永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年6月9日)

令和5年6月9日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

統合イノベーション戦略2023の決定、フュージョンエネルギーの実現、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の原案、小学校高学年の教科担任制の推進、GIGAスクール構想の端末更新

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年6月9日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年6月9日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年6月9日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

記者)
 昨日、「統合イノベーション戦略2023」の了解が得られたということで官邸でやられたと思うんですけれども、それに対して文科省が注力する点と、今回の策定に関しまして大臣の所感をお伺いさせていただければと思います。

大臣)
 昨日の総合科学技術・イノベーション会議におきまして、「統合イノベーション戦略2023」が決定をされました。文部科学省といたしましては、同戦略を踏まえまして、価値創造の源泉となる多様な人材への支援ですね、そして活躍促進、そして国際卓越研究大学や地域中核・特色ある研究大学など、多様な研究大学の振興、そして急速に進展しているAIの開発力の強化、それからフュージョンエネルギー等の、戦略的に重要な技術領域における優位性の確保など、引き続きまして、科学技術立国に向けた取組というものをしっかりと推進してまいりたいとそう考えております。

記者)
 先日公表された骨太の方針案にGIGAスクール構想の1人1台端末を国費で措置するという文言が盛り込まれませんでした。そのことの受け止めと、国のお金で端末の更新費用を措置することについての意義、大臣のお考えを教えてください。

大臣)
 昨日開催されました自民党の文部科学部会におきまして、GIGAスクール構想で整備されました1人1台端末の端末更新を国費で進めるべきとの内容を、骨太の方針に盛り込むべきという意見が多く出されたという報告は受けております。GIGAスクール構想というのは、やはり国がですね主導して進めてきたものでございまして、令和の日本型学校教育の基盤となるものだと考えております。早いところでは、令和6年度に端末の更新を迎える自治体もございますので、骨太の方針にですね、必要な内容がしっかりと盛り込まれるように、調整にしっかり当たってまいりたいとそう考えております。

記者)
 同じく骨太の方針の原案の関係なんですけれども、教員の働き方改革ですとか今おっしゃられたGIGAスクール構想の話ですとか、あるいは給食費の無償化に関する課題整理等、いろいろと入っているわけですけれども、来年度の予算編成で必要となるもの、それから複数年度、今後もう少し先を見据えていくことになってくる予算といろいろあると思うんですけど、いずれもかなりの予算規模で必要になるものなのかなというふうに考えております。財務省等との折衝がかなり厳しいものが毎年あるわけですけれども、その点、こういった予算の確保に関してどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、現時点での大臣のお考えをお伺いいたします。

大臣)
 やはり骨太方針について、今現在与党のほうとの調整中であるとそういうふうに承知をしております。給特法の在り方も含めまして教師の処遇改善についてはですね、教育の質の向上を図るために、学校における働き方改革の更なる加速化、学校の指導・運営体制の充実とあわせましてね、これを一体的に進めていくこととしているわけでございます。また、GIGAスクール構想で整備された1人1台端末これは、個別最適な学びと協働的な学びを実現するために必要な必須のツールでございまして、端末更新が、その持続的な推進のためにも不可欠であると考えております。やはり文部科学省といたしましては、骨太方針も踏まえまして、引き続きですね、教師を取り巻く環境整備、またGIGAスクール構想の更なる推進のために必要な予算というのはしっかりと確保してまいりたいとそういうふうに考えているところです。

記者)
 骨太の方針で三つ目で恐縮なんですけれども、教科担任制のことについて伺いたいと思います。大臣の言及がありました昨日の自民党の文部科学部会で原案についてさらに追記したいものとして小学校高学年の教科担任制の拡充というのを出してきたんですけれども、この教科担任制は教員にとってみれば授業のコマ数が減っていくという意味で働き方改革に非常に資するものだと思うんですが、現在、文部科学省は4年計画でそれを進めている最中です。これを計画の途中で拡充するということなんですけども、具体的にどういうことをやるのか、例えば少し計画を前倒しでやるとか、もしくは低学年に拡大するとか、対象となる教科を拡大するとかいくつか考え方があると思うんですけども、大臣は現時点でどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 昨日でございましたか自民党の文部科学部会で、小学校の高学年の教科担任制を強化すべきと、そういう内容は、骨太の方針に盛り込むべきという意見が出たという報告は受けております。小学校の高学年の教科担任制につきましては、教育の質の向上とやはり学校におけます教師の働き方改革の両方の観点から、非常に効果的な取組とそういうふうに考えております。このために、文部科学省といたしましては、令和4年度から今おっしゃってくださいましたように4年程度かけまして小学校の高学年の教科担任制の取組というのをやはり段階的に進めていることころでございます。来年度の概算要求におけます対応につきましては、やはり具体的に申し上げる段階ではございませんけれども、骨太の方針に必要な内容がしっかりと盛り込まれますように、調整にあたってまいりたいとそう考えております。

記者)
 統合イノベーション戦略についてお尋ねします。フュージョンエネルギーについて、昨日のCSTI本会議での議事に入りましてデモンストレーションを行われました。文科省としてフュージョンエネルギーの推進を今後どのように押していくのか、大臣の意気込みを教えてください。

大臣)
 フュージョンエネルギーはですね、エネルギー問題とそれから環境問題ですね、これを根本的に解決しうる究極のクリーンエネルギーといたしまして、その実現が期待をされているわけです。我が国といたしましては、フュージョンエネルギーの実現に不可欠となる重要な技術を世界に先駆けて確保するために、世界7極の国際協力を実施していますイーター計画、イーターを支援・補完する「幅広いアプローチ活動」などを推進しております。文部科学省といたしましては、昨日の総合科学技術・イノベーション会議におきまして、決定された「総合イノベーション戦略2023」(注)等も踏まえまして、フュージョンエネルギーの実現に向けて取組を一層しっかりと進めていきたいとそう考えております。
(注)「総合イノベーション戦略2023」は、正しくは「統合イノベーション戦略2023」です。

(了)

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大臣官房総務課広報室