどもやはりこの夏、文部科学行政も様々な課題が山積しているので、夏に向けて、より一層頑張ってくれるようにと、そういう御指示をいただきました。次の日のことでございますが、それはですね、文化庁関係なんですけれども、これからの世界遺産に向けたいろいろなお話をさせていただきました。全く関連はございません。

記者)
 安倍総理の事件からまもなく1年ということなんですけど、旧統一教会の解散命令請求に向けたことについて何かご指示とか相談とかはなかったでしょうか。

大臣)
 ございません。

記者)
 旧統一教会の関係でお伺いします。6回目の質問書の回答が届いてから約3週間ほど経過しました。7回目の質問権行使について現状のお考えをお聞かせください。また解散命令請求の判断について今後の見通し、時期の目安がありましたら教えてください。

大臣)
 今後の見通しにつきましてですが、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。まず旧統一教会から提出されました資料、これをしっかりと確認する必要があると考えております。いずれにいたしましても、報告徴収・質問権の効果的な行使等を通じまして、旧統一教会の業務等に関しまして具体的な証拠ですとか資料などを伴います客観的な事実を明らかにするための丁寧な対応を着実に進めまして、その上で法律に則りまして必要な措置を講じてまいりたいと考えております。

記者)
 先日、こども家庭庁のほうから通園バスの安全装置の設置状況について発表があったかと思うんですけれども、今月末時点で55%だったと、幼い子ども達の命を預かる幼稚園などで安全対策が5割に留まったことについて大臣の見解を聞かせてください。また改善に向けた取組についての考えもあればお聞かせいただければと思います。

大臣)
 送迎用のバスへの安全装置の装備につきまして、関係府省令の改正を受けまして、可能な限り本年6月30日までに装備をするように求めてまいりました。こども家庭庁と合同でですね、6月末の時点で装備、それから装備予定の状況を取りまとめ、公表させていただいたわけでございますが、やはりですね、文部科学省関係につきましては、6月の末までに安全装置の装備を完了する見込みの送迎用バスの割合というのは、幼稚園では67.4%、これは約がつきますけども、あと特別支援学校では約45.4%という結果でございまして、本当にまだまだ十分ではないという状況だと思います。やはり子供の尊い命が失われる悲惨な事案が二度と起こることがないように、こども家庭庁とともにですね、引き続きまして、必要な対策はしっかりと進めてまいりたいと、そう考えております。

記者)
 生成AIの学校方針に関してお伺いします。先般、一部報道で指針の案が報じられました。その内容に付随しての質問になってしまうんですけれども、年齢制限の対応方法、具体的な実践事例など、現場が直面するであろう細かな課題への対応については今回まず公表される指針には盛り込まれない、そこまで盛り込まれないという理解でよろしいのかというのと、また中教審の特別委員会での初会合から2か月強ですか、かなりスピード感を持った策定になったと思います。ほかの指針に比べるとかなり早い対応だと思うんですが、この策定を急いだその考えを改めてお聞かせいただければと思います。

大臣)
 学校現場でのですね、AI利用に関しますガイドラインにつきましては、今最終段階の取りまとめに向けまして詰めの作業を行っているというところでございまして、来月早々にはですね、やはり公表したいと考えております。やはり夏休み前にしっかりと公表したいとそういう気持ちで今急いでもらっております。ガイドラインはですね、学校現場が活用の適否について適切に判断するための視点ですとか具体例というものは提供するとともにですね、特に長期休業中の課題等についての考え方も盛り込みたいと考えております。また、個人情報保護ですとか教育情報セキュリティ、それから著作権の保護の観点もお示ししたいと考えております。またやはり年齢制限がございます。チャットGPT等には。そういうことも含めまして、詳細については今のところはですねコメントすることは差し控えさせていただきたいとは思っております。しかしその上で申し上げれば、やはり生成AIを子供に直接利用させる上ではですね、利用規約の遵守はもとより、子供に、生成AIの性質やその限界、それからメリット・デメリットがありますよということを知らせなければいけないですし、また全てAIに委ねるのではなくて自己の判断や考えが必要であることなど事前に十分理解をさせることですとか、発達の段階等を踏まえて生成AIを活用した教育活動が可能であるかどうかの見極めというのが重要であると考えております。

(了)

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