永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年3月3日)

令和5年3月3日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

キーワード

国枝慎吾氏に対する国民栄誉賞授与決定、光明学園の視察、若田宇宙飛行士が搭乗するクルードラゴン宇宙船運用5号機の帰還日程決定、埼玉県戸田市の教員切りつけ事件、教員採用試験における横浜市の動き、H3ロケット試験機1号機打上げ準備状況、東京五輪の談合事件、GIGAスクール構想における端末の更新

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年3月3日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年3月3日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年3月3日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日は冒頭、私から3件お話を申し上げます。
 1件目でございます。本日の閣議におきまして、国枝慎吾氏に対し、国民栄誉賞を贈り表彰することを決定したとの報告がございました。国枝氏は、車いすテニス四大大会で史上最多の通算50勝、更にパラリンピックでの金メダルを含めた生涯ゴールデンスラムの達成など、前人未到の快挙を成し遂げられまして、広く国民に夢と感動を、社会に明るい希望や勇気を与えてくれたことが高く評価されました。私自身もテニスを学生時代やっておりました。なので国枝氏の活躍、これは高い関心を持っていたわけでございますが、私といたしましても、国枝氏の受賞、これは大変喜ばしいと、本当に嬉しいと思っております。祝意を表したいと思います。
 2件目でございます。2月24日、特別支援教育の実践を拝見するために、私は肢体不自由の部門と病弱部門を持ちます特別支援学校であります、東京都立の光明学園を視察いたしました。当日はですね、人工呼吸器を使用している子供が授業を受けている様子を拝見したり、本当に個々それぞれにですね、応じた細やかな指導の重要性を再確認をいたしました。そして学校におけます医療的ケアの実践を拝見いたしまして、看護師さんの配置やまた保護者の付き添いの解消に向けた工夫などについて意見交換をさせていただきました。視察を通じまして、特別支援学校で勤務をすることのやりがいというものを先生方、また看護師さんの方々からも本当にたくさんお聞きをすることができましたし、個々に応じた学びの場の整備の必要性、これも改めて確認したところでございます。今後とも、特別支援教育の充実に努めてまいりたいと思います。
 そして3件目でございます。現在、ISSに滞在中の若田飛行士が、米国のクルードラゴン宇宙船に搭乗し、日本時間3月9日以降、ISSから離脱をし、地球に帰還をする予定となりましたのでお知らせを申し上げます。若田飛行士には、残る任務を成功させて、帰還準備も着実に進めていただきたいと思っております。
 以上でございます。

記者)
 一昨日、埼玉県戸田市の中学校で教員が外部から侵入してきた男子高校生にナイフで切りつけられるという事件がありました。これに対する大臣の受け止めと、今改めて学校での安全をいかに守っていくか、文部科学省の対応を教えてください。

大臣)
 これは一昨日、埼玉県戸田市の中学校内に刃物を持った少年が侵入いたしまして、制止しようとした教員を切りつけたという事案が発生をしたわけでございますが極めて遺憾でございます。まずは、被害に遭われました先生の1日も早い回復、これをお祈り申し上げます。不審者対策も含めました安全について、文部科学省は、これまでもですね各学校で整備をされている「危険管理マニュアル」(注)についてその評価と見直しのガイドラインを示すとともに、不審者侵入時の対応方法等について教職員向けの講習会の実施への支援もやってまいりましたし、また警備のポイントや防犯上の改善点等につきましては、これスクールガード・リーダーによる各学校への巡回指導などへの支援などもしてきたところでございます。スクールガード・リーダーというのは警察OBの方などがしていただいているわけでございますが、本事案につきましては、現在、警察による捜査が進められていることもありますので、まずは正確に事実関係を確認した上で、今後の学校の安全対策について必要な対応を取ってまいりたいと考えております。
(注)「危険管理マニュアル」と発言しましたが、正しくは「危機管理マニュアル」です。

記者)
 H3ロケットの打上げについてお伺いしたいんですけれども、この間、打上げ中止になってしまって原因究明は進んでいると思いますが、現状について教えていただきたいのと、再度の打上げについて大臣の期待をぜひ教えていただければと思います。もし打上げがあるとした場合、大臣は視察をされる予定があるかというのもお聞きできればと思います。

大臣)
 H 3ロケットの打上げに向けまして、原因の調査と対策の検討が鋭意進められてまいりましたけれども、早ければですね、来週6日の打上げに向けて準備を進めていると聞いているところでございます。詳細につきましてはこの後、本日15時にJAXAから発表されると承知をしているところでございます。JAXAや関係者におかれましては、引き続き着実かつ確実な取組を進めてほしいと考えております。H3ロケットは、コスト軽減や信頼性の向上などを目指して開発を進めてきたロケットであります。私自身は本当に打上げには期待をしているところでございます。視察でございますが現段階で確たることは申し上げられませんが、打上げに携わるですね全ての関係者・皆さま方、改めて打上げに向けて頑張っていただきたいと思っている次第でございます。

記者)
 教員採用選考試験の日程を早める取組について伺いたいと思います。横浜市が先日、大学3年生の時点で教員採用試験の合格者を出すという新しい取組を発表しました。こうした取組はずっと文科省、大臣も先日9月に求められていたかと思うんですけれども、こういう全国に先駆けた横浜市の取組をどう受け止めてらっしゃるのかなということと、この文科省の取組を発表した時には一部の自治体からやっぱり一律で対応してくれないと自分のところに教員が取りにくくなるんじゃないかというような懸念を証明されたところだと思います。こうした一部の自治体の懸念についてどういうふうに対応されるのかということも合わせてお願いします。

大臣)
 公立高校の教師の任用につきましては、やはり任命権者であります教育委員会の権限と責任に基づきまして行われております。今回の取組はですね、教員採用選考の倍率低下などの課題を受けまして、横浜市の教育委員会が危機感をもって検討した結果、新たな取組として発表されたものと受け止めております。一方で、これ例えばですけれども一部の自治体だけが今おっしゃいましたように採用試験を早期化してもですね、他の自治体との併願者が増えて、結果的に辞退者が増えてしまうそういうご指摘もあることから、早期化の実施に当たりましては、例えばですね、地域ブロックごとに日取りを揃えることも検討する必要があるとそういうふうに考えております。大事なのは、やはり日本全体で教師を目指してもらう方を増やして、そして質を高めていくことというのがやはり大事でございます。文部科学省といたしましては、採用選考の改善について、教育委員会等の関係団体との協議会を設置いたしまして、採用選考の早期化などについて議論しておりまして、こうした各教育委員会の動向も情報を共有しながらですね、引き続きまして、採用選考の改善これを促していきたいと考えております。

記者)
 最初の横浜市の評価のところで確認したいんですが、一部の自治体の懸念などがある中で横浜市が踏み切ったことについてはプラス評価というか肯定的な受け止めなんでしょうか。

大臣)
 これはですね、ちょっと先ほど担当から伺いましたが、一律に全員を取るとかいう、そういう試験ではなかったというふうには伺っておりますので、ちょっと細かいところは事務方のほうからお聞きいただければと思っております。

記者)
 先日28日に東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件で東京地検特捜部が電通など6社起訴しました。ここまで事件が広がったことに対しての大臣の受け止めと、あと電通など3社はすでに指名停止にしているんですけれども、博報堂などは追加で同じような対応をするのかということと、あと原因究明をしないことにはガバナンスの強化の指針を作る実効性がないかなと思うんですけれども、それについて大臣のお考えがあれば教えてください。

大臣)
 公正取引委員会が、2月28日に、電通など6社それからあと組織委員会の大会運営局の元次長ですね、らを刑事告発をいたしまして、同日付けで起訴されたということは承知をしております。東京大会の入札において不正行為があったという疑惑について、仮に不正があったとすればですね、本当に遺憾であると考えておりますし、またオリンピック・パラリンピック競技大会をはじめ、スポーツの価値というものを本当に大きく貶めるとそういうふうに考えております。今回の事案で、既に独占禁止法違反の容疑で逮捕者の出た3社ですね、電通とかですねに対しましては、同法の違反におけます指名停止期間としては最も厳しい9か月の指名停止の措置を行ったところではございます。それでその後ですね、博報堂のほうはいかがかということでございますが、今後ですね、内容をしっかりと精査した上で、適切な対応これを図っていきたいと考えているところでございます。大会組織委員会の原因究明ということでございますが、今回の事案に係る捜査や東京都におけます契約手続きなどに関する調査の状況この推移を見ながらですね、明らかになった事実に基づいて、仮に国費が過大に支出をされている場合には、返還を命じるなど、法令等に則って厳正に対応してまいりたいとそういうふうに考えております。

記者)
 GIGAスクール関連でお尋ねいたします。今、自民党のほうで端末更新についてどうするかという議論が行われておりまして、党内からは国で国費を出すべきだという意見がかなり大きいと思います。このことに対する大臣の受け止めというか大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 GIGAスクール構想によりまして整備されました1人1台端末これ本当に今後の機器更新に係る費用の在り方というのは、大変重要な課題とそう考えております。先日衆議院の予算委員会におきましても、岸田総理からですね「自治体の財政力などによって格差が生じてはならないとそういう声についても政府としてしっかり受け止めて、自治体と連携しながら対応を進めたい」旨のご答弁があったところでございます。現在、自民党の文部科学部会の学校DX推進プロジェクトチームというところにおきまして、精力的なご議論をいただいております。こうした議論も含めまして、地方自治体の意見ですねこれもしっかり踏まえまして、文部科学省として責任をもって検討を進めてまいりたいと考えております。

記者)
 特に来年度・再来年度ぐらいに更新を迎えるようなところは多分、もともと自主財源で整備するところが多くて、逆にそこを国費で充てないと逆に不公平ではないかという感じもしますが。いかがでしょうか。

大臣)
 これもですね、しっかりと自民党の部会のプロジェクトチームの意見も伺い、また自治体の意見もですね、それぞれ伺いましてしっかりと議論をさせていただきまして検討してまいります。

(了)

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