永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年3月22日)

令和5年3月22日(水曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

第95回記念選抜高等学校野球大会における開会式・始球式/大島商船高等専門学校の視察、南極地域観測隊の帰国、NHK高校講座「情報I」の放送開始、高等教育費の負担軽減、千葉県の新人教員向け冊子、高校野球のパフォーマンスへの高野連の対応、都道府県教育委員会に対するマイナンバーカードの申請情報等、全国の公立小中学校給食費の無償化方針、ワールド・ベースボール・クラシック、総理のウクライナ訪問

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年3月22日(水曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年3月22日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年3月22日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から3件本日はございます。
 まず1件目でございます。先週末ですが、18日に阪神甲子園球場で第95回記念の選抜高等学校野球大会の開会式に出席をいたしました。翌19日には山口県周防大島町にあります大島商船高等専門学校の大島丸、これは練習船ですけれども大島丸の竣工記念式典に出席をいたしました。甲子園ではそれぞれ4年ぶり、全出場校ですね、36校の選手が揃いまして明るく希望に満ちた姿、そして堂々とした入場行進を拝見いたしまして、力強い選手宣誓に大変感銘を受けました。私もちょっと恥ずかしながらですね、始球式も行いまして、高校球児にとっての夢の舞台に立たせていただくことで、その雰囲気を本当に味わうことができまして大変感激をいたしました。あとですね、大島商船の高等専門学校では、感染症対策や女子学生の専門エリアですね、そういう様々な配慮が施されました最新鋭の練習船を拝見することができました。本当に海洋立国日本をですね、支える海洋人材の育成の重要性というものを強く認識をいたしました。今回の出張を受けまして、私といたしましては、本当に夢を持った若者が、それぞれを実現するために本当に必要な支援、そして環境整備にこれからもですね、しっかりと取り組んでいきたいと決意を新たにしたところでございます。
 2件目でございます。南極地域観測隊の第63次の越冬隊と第64次の夏隊が、本日の夜に帰国をする予定でございます。当初の計画通り、100万年以上前の南極の空気を含んだ氷の掘削、これを行うための拠点建設や、また昭和基地の設営などを遂行することができました。関係者皆さまの努力に感謝をいたします。引き続きまして、南極地域の観測隊の活動に期待をしているところでございます。来月には帰国した観測隊長、「しらせ」の艦長からもですね、直接御報告をいただく予定でございますので、楽しみにしているところでございます。
 3件目でございます。今年度から高等学校で必修(注)の科目となります「情報Ⅰ」に関しまして、この度、NHKと連携をいたしまして、「NHK高校講座 情報Ⅰ」が制作をされ、3月24日の金曜日午前10時からEテレで放送開始の運びとなりました。制作に当たりましては文部科学省も全面協力をしております。この番組では、現役高校生でもあります日向坂46の正源司陽子さんに加えまして、お笑いコンビ「マヂカルラブリー」の野田クリスタルさんが出演をしていらっしゃいまして、ゲーム作りにチャレンジするなど、「情報Ⅰ」を楽しく実践的に学べる内容となっております。文部科学省では、この番組を高校の授業や家庭学習、教員研修などで積極的に活用するよう促すなど、高等学校におけます情報教育の更なる活性化に生かしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
(注)「必修」と発言しましたが、正しくは「必履修」です。

記者)
 岸田首相が17日の記者会見で奨学金について、結婚や出産などライフイベントに応じた柔軟な返済が可能になるよう考えているというふうに述べました。この件に関して文科省で今後どのように取り組んでいくのか、今話せることがありましたら教えてください。また、自民党を含めて高等教育の負担軽減を求める意見が数多く上がっています。高等教育費の負担軽減のため文科省が進めている取組についてありましたら教えてください。

大臣)
 やはり高等教育は親にとりましても、また本人にとりましても大変負担が重いということ、これはだいぶ言われているところでありますし、私の実体験からも申し上げても大変厳しいなと、高等教育の教育費負担、何とかしなきゃという思いではございます。そんな中で貸与型の奨学金につきましては、出産、子育てなどのライフイベントによりまして一時的にですね、返還が難しくなる場合があると、これは承知をしております。このため、毎月の返還額を減額する制度について、教育未来創造会議の第一次提言等に基づきまして、年収要件を緩和するなど、より柔軟に返還ができるように見直しを進めているところでございます。あわせまして、令和6年度から、給付型奨学金と授業料等減免を併せて行います「高等教育の修学支援新制度」につきまして、多子世帯や理工農系の学生等の中間層への対象、これも拡大をすると共にですね、大学院の修士段階におけます授業料の後払い制度を創設することとしております。これらの取組を通じまして、高等教育費の負担軽減、これを着実に進めてまいりたいと考えております。

記者)
 新しく採用した教員の研修に関することで教えてください。千葉県が新しく採用した教員向けに作っているガイドブックがあるんですけど、これに教師はこうあるべきだということを書いた項目で「忙しいことはありがたいことと考えましょう」、あるいは「忙しいのは自分だけじゃないと考えましょう」など、なかなかちょっと働き方改革に逆行するとも取れるような記述がありまして、学校現場からの指摘を受けて改訂版を出すことになったと、こういったことがございました。これに関する受け止めと、新採用の教員に対する研修についてお考えや取組がありましたら教えてください。

大臣)
 今ご指摘の事案はですね、報道で承知をしておりますが、県における個別の研修教材の個々の記述につきましては、申し訳ありませんけれどもコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。なおですね、千葉県の教育委員会におきましては、この冊子というのは作成から10年、作ったのが2013年と伺っておりますが、これだけ時間が経過をしているためにですね、近々、内容を抜本的に見直した改訂版を出すと、そう伺っております。その上で、これは一般論でございますが申し上げればですね、子供たちの指導にあたります教師は、学校教育の充実・発展に欠かせない存在でありますので、教師の厳しい勤務実態がある中で、学校におけます働き方改革の推進、これは極めて重要であると、そう思っております。

記者)
 先ほど大臣もお話された高校野球に関連してなんですけれども、高校球児がサムライJAPANのヌートバー選手のペッパーミルパフォーマンスを真似てやると高野連側から注意されたという事案がありまして、監督は高校生が楽しんでいる分には何が悪いんだみたいなこともありましたけれども、大臣の見解をお伺いできますでしょうか。

大臣)
 試合に行われた個別の審判のですね、判断につきましては、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、選手の皆さんがですね、これまで積み重ねてきた努力の成果を発揮して、スポーツの楽しさを感じながら、プレーされること、これは大変大会にとって重要でございますので、これは期待をしたいと、そう思っております。

記者)
 だいぶ前になるみたいなんですけれども、マイナカードの普及に関して政府側から文科省のほうに教育委員会等を通じて促進に協力してほしいというようなお願いがあって通知を出されたというような報道がありまして、その事実関係と学校は政府の広報機関ではないのではないかというような批判も出ているようなんですけど、それについての受け止めをいただけますか。

大臣)
 これは昨年の7月のことのようでございます。デジタル庁等からの依頼を踏まえまして、文部科学省から教育委員会等に対して「マイナンバーカードの普及促進に関する情報提供について」という事務連絡を送付をしております。この事務連絡では、マイナンバーカードの申請方法、安全性、メリットなど、マイナンバーカードの理解促進に関する情報提供の呼びかけを行うものでございまして、これ児童生徒のマイナンバーの取得について教師に求めたものではございません。マイナンバーカードの取得につきましては、当然、個人の判断であると認識をしておりますけれども、マイナンバーカードに関しての理解を進めるということは大事であると、そう考えております。

記者)
 先日、自民党のほうで小中学校の給食費の無償化を目指すという発言があったんですけれども、財源の問題もあってなかなかハードルが高いとは思うんですけれども、これに関して今どのようなことを文科省としてはお考えでしょうか。

大臣)
 幹事長のほうからそういう発言があったということはニュースで知っておりまして、こども・子育て支援対策、これ現在の党においてですね、議論が行われているものと承知をしております。御指摘の発言につきましては、詳細を承知してはおりませんので、文部科学省といたしましては、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。政府におきましては、こども政策担当大臣の下に設置されました関係省庁会議において議論を行いまして、与党からの提言を踏まえつつですね、3月末を目途に具体的なたたき台を取りまとめる予定と承知をしておりまして、文部科学省といたしましても、関係省庁と連携をしてまいりたいと考えております。

記者)
 今の給食費の問題に関連して伺いたいんですが、給食費はこれまで基本的に自治体がやるもので国は直接関わってこなかったと思うんですけど、国がそこの支援にコミットしていくということについてはどのようにお考えですか。

大臣)
 今おっしゃいますように、やはり自治体と学校設置者と、それからあとは親御さん・PTAの話し合いでですね、決めていくものと承知はしております。しかしながら、給食費の話になりますとやはりしっかりと給食が提供されているお子さんもいれば、全く提供されていないお子さん、つまりお弁当を持ってきなさいと、そういう地域もあるんですね。ですから日本を挙げてですね、給食費を無償化するということにつきましてはやはり相当綿密な議論が必要だと、そういうふうに考えております。

記者)
 野球関連の質問が続いて恐縮なんですけれども、今、野球の日本代表侍ジャパンがアメリカと決勝戦を今まさに行われているかと思います。

大臣)
 そうなんですけど。今始まったところかなとは思うんですけれども。

記者)
 これまで非常に大きな注目を集めておりますが、これまでの受け止めでしたり、また野球人口の減少が少し叫ばれている中で少年たちに、子供たちにどういった影響を与えていってほしいか大臣からございましたらよろしくお願いします。

大臣)
 久し振りのWBCの大会が現在開かれているわけでして、日本も予選リーグからですね、1敗もせずに全勝で勝ち抜いて決勝まで行っていると、今日は決勝戦、今8時からとニュースで流れてましたけど、ちょっと見られないのが残念ですが、やはりその間日本でもですね、4試合戦ってくれました。そんな中でコロナのこともですね、マスクを球場ではしている人もいればしていない人もいる、でも声援がOKということで非常に盛り上がっていると思います。各地域のテレビを見ながらですね、WBCを堪能している方もいらっしゃいます。個々人の選手のことについては申し上げられませんけれども、やはり久しぶりに日本中が盛り上がる、そういう大会が今できているということは大変嬉しいなと思っておりますし、また日本の選手がですね、それぞれがですね、本当に大リーグへスカウトされるんじゃないかと思うぐらいの素晴らしい活躍をしていらっしゃいますので、そういう点では期待をいたしますし、それから野球というものが素晴らしいものだということをですね、今、日本中の子供たち、また私達も含めてですね、全国民にですね、もっともっと伝えてほしいと、できれば優勝してもらいたいと、そういうふうに思っております。

記者)
 総理のウクライナ訪問に関してお伺いします。内閣の一員ということで今回、国会中で与野党に対して事後承諾になった珍しいパターンだったんですけれども、事前承認の慣例のあり方も含めてどうお考えになっているかというのを教えてください。

大臣)
 インドにご出張ということで閣議でもその話はございました。それが今日、閣議後会見ですので閣議がありましたが、官房長官のほうからはそのお話がございまして納得はいたしました。その前にずっとニュース等で報道等で存じ上げてはおりますし、また所管のほうからも官邸からの報告ということで総理はウクライナにいらっしゃると、そういうことを承知はしておりました。やはり非常にウクライナに行くということは問題のある地域に伺うということですので、やはり総理の身の安全であるとか、また周りの方々のですね、身の安全、そしてきちんと任務が遂行されるかということも含めて大変心配なことではございますが、これが他方に漏れるということがいいのかどうかということに関しましてはやはりある程度秘密裏に行われると、計画もですね、それは納得のいくことなのかなというふうには思っております。

記者)
 ちなみに大臣はいつお知りになりましたか。

大臣)
 ニュース報道です。

(了)

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