永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年4月18日)

令和5年4月18日(火曜日)
教育、その他

キーワード

令和5年度全国学力・学習状況調査、大学・高専機能強化支援事業の公募開始、児童生徒等の痴漢被害への対応、靖国神社における春季例大祭

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年4月18日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年4月18日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年4月18日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、今日は私から2件ございます。
 本日、小学校6年生、中学校3年生の全児童生徒を対象に、令和5年度の全国学力・学習状況調査を、実施いたします。全国の学校・教育委員会等におかれては、本調査にご協力をいただき、誠に感謝をしているところでございます。今年度の調査では、毎年度実施をしております国語、算数・数学に加えまして、中学校で英語を実施いたします。これは、4年ぶり2度目のことでございまして、「聞くこと」「読むこと」「話すこと」そして「書くこと」の4技能を調査をいたします。このうち、中学校におけます英語「話すこと」調査につきましては、教科調査では初めて1人1台端末を用いましたオンライン方式により実施をいたします。また、児童生徒の質問紙調査のうち約80万人につきましても、オンライン方式により実施をいたします。本調査の目的は、国や教育委員会の施策や、児童生徒一人一人への教育指導の改善・充実につなげることでございます。まずは、本日の調査が円滑かつ確実に実施されますように、全国の学校、教育委員会等と適切に連携をいたしまして、対応に万全を期してまいります。
 2件目でございます。成長分野をけん引いたします大学・高専の機能強化を図りますために、令和4年度第2次補正予算におきまして3,002億円の基金として措置されました「大学・高専機能強化支援事業」につきまして、実施主体でございます大学改革支援・学位授与機構において、本日より公募を開始をいたします。本事業は、複数年度にわたります継続的な支援を行う仕組みを構築することによりまして、意義(注)ある大学・高専がデジタル・グリーン等の成長分野において学部再編等の改革に踏み切れるよう支援をするものでございます。大学・高専におかれましては、積極的・意欲的にご検討いただきまして、本基金を活用して機能の強化を図っていただきたいと考えているところでございます。
 以上です。
(注)「意義」と発言しましたが、正しくは「意欲」です。

記者)
 今お話のあった学テなんですけれども、今回初めてCBT調査をやるということで効果ですとかメリット、期待、あとどんなトラブルが懸念されるか、その辺りをもう少し詳しくお願いします。

大臣)
 全国学力・学習状況調査のCBT化はですね、現在専門的・技術的な観点から検討を行っているところでございます。CBT化によりまして、将来的にはその特性・利点を生かした出題等が期待される一方でですね、全国学力・学習状況調査のような大規模な調査をオンライン方式で実施をする場合には、やはり学校などのネットワークへの負荷というものが懸念されるところでございます。こうした点も踏まえまして、今年度の全国学力・学習状況調査の中学校の英語「話すこと」調査につきましては、CBT化に向けた工程の一部と位置づけまして、各中学校の実施日を分散してオンライン方式で実施することといたしました。今回の調査を通じて明らかになります成果や課題を踏まえまして、全国学力・学習状況調査の今後のCBT化にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

記者)
 2問伺いたいんですけど、一つは痴漢被害の撲滅に向けた対策で、文科省のほうは政府全体のパッケージの一環として被害申告をする際に欠席になってしまうんじゃないかとか考えてためらうことがないように、そういう不利益な扱いがないようにする通知だと思うんですけど、痴漢の被害に悩まれている児童生徒さんにとって非常に重要だと思うので大臣のほうからも改めて通知の内容ですとかメッセージなんかをいただければなと思います。もう一つは毎年恒例で伺って恐縮なんですけも、靖国神社で春の例大祭が今度、行われると思うんですが、閣僚の一人として参拝にいかれるご予定ですとか、真榊(まさかき)の奉納のご予定ですとか、個人的な判断をお答えいただければなと思います。

大臣)
 それではまず靖国神社につきまして、参拝するか否か、また真榊(まさかき)を奉納するか否かということにつきましては個人として適切に判断をしてまいりたいと思っております。
 痴漢被害に遭う子どもたちへということでございますが、やはり政府では、様々な痴漢対策の取組が行われてまいりましたけれども、被害は後を絶ちません。そして抜本的な痴漢対策を求める声というのが高まっております。このような状況を踏まえまして、関係省庁において、今年の3月30日に「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」を取りまとめました。同日、文部科学省といたしましては、教育委員会や大学等に対しまして、痴漢被害による遅刻、又は欠席をした場合について、児童生徒等が不利益を被ることのないよう適切に対応を求めることのほか、通学路におけます安全確保と安全教育、性犯罪・性暴力の当事者にさせないための「生命(いのち)の安全教育」、また学校におけます相談体制の充実、そして被害に遭った受験生など受験機会の確保などの取組の一層の強化をお願いをいたしました。痴漢は、重大な犯罪であります。本当に重大です。個人の尊厳を踏みにじる行為でございますし、また、断じて許すことはできません。本当に被害者は全く悪くない、そう思っております。児童生徒の皆さんもですね、もし痴漢被害に遭ってしまった場合は、ためらわず、安心できる大人、近所にいる大人にですね、相談していただきたいなというふうに思っております。

記者)
 全国学力・学習状況調査の件でお伺いいたします。今後、調査のデータを今後どのように利活用していきたいか、教育施策と学校現場の二つの観点からお願いいたします。

大臣)
 全国学力・学習状況調査の結果につきましては、これまでも教育政策の改善・充実に生かしてまいりました。例えばですね、国において、学習指導要領の改訂の際に、本調査によって把握されました課題などをエビデンスとして活用しておりますし、教育委員会におきましては、本調査の問題とデータを活用した教員研修を実施するなどしております。また、学校におきましても、本調査を通じまして、一人一人の児童生徒のつまずきですとか、学校全体としての課題を把握いたしまして、日々の教育指導の改善・充実につなげていただいております。文部科学省といたしましては、本調査の結果を活用いたしまして、教育に関する継続的な検証の改善、そのサイクルの確立に努めてまいりたいと思っております。

記者)
 学力テストの話なんですが、先ほど大臣がおっしゃったように英語に関しては読むというところで、前回調査では特に話すとか書くといったアウトプット系の能力の部分の正答率が低かったのが大きな課題としてあると思うんですけども、この4年間で文科省としてはその観点も踏まえてどのような必然性というか、観点で英語教育というところを改善を図ってきたのか、その認識の部分を伺えればと思います。

大臣)
 色々とご質問ありがとうございます。英語力の向上に向けてどうやったらよろしいのかということだと思っております。グローバル化が本当に急速に進展をしております。英語によりますコミュニケーション能力の育成というのは喫緊の課題でございまして、現行の学習指導要領においては、新たに小学校の3年・4年ですね、外国語の活動を導入しまして、外国の音声とかですね、あと基本的な表現に慣れ親しませることとしております。中学校・高校の英語の授業というのはやはり「英語で行うことを基本」としておりまして、英語教育の充実、これを図っております。こうした学習を支えます、デジタル教材の配布ですとかALTの配置充実、それから教師へのオンライン研修の実施などの施策を実施しているところでございます。さらにですね、政府において、グローバルに活躍をできる人材の育成というものに向けて議論が進められておりまして、「次期教育振興基本計画」に関する中教審の答申ですとか、あと教育未来創造会議の「第2次提言」、素案でございますが、におきましても、英語力の目標値ですとか必要な施策というのが盛り込まれているところでございます。文部科学省といたしましては、引き続きまして学習指導要領の着実な実施を図るとともに、これらの提言などを踏まえまして、しっかりと英語力の向上、そしてグローバル人材の育成に向けましてこの取組、これを一層充実をしていかなければいけない、そういうふうに考えているところです。

(了)

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