永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年2月7日)

令和5年2月7日(火曜日)
教育、文化、その他

キーワード

いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底について,卒業式でのマスク着用について,教職員定数改善計画の策定について,旧統一教会への報告徴収・質問権行使について,LGBT、同性婚を巡る発言について

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年2月7日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年2月7日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年2月7日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件ございます。
 先週、いじめ防止対策に関します関係府省連絡会議及びいじめ防止対策の協議会の二つの会議を開催いたしまして、犯罪に相当するいじめ事案については直ちに警察に相談・通報を行い、適切な援助を求めなければならないことや児童生徒への指導の支援の充実と、取組の徹底を求める事項につきまして、取りまとめを行いました。本日、各学校設置者に対しまして通知を発出をし、取組の徹底を求めてまいりたいと考えております。また、併せまして、いじめの重大事態における対応の改善・強化に向けまして、来年度から、国において、重大事態の状況把握や進捗確認を行うことといたしまして、こども家庭庁と連携をして必要な助言等を行っていくことについても議論をいたしました。引き続きまして、こども家庭庁設立準備室をはじめとする関係府省と緊密に連携をしつつ、いじめ対策の取組の強化に努めてまいります。
 以上でございます。

記者)
 また学校でのマスク着用についてで恐縮なんですけれども、卒業式についてのことです。先週の会見で今後、政府全体の検討を踏まえて対応を速やかに検討されると、このようなご発言がございました。改めて伺います。学校生活全体ではなく卒業式など大切な節目でのマスク着用についてどのような方針を現在お考えか、お話いただけることがあればお願いします。

大臣)
 先月の27日の政府対策本部決定では、マスクの取り扱いの検討に関しては感染状況等も踏まえまして、今後早期に見直し時期を含めてその結果を示すとされております。文部科学省といたしましては、政府全体での検討を踏まえまして、卒業式等を含めた学校におけますマスクの着用に関しましても、今後どのような対応をしていくかということを、速やかに検討してまいりたいと考えております。

記者:東京新聞)
 まだ検討が進んでいないという理解でよろしいでしょうか。

大臣)
 今検討中でございます。検討しているというところです。

記者)
 昨日の予算委員会で取り上げられた教員の定数改善計画について伺いたいと思います。定数改善計画は小泉政権の構造改革の時に策定が見送られて、その頃から少子化の中で教員が減っているわけなんですけれども、大臣は昨日、現在も法律改正などで計画的に改善は行っているんだという旨の答弁があったと思います。大臣は今後、例えば第8次定数改善計画というように新たな定数改善計画を策定する必要というものをどのようにお考えなのか伺いたいと思います。

大臣)
 教職員定数の改善に当たりましては、「定数改善計画」という名称がありますが、それに関わらずですね、中期的な見通しをもった改善を図ることがまずは重要だと考えておりまして、現在も法律改正を行うなどによりまして、計画的な改善は行っているというところでございます。このため、障害のある児童生徒に対する通級による指導等のための教職員定数につきましては、平成29年度からの10年計画で基礎定数化を進めているほか、また小学校の35人学級につきましても、これは令和3年度からの5年間での計画的な整備を図ることとしておりますが、このように計画的にですね、基礎定数の改善に取り組んでおります。加えまして加配定数もございます。これにつきましては、できる限り見通しを持った改善を図ることが望ましいと考えているところでございまして、小学校の高学年におけます教科担任制の推進について、これは令和4年度から4年程度をかけて計画的に進めているところでございますので、今後ともですね、中期的な見通しを持った教員定数の改善に努めてまいりたいと考えているところです。

記者)
 今お話にあった35人学級の予算折衝をしたところ、当時の萩生田文科大臣の衆議院文科委員会の中で35人学級を実施するにあたっては自治体が長期的な見通しを持って教員を採用しやすくなるように定数改善計画の策定が必要であると考えていると答弁されています。こういう計画の必要性については特に大臣は考えておられないということなのでしょうか。

大臣)
 先ほど申し上げましたように、「定数改善計画」という名称にまずはこだわらずに、中期的な見通しを持った教職員定数の改善を図ることが重要であると考えているところでございます。小学校の35人学級などの基礎定数の改善につきましては、これは法律改正を行うことによって計画的な整備を行うこととしたわけでございます。なお、御指摘の萩生田大臣の答弁、これは令和2年の11月に小学校の35人学級の計画的整備に係る義務標準法改正案提出前のものでございまして、そのあと同改正案の審議を行いまして、令和3年3月の国会の審議におきまして、萩生田大臣が「今回の小学校35人学級の実施をもって直ちに教職員定数改善計画と位置付けるかについては現時点では決めておりません」と答弁しているところでございます。文部科学省といたしましては、今後とも、定数の改善計画という形を取るかどうかに関わらず、中期的な見通しを持った計画的なですね、教職員の定数の改善に努めてまいります。

記者)
 旧統一教会の質問権行使の関係でお尋ねしたいんですけれども、昨日の立憲民主党の山岸一生議員とのやり取りの中で精査した上で更に質問をすることもあり得ると考えているとおっしゃったんですけれども、この認識に変わりがないかをまず伺いたいと思います。

大臣)
 今日、実は回答日でございまして、現時点で文部科学省のほうに回答が来たということは私は認識はしておりません。しかしながら今のお話ですね、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、今後、提出された資料を分析した結果を踏まえまして、更に報告を求めたり質問を行うことはあり得るというふうには考えてはいるところでございます。

記者)
 あり得るということで現時点で4回目を決めているということではないということでしょうか。大臣は以前の会見でいたずらに引き延ばすつもりはないというふうにおっしゃっていたかと思うんですけれども、そのあたりを伺います。

大臣)
 回答の分析というのが大変重要でございますので、今現在ですね、お答えとして今回のことを精査をして分析をして次やるということは申し上げられないと言っているところではございますので、そこのところはご承知おきいただければと思っております。

記者)
 冒頭にありましたいじめ防止対策に関する通知なんですけれども、これを発出する狙いを改めて教えていただけますか。

大臣)
 やはりいじめ防止対策というのは大変重要な案件でございます。それぞれですね、各教育委員会もいじめ事案が発生いたしますと各教育委員会も大変対応しなければならないということで非常に難しい対応を知らされるわけでございますけれども、この通知におきましては、犯罪に相当する事案を含むいじめの対応における警察との連携の徹底ですとか、あとは被害児童生徒への支援及び加害児童生徒に対する指導・支援の充実ということ、また保護者と学校が共にいじめ防止対策を共有するための普及啓発の推進、そしてもう一つございます、いじめの重大事案(注)に対する総合教育会議、これは各教育委員会と首長さん方が合同で設置する会議でございますが、それの活用及び首長部局からの支援ですね、こういうことを柱といたしまして、いじめ対応において改めて留意すべき事項をまとめているところでございます。
(注)「いじめの重大事案」と発言しましたが、正しくは「いじめの重大事態」です。

記者)
 LGBTQの関係でお伺いします。荒井前秘書官の差別発言がありましたけれども、文科省としては性的少数者への支援に取組んでいらっしゃると思いますが、その一方で今副大臣をやっていらっしゃる簗さんが性的少数者は種の保存に反するというような発言をされたこともありました。大臣として今回の荒井秘書官の発言への問題意識なり考え方なりと、今後、文科省としてこのような生徒さんに対してどんな支援をしていくお考えかお聞かせください。

大臣)
 まず荒井秘書官ですね、同性婚につきましては所管外でありますのであえて申し上げることはないかと思いますけれども、性的指向であるとか性自認を理由といたしまして不当な差別であるとか偏見があってはならないと考えております。したがいまして、ご指摘の発言については、不当な差別と受け取られても仕方がなくて、また、政府の方針と全く相容れないと、そういうふうに考えております。先ほど言っていただきましたように、文部科学省といたしましては、政府の一員として、多様性が尊重されて、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にする共生社会の実現に向けまして、性的指向であるとか性自認への理解を推進をすべく取り組んでまいります。簗先生の話は私は詳しくは承知はしておりませんが、彼の発言というのは副大臣になる前の話であったと思いますので、そこのところは私は知らないのでこれ以上お話できませんが、ご本人から聞いていただければと思っております。

(了)

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