永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年2月21日)

令和5年2月21日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

キーワード

日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案の閣議決定,H3打上げ中断について、原因・対策の検討状況等,令和4年度から高等学校で使用されている東京書籍の地図の訂正,露選手、国際スポーツ大会出場に対する34か国の反対署名

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年2月21日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年2月21日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年2月21日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件ございます。
 本日、「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るため日本語教育機関の認定等に関する法律案」(注)が閣議決定をされました。本法律案は、在留外国人の増加とともに日本語の学習者が増加していく中で、日本語教育機関の質が担保されていない現状をかんがみ、日本語教育の質の維持向上を図ることを目的としております。具体的には、1つ、質が担保された日本語教育機関を認定する制度、2つ、認定日本語教育機関で日本語を指導することができる登録日本語教員の資格制度を新たに創設するものでございます。今後、国会審議を通じまして本法律案の内容や必要性を丁寧に説明をし、速やかな成立を目指してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
(注) 「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るため日本語教育機関の認定等に関する法律案」と発言しましたが、正しくは「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案」です。


記者)
 先日、打上げ中止となりましたH3ロケットついてなんですけれども、打上げ中止の原因と今後のスケジュール、またそれに向けてどのような対応を取られているかということ、今分かっていることがあったら教えてください。

大臣)
 17日でございます、JAXA種子島宇宙センターより打上げ予定でありましたH3ロケット試験機1号機につきましては、打上げに向けたカウントダウンにおいて、固体ロケットブースターへの着火信号が自動的に停止をし、打上げは中止をされたところでございます。現在、JAXAが詳細に状況を確認しておりまして、今後の打上げ見通しは、その結果を踏まえまして、検討されることとなります。なおですね、明日22日、文部科学省の外部有識者会議を開催いたしまして、JAXAからの調査報告と、必要に応じまして有識者から助言を受ける予定でございます。H3ロケットは、我が国の宇宙活動の自立性確保及び国際競争力強化を実現する上で極めて重要な基幹ロケットでございます。これまでJAXAと、我が国の宇宙産業界が一丸となりまして、コストの低減ですとか信頼性の向上等を目指して開発を進めてきたものでございます。文部科学省といたしましては、JAXAとともにですね、原因調査等の速やかな取組に最大限努めてまいりたいと考えております。

記者)
 教科書検定に関連してお尋ねします。東京書籍が発行した高校地図の教科書で供給後に約1,200箇所の訂正が見つかり再配布する事態となりました。再配布になるような図書が合格した文科省の教科書検定に不備がなかったのか、合格という結果は適切だったのか、今回の事態の受け止めを含めて大臣の見解をお聞かせください。

大臣)
 教科書の検定というのは申請図書の具体的な記述につきまして、学問的、また専門的な見地から、検定時点における客観的な学問的成果ですとか、あと適切な資料等に照らして欠陥を指摘することを基本として実施をしているものでございます。一方ですね、検定後に図書を供給するにあたりましては、発行者の責任によりまして索引等の校正を行う必要があります。また、検定合格後に発生した事象を踏まえて記述を更新することも必要でございます。このような訂正を行うため、検定後の訂正の申請の仕組みが設けられているわけでございます。今回、東京書籍が行いました訂正申請の多くは、索引の校正や記述の時点更新、そして、記述をより適切に改善をするため、検定とは異なる観点でですね、発行者の責任で行ったものでありまして、訂正箇所の多さが、検定の不適切さを示すものではないと考えているところでございます。検定手続き自体は適切に行われ、最終的な検定決定が行われたものと認識しておりますが、今回のような事案が生じたことは大変遺憾でございまして、引き続きまして、適切な検定審査に努めるとともに、発行者に対しまして、校正作業に万全を尽くして、今後このような事態が生じないよう、強く指導してまいりたいと思っております。

記者)
 当該の検定では、縮尺など細かなものに意見がつく一方で、明白な誤りに指摘がなく見過ごされていたケースもありました。検定でそのような違いが出たのはなぜなのでしょうかというところと、また、今おっしゃったように文科省の索引などの最終的な校正は発行者に責任があるというスタンスですが、児童生徒の立場からすると、教科書には正しいことが載っている、間違っていないというふうに考えていると思います。検定ではこうした誤字脱字などのチェックを行う必要はないのでしょうか。正確な教科書を児童生徒に届けるために検定のあり方を見直す必要はないのでしょうか。大臣のお考えをお伺いします。

大臣)
 今回のですね、訂正の多くは、索引の校正など、図書の供給前に、発行者におきまして適切に行うべき訂正でございます。今回の事案はですね、やはり供給前に発行者において校正作業を徹底して、そして適切にですね、訂正を行うことにより防ぐことができたと、そういうふうに考えております。その訂正が供給後の対応となったことは、大変遺憾ではございます。検定自体はですね、現行の仕組みの下、引き続きまして、適切な審査に努めてまいりますが、発行者に対しまして、校正作業に万全を期しですね、今後このような事態が生じないように、強く指導してまいりたいと考えております。

記者)
 今回のミスを見ますとマゼラン海峡が二つあったり赤道上の距離の離が理科の理で離れるほうの離ではなかったり、見たらすぐ分かるようなことが気付けていなくて、それが生徒の手に渡ってしまったと、検定とは一体何なのかというところで、やっぱり検定を通って発行社が多少直すようなものがあったとしても、子供たちの手に渡るものは、然る教材になるべきものであって、そういった検定を通過したものがこういった教科書であったということについて率直に大臣はどのように思われますでしょうか。

大臣)
 教科書記述の適切さにつきましては、やはり検定手続きと、それから検定後の訂正申請の仕組とが相まってですね、担保される仕組みとなっておりますが、今回生徒への供給までに修正がなされずにこのような事態となったことは遺憾であると思っております。

記者)
 スポーツ関連で1点、伺います。昨日、国際オリンピック委員会がロシアとベラルーシ選手の国際スポーツ大会復帰を検討していることに関して、イギリスを中心に日本を含む34カ国が署名した声明が発表されたと確認しております。内容についてはIOCが示している条件とする「中立」の定義を明確にするように求めているということだったと思うんですけれども、日本は大臣がご署名されましたが、この声明に対する評価をいただきたいのと、状況によってはパリのオリンピックのボイコットを示唆しているウクライナの状況も含めて一連のこの議論に対する御所感もお聞かせいただければと思います。

大臣)
 ご指摘のIOCバッハ会長の発表につきましては承知をしているところではございます。ロシアとベラルーシの選手の扱いにつきましては、国際オリンピック委員会、IOCですけれども、の方針等も踏まえまして国際競技連盟がそれぞれ自らの責任で判断するものであることから、文部科学省としてのコメント、これは差し控えさせていただきたいと思っております。

記者)
 今の質問の関連なんですけれども、2月10日に各国の閣僚級で会合し、この声明について話し合われたというふうに説明がなされております。この声明に至るまでの経緯と、今後JOCなど日本のスポーツ機関と文部科学省として何か話し合う予定があるかお願いします。

事務方)
 事務方が出席しておりますので、スポーツ庁が出席しておりますので、後からスポーツ庁のほうからご説明させていただきたいと思います。

記者)
 先ほどもお伺いした宇宙政策、ロケットの関連なんですけれども、去年の秋の小型ロケット「イプシロン6号機」の打上げ失敗、あと無人探査機「おもてなし」の月面着陸断念と、今回のH3ロケットの打上げ中止とあまりうまくいかない状況が続いています。またJAXAで宇宙飛行士の古川さんが責任者を務める研究チームの実験データの改ざんというのもありました。このようにJAXAの体制とか政府の宇宙政策の進め方を見直すというようなお考えはありますでしょうか。

大臣)
 ご指摘につきましては、例えばですね、イプシロンロケットは要因の絞り込みが進んでおりますけれども、単純な人的ミスなどの事象ではなくて、技術的に深い原因究明がなされております。また、今般のH3ロケットが打上げ中止となりましたけれども、まずは、再度の打上げに向けまして、原因の調査等に全力で取り組むべきでありまして、JAXAが着実に取組を進めるよう期待をしているところでございます。また、JAXAにおきまして技術的な不具合が続いておりますけれども、それぞれ対象や要因は異なります。共通する技術的な要因は必ずしもないということを認識をしております。また一方、それぞれ抽出される教訓は、しっかりとJAXAとして受け止めてですね、今後の宇宙開発利用に反映していくべきと、そういうふうに考えております。なおですね、宇宙医学研究で医学系の指針への不適合事案が発生したことにつきましては、技術的な不具合ではなくて、誠に遺憾でございます。JAXAにおいて再発防止策をしっかりと徹底をしていただきたいと、そういうふうに考えております。

記者)
 大臣としてこの状況についてどういうふうに思われていますか。

大臣)
 今言ったとおりでございます。しっかりとやっていただくように頑張ってほしいなと思っております。

(了)

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