永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年4月21日)

令和5年4月21日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

G7に向けた英国キーガン教育大臣とのオンライン会談、「こどもファスト・トラック」、全国学力・学習状況調査、2025PISA英語調査、日本学術会議法改正案

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年4月21日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年4月21日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年4月21日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、私からは冒頭1件ございます。
 19日(水曜日)ですけれども、イギリスのジリアン・キーガン教育大臣とオンライン会談を行いました。5月12日から15日に開催されますG7富山・金沢教育大臣会合への出席を依頼するとともにですね、「コロナの影響を踏まえた今後の教育のあり方」というテーマ案について、意見を交換させていただきました。キーガン大臣からは、テーマ案につきましてご賛同をいただくとともに、日本への訪問を楽しみにしていますというそういうお言葉もいただきました。教育大臣会合の開催及び有意義な意見交換ができますように、引き続きまして着実に準備を進めてまいりたいと思っております。
 以上です。

記者)
 18日にこどもファスト・トラックの導入に向けて関係府省会議が行われました。この会議について報道されると、世論の反応としては子どもを持たない層からはそういうところで子連れが優先されるのはおかしいという反発が結構大きくて、逆に子どもを持つ層からも子連れへのいわゆるヘイトが溜まるのではないかというような懸念する声があって、政府にとっては逆に子どもを持つ人と持たない人の間で分断を招きかねない事態となっております。このような事態をどう乗り越えていくべきとお考えでしょうか。

大臣)
 「こどもファスト・トラック」、色々な意見が出ているということは承知はしております。やはりそうは言ってもですね、事実、子供やまた子連れの方々というのは、やっぱり行動に様々な苦労、制約ですねそういうものが生じやすいと思われます。こども・子育て政策を実効あるものとするためにはですね、行政が責任を持って取り組むことはもとより、子供や子育て中の方々が、気兼ねなく様々な制度やサービスを利用できますように、地域社会、企業など様々な場でですね、年齢、性別を問わず、全ての人が、子供や子育てをされている方々を応援するといった社会全体の意識改革これを進める必要があると思っております。「こどもファスト・トラック」、こうしたこども・子育てに優しい社会づくりのための取組の一環として行うものでありまして、意義のある取組であると考えております。私の中ではですね、皆様、飛行機に乗ったことがあるかと思うんですが、日本国内も、また海外の飛行場でもそうですけれど、一般の乗客の方々が並ぶレーンというのがありますよね。それとともにですね、障害を持った方、それからまたご高齢の方、そして子連れの方々と別のラインがね、できてまして、優先的に乗ることができると、これは飛行機会社、航空会社のスタンダードなんだろうなというふうには思いますが、どこの国に行きましてもこれは共通した取組でありまして、私の中ではこれがグローバルスタンダードなんだよな、飛行機会社の航空会社のと思っております。それがですね、しっかりと日本の国内でも定着をして、そしてこれは子育てに優しい、そしてご高齢や障害を持った方々にも優しい、そういう日本であるというね、そういう取組なんだということが浸透できますように大変私の中では良い取組であると考えております。文部科学省といたしましても、引き続きまして関係機関とともにですね相談しながら、効果的な取組の実施これを促進してまいりたいと考えております。

記者)
 前回に引き続き学力テストの話で恐縮なんですが、前回は当日でしたので、今日伺いたいのはその日に公表されました問題についてのことなんですけれども、4年ぶりの実施になった英語をはじめ、英語では資料を活用して問題文の趣旨をちゃんと読み込んで英文の自分の意見をちゃんと書くというところの出題が目立ったように感じました。英語だけではなくて今回の問題全体を通して大臣ご自身の受け止めをお聞かせいただければと思います。

大臣)
 これはですね、令和5年度の全国学力・学習状況調査につきましては、4月18日に無事に実施することができました。本調査の実施に当たりまして、各教育委員会及び学校等に多大なるご協力をいただきましたこと、改めて感謝を申し上げたいと思っております。18日分の実施分ですね、18日の実施分につきましては、現在、解答用紙等の回収を進めておりまして、採点・集計のプロセスに入っているところでございます。文部科学省といたしましては、今回の調査結果を今後の教育指導の改善・充実ということに役立てられますように、しっかり分析をしてまいりたいと考えているところでございます。

記者)
 特に問題に関してのご所見もあればお願いします。

大臣)
 18日の実施分につきましては無事に実施を終えておりますけれども、まだ終わったばかりであまり情報が上がってきておりませんので、ぜひ担当の者にですね、後ほど聞いていただければと思っております。

記者)
 OECDが次回実施予定のPISAの英語力の調査について文科省として不参加の回答を送られています。参加によって英語教育の参考となる知見を得られる可能性もあったとは思いますが、不参加を決められた理由と今後、次回以降の参加についての考え方についてお聞かせください。

大臣)
 ご指摘のPISAの2025「外国語(英語)調査」はですね、主要の3分野の調査に加えまして実施をされます「オプション調査」でございまして、参加はですね各国の任意ということになっているところです。このオプション調査につきましては、PISA2025への参加が想定されます約80か国の方々が参加されるであろうということですけれども、ヨーロッパを中心にですね20か国程度しかこの英語の調査というものには参加をしません。特に、言語環境ですとか社会文化的背景が似通ったアジアですね、私たちはアジアでございますので、アジアの国々(注)につきましては、台湾しか参加を表明していないということがございます。本調査の継続的な実施が確定的ではないということもありますし、また仮にですね、調査を実施するということになりましても、次回やはり調査というのは2033年となっていることがあります。また学校や生徒への調査結果の返却がないということもありましてそんな中でですね、この調査の参加によって学校側の負担が更に増加をいたしまして、調査実施校の確保というものが難しくなる恐れがあることなどから、本調査の結果から得られる我が国の英語教育の改善に向けた政策的示唆は多くないと考えられまして、参加をしないことといたした次第でございます。本調査が継続して実施されるかどうかというのは現時点では確定的ではございませんけれども、今後につきましては、今回の実施状況ですとか次回以降ですねの調査のスケジュールなども踏まえて検討はしてまいりたいというふうには考えております。
(※)「アジアの国々」は、正しくは「アジアの国々や地域」です。

記者)
 日本学術会議に関して伺います。会員の選び方などを変更する法改正案について政府は昨日、今国会への提出を見送ることを決めましたが、このことについて学術を所管する文部科学大臣としての受け止めをお願いします。

大臣)
 昨日、内閣府の後藤大臣が記者会見におきまして、今国会への日本学術会議法改正案の提出を見送るということを発表したと承知はしております。日本学術会議法の改正案につきましては、内閣府におきまして検討が進められてきたものと承知をしておりますので、文部科学省といたしましてはコメントは差し控えさせていただければと思っております。今、学術ということも質問でございました。本件はですね、内閣府が所管をする日本学術会議という組織のあり方に関する議論と承知をしておりますので、ということで今はコメントできないと申し上げたわけなんですけれども、学術のあり方につきましては個々の研究者の内在的動機に基づき行われる「学術研究」の卓越性・多様性は、「基礎研究」と並びまして、価値創造の源泉でございます。国家の基盤的機能といたしまして、これらを維持・強化をすることが不可欠でございます。文部科学省といたしましては、引き続きましてこれらの発展にしっかりと努めてまいりたいと考えております。

記者)
 今おっしゃったように日本の学術の発展に文科省も取り組んでいると伺いましたが、その中で政府と学術界の今の関係というところは私はあまり健全ではないと感じたんですけれども、大臣はそういった政府と学術会議の関係の改善の必要性というのはどのように感じていますでしょうか。

大臣)
 ただ今もお話申し上げましたけれども、内閣府が所管をする日本学術会議という組織ですね、学術会議の組織のあり方に関する議論につきまして内閣府がしっかりとやっていただけると、そういうふうに思っておりますので、文部科学省といたしましてはそれに対してコメントすることは控えさせていただきたいと思っております。

(了)

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