永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年6月16日)

令和5年6月16日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

日韓文化大臣会談、「能登半島北東部陸海域で継続する地震と災害の総合調査」への助成、国際宇宙ステーション(ISS)油井亀美也宇宙飛行士長期滞在、改正活火山法の成立、学校現場における生成AI利用のガイドライン、幼稚園の教員の配置基準、大阪府吹田市における児童生徒の国歌斉唱の実態に関する調査

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年6月16日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年6月16日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年6月16日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、冒頭、私からは3件ございます。
 1件目でございます。昨日15日になりますが、韓国の文化体育観光部のパク・ボギュン長官とオンラインで会談をいたしました。今回の会談は、先般行われました日韓首脳会談におきまして、今後幅広い分野で交流を深めていくとされたことを受けて行われたものでございます。会談の概要につきましては、後ほど資料を配布をいたしますけれども、今後の日韓文化交流の発展につきまして意見交換を行いまして、交流の具体的内容につきましては、引き続きまずは事務レベルで協議をしていくということでパク長官と一致をいたしました。日韓文化交流の拡大に向けまして、引き続きまして両国間の連携を強化してまいりたいと、そう思っております。
 2件目でございます。石川県の能登半島の地震活動の原因解明に向けまして、更に調査研究を進める必要があるために、能登半島北東部陸海域で継続する地震と災害の総合調査に対しまして、昨年度に引き続き、科研費の特別研究促進費により助成をすることといたしました。本研究の成果が地域の防災対策に貢献することを期待をしているところでございます。
 3件目でございます。宇宙航空研究開発機構JAXAでございます。JAXAの油井亀美也宇宙飛行士が、ISSの長期滞在搭乗員に指名をされましたので、御報告申し上げます。油井宇宙飛行士は2015年に続きまして今回が2回目のISS搭乗となります。ISS長期滞在は2024年頃を予定をしておりまして、具体的な時期につきましては未定と伺っております。本日11時半より、JAXAによる油井宇宙飛行士の記者会見が予定をされておりますので、詳細のほうはそちらを御覧いただければと思います。文部科学省といたしましては、油井宇宙飛行士が我が国の宇宙開発の発展に貢献して、そして国民の皆さまに夢を与えるという活躍をされるということを大変期待をしております。
 以上でございます。

記者)
 先日、活火山法が改正されたと思いますが、その法改正で期待されることを教えていただきたいのと、大臣の意気込みをお伺いできればと思います。

大臣)
 14日に、活動火山対策、活火山ですね、活火山の対策のさらなる強化を図るために、議員立法によりまして、活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律が成立をいたしました。この改正法は、火山の観測・調査研究を国として一元的に推進する火山調査研究推進本部の設置ですとか、地方自治体と連携をした火山専門家の育成と継続的な確保などについて定められております。本改正では、文部科学省が今後果たすべき重要な役割が示されておりまして、文部科学省といたしましては来年4月の法改正の施行に向けまして、関係省庁一体となりまして、必要な体制整備や人材の育成・確保などについてしっかり検討してまいる所存でございます。

記者)
 学校での生成AIのガイドライン作成について伺います。夏までに公表するとされていましたが、公表目途やどういった内容か決まっているか見通しがあれば教えていただきたいと思います。東京都教育委員会が13日付けで夏休みの宿題に使用しないようになどガイドラインを公表されましたが、それについても伺いたいと思います。

大臣)
 生成AIの取扱いにつきまして東京都が通知を発出したことは承知をしております。現在ですね、文部部科学省では、人工知能や教育工学の研究者、そして学校現場の先生方を含みます多くの有識者の方々からのヒアリングを踏まえまして、ガイドライン策定に向けた詰めの作業を行っているところでございます。ガイドラインでは、学校現場が活用の適否について、適切に判断するための視点、また具体例を提供するとともに、個人情報保護ですとか、あとは教育情報セキュリティ、そして著作権保護の観点も示していく必要があるのではないかと考えておりまして、現時点で具体的な公表日までは申し上げられませんけれども、いずれにいたしましても、夏季休業中の課題への対応の検討に間に合うように、可能な限り早く公表したいと、そう考えている次第でございます。

記者)
 先日、閣議決定されましたこども未来戦略方針の関係で伺いたいんですけれども、この中で保育施設及び認定こども園、幼稚園に関しまして4歳児・5歳児の教職員の配置基準ということで25対1というのが示されていたかと思うんですけれども、これはおそらくこども・子育て支援新制度に移行した場合だとこういうことになるというお話だと思うんですが、一方で幼稚園の設置基準のほうで35対1というのがあるということで、25対1と35対1、これまでも差があったわけで、もちろん義務教育ではないという点は考慮すべきだと思いますけれども、これだけ差が出てくるということに関して整合性を大臣としてどのようにお考えなのかというのと、今後、幼稚園教諭の配置に関して何かお考えがあればお聞かせください。

大臣)
 幼稚園におきましては、幼稚園設置基準によりまして1学級幼児数は35人以下と、これが原則といたしまして、各学級に少なくとも専任の教員等を一人置くということになっております。また、子ども・子育て支援新制度に移行しております幼稚園につきましては、保育園等と同様にですね、3歳児は15人に1人、4・5歳児は30人に1人の教員人件費を助成をしているところでございます。各園におきまして、副担任の配置ですとか少人数学級の編成等に活用されていると、そういうことになっております。幼稚園の学級編成基準の改正につきましては、幼稚園教諭の人材確保の観点なども踏まえた検討が必要と考えておりまして、文部科学省といたしましては、引き続きましてこども家庭庁と連携をして、幼稚園等におけます体制の充実に努めてまいりたい、そう考えております。

記者)
 現段階で35対1というのをたちまち見直すということまでは考えてはいないということでしょうか。

大臣)
 それはですね、やはり今の保育園のほうがですね、それからこども園のほうも、それから幼稚園のほうもなかなか先生がいらっしゃらないという現実があります。それをここでやるんだということを声高に言いましてもなかなか難しい状況があろうかと思いますので、そこら辺も含めまして、こども家庭庁とですね、一緒になって連携しながら体制の充実に努めてまいりたい、そう考えております。

記者)
 宇宙飛行士に油井さんが決まったという点について伺います。具体的なスケジュールは未定ということですけど、ぐれくらいの期間ISSに滞在するのかということ、あと今回搭乗する宇宙船はどこの国のどんな宇宙船なのかという点、あと油井さんと言うと中年の星というイメージがあるんですけど、中年の星という点については大臣、どのように期待されていらっしゃいますでしょうか。

大臣)
 今いろいろご質問いただきましたけれども、私がお答えできるのは中年の星ということに関してぐらいかなと思っております。先ほども申し上げましたけれども、本日11時半よりJAXAによりまして油井宇宙飛行士の記者会見が予定されておりますので、詳細のほうはそちらで伺っていただければと思いますが、やはり油井さん、中年ということで、大変皆様方も含めまして私も含めまして、やはり宇宙に本当にたくさんのいろいろな方が頑張れば行けるんだということをね、私達国民に示していただけるという点では大変、中年だけではなくて日本人の誇りというふうに思っていけるのではないかと思っております。非常に嬉しい限りでございます。頑張っていただきたいと思います。

記者)
 先日、大阪府吹田市の教育委員会が全ての私立小中学校を対象に児童生徒が君が代の歌詞を暗記しているかどうかの調査をしていることが明らかになりました。教育委員会としては、国からの依頼を受けての調査で学習指導要領等を照らし合わせた時に調査が必要だと判断をしたということですけれども、その適否について、一部教職員から思想の内心に関わってくるということで反発も出ています。それについて大臣としての見解を教えていただけますでしょうか。

大臣)
 ご質問の件につきましては、報道により承知をしておりますが、それ以上の詳細な把握はしておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。その上で、一般論として申し上げますけれども、学校におけます国歌「君が代」の指導につきましては、学習指導要領におきまして、社会科や音楽ですね、特別活動を通じまして、児童生徒が我が国の国歌の意義を理解し、そしてそれを尊重するとともにですね、諸外国の国歌も同様に尊重することや入学式とか卒業式におきまして国歌は斉唱するように指導することとなっております。こういった学習指導要領の規定に基づきまして、各学校において適切に指導を行っていただきたいというふうには考えております。

(了)

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