永岡桂子文部科学大臣臨時記者会見録(令和5年3月8日)

令和5年3月8日(水曜日)
科学技術・学術

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H3ロケット試験機1号機の打上げ失敗

永岡桂子文部科学大臣臨時記者会見映像版

令和5年3月8日(水曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の臨時記者会見の映像です。

令和5年3月8日永岡桂子文部科学大臣臨時記者会見

令和5年3月8日永岡桂子文部科学大臣臨時記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣臨時記者会見テキスト版

大臣)今日はちょっと遅い時間にお集り頂きましてありがとうございます。本来ですとこういう時間にこちらで記者会見というのはないわけですけれども、私のほうからは昨日の閣議後記者会見におきまして、まだH3ロケット打上げ前でございました。私の中ではその時はどうなるだろうと、成功するかと思っておりましたけれども、その後、直後にですが失敗という報告を受けまして、大変がっかりしたわけでございます。そんな中で昨日は11時に対策本部、これ井出副大臣のほうに頼みまして、立ち上げていただきました。そういうこともありまして、私はH3打上げ後の記者会見をしてないと思いまして、今日は本当にお忙しいところこうやって夜になりましたけれども、皆様がたにお集りいただきました。本当にありがとうございます。
 それではH3ロケット試験機1号機の打上げ失敗につきまして私のほうからお話をさせていただきたいと思っております。昨日、H3ロケットの打上げが失敗し誠に残念でございます。国民の皆様、関係者の皆様の多大なる御期待や支援に添えず、申し訳なく思っております。昨日、対策本部を設置いたしまして、早急な原因究明と対策検討に全力で取り組んでおります。これを踏まえまして本日、有識者会合による調査検討を開始したことをご報告申し上げます。H3ロケットは、我が国の衛星を自ら打ち上げ、また、アルテミス計画といった国際協力を進める上で極めて重要な次の世代を担う基幹ロケットです。我が国の技術力を結集して開発すべきものと考えております。文部科学省として、H3ロケットの成功に向けて開発を進める所存でございます。JAXAやメーカーにおきまして、原因究明の作業が始まっております。この困難を克服して、ともに前を向いて、しっかりと進んでいただきたいと考えている次第でございます。以上でございます。

記者)
 ご説明があったとおり、原因究明が進められている中ではありますけれども、やはり、打ち上げが控えているH2Aの47号機とか、今後の計画への影響が大変気がかりだと感じております。まだ原因究明中ということでありますけれども、現時点で打ち上げが決まっているものについて、どういった影響があるのかですとか、また現時点でいつを見込んでいるのかを伺わせください。

大臣)まずは、速やかな原因究明というものが必要であるとお考えておりますし、また政策への影響っていうことにつきましては、現時点では予断をもって申し上げることは控えさせていただきたいと思っております。
 一方で、H 3ロケットは日本にとって重要な基幹ロケットでございます。文部科学省、そしてJAXAとしては、引き続きましてH3ロケットの成功に向けて最大限取り組む必要があると、そういうふうに考えている次第でございます。

記者)
 今回積んでいた衛星だいち3号が失われてしまったわけで、防災面で非常に期待をされていた衛星だと思います。これを穴埋めをどうするのか現時点で何か決まっていることがあれば教えてください。

大臣)
 これが「だいち3号」の場合は、H3ロケットに載っておりましたが、これも破壊されてしまいましたので、次に向かってしっかりとですね、対応していただきたいと思っております。これは文部科学省のものではございませんので、そこのところはちょっと申し訳ないんですが。

事務方)詳細は事務方から。研究開発局長でございます。「だいち3号」、今回の失敗で失われたわけでございますが、今のご質問にありました今後どうするかについては関係方面ともよく調整して検討を進めるということになろうかと存じます。

記者)
 2点ありまして、このH 3ロケットの打ち上げ失敗について高市大臣であるとか、岸田総理とか閣僚と何か話をされたかということと、あと、そもそも不勉強で申し訳ないんですけど、このプロジェクトの責任というか、総元締めはどこにあるのかということなんですけども、文科省はJAXAの関係もなんですけど、どういう形で、どういうお立場での御発言なのかなというところで。

大臣)
 私はですか。

記者)
 H3プロジェクトがJAXAのものなのか国のものなのか、どういう関係があるかっていうのをちょっと位置づけがあるかっていうのを教えていただければと思いました。

大臣)
 閣僚との懇談と、会話っていうのは昨日も今日も、予算委員会等ございまして、そういう会話をすることはできませんでした。しかしながら、総理の方はツイッターで対応、気持ちを述べてくださっておりましたし大変嬉しく思っております。そういう中で、プロジェクトチームの責任者っていうのは文部科学省、そしてJAXAも当然ですけれども、メーカー合わせて皆でスクラム組んでやっているということでございます。

事務方)
 補足させていただきます。大臣、お答えしたとおりでございますけれども、文部科学省はJAXAの所管官庁という立場でございますので、H3ロケットの実際の開発そのものはJAXAの方で、させていただいておりますけれども、文部科学省はそれを所管して、指導監督する立場で、予算の措置とかしておりますので、そういった面で責任というか、あると思っております。

記者)
 原因究明については大臣、おっしゃったとおりJAXAによって進められると思います。短期的にはそうでしょうけども、中期的にですね、もし長引くとすると国際競争の中で遅れを取り戻す意味では、打ち上げ期間の短縮というようなことが課題になってくると思います。そうすると射場の整備だとか、保管場所の拡充、インフラの整備、これは国において責任を持って行われることだと思いますけれども、そういったものにどう向き合っていかれるのかという考えをお聞かせください。

大臣)
 先ほどと同じになってしまいますけれども、速やかな原因究明、これがまず必要です。これは速やかにやらなければいけませんし、また政策への影響につきましては、先ほども申し上げましたとおり、現時点では予断を持って申し上げることができないということで差し控えさせていただきたいと思っております。
 しかしながらH3ロケットっていうのは我が国にとって本当にあの基幹ロケットでございますので、文部科学省も、そしてJAXAも、そしてメーカーも引き続きましてH3ロケットの成功に向けて、まずは最大限取り組むというのが必要であると、そういうふうに考えております。

記者)
 すみません、重ねて、原因はJAXAによって改善されることで、私がお伺いしたかったのは中期的にはインフラの整備が必要になっていくのではないかということをお尋ねしたいです。

大臣)
 現在、内閣府を中心にしまして、宇宙基本計画改定に向けた議論が行われております。H3ロケットの開発を進めることも含めまして、これらの関係府省によく状況をお話ししつつ、宇宙開発利用を前に進めていく必要があると、そう考えております。


事務方)
 追加で恐縮でございます。今大臣のお答えになられたとおりでございますが、まずH3ロケットの原因究明をしっかりやる。その上で成功を目指して開発していくわけですが、その先には、年6基の打ち上げを目指していくと。さらにその先に打ち上げの高頻度化、そのためには種子島の施設整備とか、そういったことも必要になってまいりますので、そういったこともしっかりやっていきたいと考えております。


記者)
 今回のH3もそうなんですけれども、10月にイプシロンを失敗し、「おもてなし」も結局通信が途絶えてしまいました。さらにはちょっと別件でははあるんですけれども、古川飛行士に関連する研究不正も先日公表したばかりでございます。それを踏まえてJAXAの研究体制について問題があるかどうか、そのあたりについてお考えあれば、お伺いできますでしょうか。

大臣)
 JAXAおよびメーカーのチームっていうのは、今回のH3ロケットのことに関しましては、2014年のロケット開発開始以降、本当に多くの難しい技術課題を乗り越えておられました。先月の打ち上げの直前の中止の後も、本当にチームワークで課題を克服されたと承知をしております。昨日以降も今も現場で、チームで原因究明にあたっていると聞いております。
 早急な原因究明を進めることがまずは今求められておりまして、これを最優先すべきというふうには考えております。原因究明とその対策検討、これ技術の現場がきちんと進められる環境、それを整えるというのが、今私達に課せられた課題であるということを受け止めているところでございます。

記者)
 そのあたりについて言ってしまえば、良くないことが続いているわけですけれども、環境について何か問題があるというお考えなのか。そのあたりについて見解をお願いします。

大臣)
 これは、環境についてというのは、どういう環境が良いかというのは、これから、いろいろと原因究明等されるに当たりまして、出てくることかと思いますので、今現在ではお話するということは差し控えさせていただきたいと思っております。

(了)

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