永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年1月13日)

令和5年1月13日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

京都・神戸出張、若田光一宇宙飛行士による船外活動の実施、古川宇宙飛行士に係るJAXAの対応について、「異次元の少子化対策」への初等中等教育分野の位置付けについて、大学学部の理系転換に向けた基金支援について、大阪府藤井寺市立中学校の教科書採択について、旧統一教会に対する報告徴収・質問権行使について

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年1月13日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年1月13日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年1月13日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 それでは、冒頭発言、私から2件ございます。
 1件目でございます。10日に文化庁の移転先の京都庁舎ですね、11日に兵庫県の神戸市のポートアイランド内にあります研究施設等を視察をさせていただきましたのでご報告いたします。文化庁の京都庁舎、特に旧京都府警警察本部本館ですね、は建設当時の外観を生かしつつ、館内の整備が行われておりまして、移転後、新たな文化行政の推進を担う国の組織が入る庁舎としてふさわしいものになっていると実感をいたしました。視察後に、西脇京都府知事や門川京都市長と会談をいたしまして、庁舎の整備を含めまして、移転に向けました協力に対し、御礼を申し上げたところでございます。また、兵庫県の神戸市では、神戸大学と地元の企業が共同開発をいたしました、国産初の手術支援ロボットシステム、「hinotori」と言いますけれども、を拝見をさせていただきましたし、また、多くのスタートアップや大企業が入居いたします「クリエイティブラボ神戸」と、それから後はスーパーコンピュータの「富岳」も視察をさせていただきました。そして、神戸大学の統合研究拠点「バイオ生産工学研究室を視察させていただきました。特に、「クリエイティブラボ神戸」では、久元神戸市長と意見交換をさせていただきました。ここでですね、やはり産学共同研究の重要性ですとか、また、スタートアップの創出に向けました支援であるとか、人材育成の重要性を改めて感じることができました。今回の視察を通じまして得られましたことを踏まえまして、引き続きまして、関連の施策の充実に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 もう1つ。今2つ言いました。京都の文化庁の移転と神戸の方の視察でございますが、もう1つございます。2件目でございます。1月20日、ISSにおきまして、若田光一宇宙飛行士による船外活動が実施される予定でございます。今回の船外活動で計画をされております、太陽電池の設置に関する作業は、2030年までISSを運用・利用するために必要な作業であると承知をしております。若田宇宙飛行士は今回が初めての船外活動となります。5回目の宇宙飛行におきましても新たなことに挑戦する若田飛行士に敬意を表するとともに、今回の任務もしっかりと遂行されることを期待しているところでございます。以上です。

記者)
 初めに、1問お伺いします。古川宇宙飛行士が研究実施責任者を務めた研究にですね、データの捏造などがあった問題で、昨日、古川さん本人が記者会見を行いました。現状宇宙飛行士としては異例の戒告処分を受けたことも明らかになりましたが、処分が出たことを受けて、改めて、大臣の受け止めと、予定されているISSでの滞在については変更はないということですが、今後、古川宇宙飛行士に期待したいことを併せて伺います。

大臣)
 昨日の記者会見では、宇宙飛行士の古川さんから、今回不適切な行為が確認された研究につきまして、自身の役割や責任、そして、発生した経緯などを直接説明をしたいとの申し出がありまして、実施されたものと承知をしております。記者会見におきまして、古川さんからは、自身に対する人事処分の説明に加えまして、不適切な行為があったことに対して、研究実施責任者として責任があり、深く反省をしているということ、また、研究管理能力や、それから研究倫理の向上などに取り組みまして、与えられた職務に誠実に対応していきたい、そういった説明がありました。JAXAにおきまして、組織としても倫理指針の遵守と、それから再発防止策を徹底するとともに、古川さんには、今回の事案を重く受け止めて、国民の皆様方からの信頼回復に努めていただきたいと考えているところでございます。以上です。

記者)
 私、あの、岸田総理が表明されている「異次元の少子化対策」と教育の関連について改めて伺いたいと思います。今、議論では、児童手当などの福祉分野のところが、総理の発言なんかでは多いんですけれども、子供たちが多様化する中では、やっぱり小学校、中学校、教育関連にももっとお金をかけたいと、かけるべきではないかというふうに思います。政府が取りまとめている少子化対策のパッケージの中で、特に初等中等教育がどういうふうに関わっていくのか、お考えを伺えればと思います。

大臣)
 ご指摘の通りですね、少子化対策として教育に関する取組というのは重要でありまして、これまでも、幼児教育・保育の無償化であるとか、高校生等への修学支援などの経済的負担の軽減や、また、いじめの防止対策の推進であるとかをやってまいりました。初等中等教育に関する取組も含めまして、少子化対策の大綱などに位置付けて、また、文部科学省としても、その充実に取り組んでいるところではあります。この度、岸田総理からのご指示を踏まえた対応といたしましては、今後、小倉少子化担当大臣の下に設置をいたします「こども政策強化に関する関係省庁会議」において議論を進めていくものと承知をしております。本会議への参画につきましては、事務的な調整をしているところでありますけれども、文部科学省としては、総理からのご指示を踏まえつつ、関係省庁としっかり連携をしてまいりたいと考えております。

記者)
 今月の23日からは通常国会が始まりますので、総理が施政方針演説をなさると思うんですけれども、そういう中でその少子化対策も当然取り上げられると思うんですが、そこに、その教育分野のことというのも反映されるということになりますでしょうか。

大臣)
 申し訳ありません。今のところは、総理にお聞きしていただければ確かな答えが出るかなと思いますが、私の方からは、仮定の質問にはお答えしかねるということでご承知いただければと思っております。

記者)
 基金を活用した理工農系への大学の転換支援についてお尋ねします。3,000億円の予算を確保して具体的に進めていく段階に入っています。理系転換に向けて、文系が多い私大側の理解をどのように得ていこうと考えていらっしゃるのか。また、今後の進め方についてお聞かせいただければと思います。

大臣)
 お尋ねの基金事業につきましては、意欲のある大学や高専による主体的な改革を後押しするものでありまして、大学側に事業の趣旨をご理解をいただきまして、そして、実現可能な計画を積極的に検討していただくことが大変重要と考えております。今後、大学等の関係者の方からのご意見も踏まえながら、事業に係ります基本指針を定めまして、早期の公募の開始に向けて取り組んでいきたいと考えております。あらゆる機会を捉えまして、丁寧にご説明申し上げながら、各大学・高専の検討を促してまいりたいというふうに考えております。

記者)
 古川さんの問題に関してもう1問、お願いします。今回の研究データを元にした論文が3本発表されていまして、1本は提供してデータに計算ミスなどがあったということでしたが、JAXAは不正行為には当たらないという判断をしていました。これは、文科省としても同じ認識でしょうか。また、研究不正のガイドラインの改訂の必要について大臣はどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 JAXAの不適切な実験データを含む可能性のある論文が研究不正には該当しないということはどういうことかというお話だと思います、ご質問だと思います。JAXAの宇宙医学研究におきましては、医学系の指針への不適合な事案が発生したことは誠に遺憾でございます。この医学系の指針というものは、厚生省、そして文部科学省が共同で示す指針でございます。また、文部科学省の研究の不正ガイドラインというものは、研究不正の疑いがあった場合に、研究機関が、規程等に則りまして、必要な調査を実施することとしております。今回の事案におきましても、JAXAにおきまして、研究不正のガイドライン等に基づき、これは適切に判断されたものであると、そういうふうに考えている次第でございます。以上です。

記者)
 大阪府藤井寺市の教科書選定を巡る問題でお伺いします。この問題を受けて、市教委は大日本図書の教科書の採択替えを行うことを決めました。全国初のケースとなりますが、大臣の受け止めをお願いします。また、大日本図書の接待は長年続いていたことも明らかになりましたが、文科省の今後の対応をお聞かせください。

大臣)
 藤井寺市におきまして、教科書の採択替えの手続が開始された件につきましては、事務方から報告を受けて承知をしております。教科書は全ての児童生徒が必ず使用するものでございまして、その採択には高い公正性と透明性が求められることから、採択の公正性に疑念を生じさせる事案が発生し、このような事態となったことは極めて遺憾であると考えております。採択替えにつきましては、採択権者であります藤井寺市教育委員会におきまして判断されたものと承知をしておりまして、文部科学省といたしましては、今後の対応を注視をするとともに、必要に応じて助言をしてまいりたいと考えております。また、文部科学省から当該発行者に対しましても、速やかに調査報告を指示するとともに、過去の経緯も含めましてしっかりと調査をするよう指導しているところでございます。詳細な調査結果を踏まえて、厳正に対応してまいりたいと考えているところです。

記者)
 統一教会の問題についてお聞かせください。先日統一教会から届いた2回目の質問権の回答について、内容はどういったものだったのかとどのくらい分析が進んでいるのかお聞かせください。

大臣)
 事務的にもお知らせしております通り、先週6日(金曜日)に旧統一教会に対しまして報告を求めていた事項について、小型の段ボール12箱分の資料の提出がございました。今回提出がありました資料につきましては、旧統一教会に対する解散命令の請求の適否について適正に判断をするために、しっかりと分析を行ってまいりたいと考えているところでございます。じゃあ、いいですか、その続き。続きというか、やっぱり今これだけではちょっと不満足そうな顔をしていらっしゃったので、すみません、あの結局ですね、提出されました資料の具体的な内容につきましては、報告徴収・質問権の効果的な行使であるとかその後の対応に支障が生じる恐れがございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思っております。いずれにいたしましても、文化庁におきまして、可及的速やかに分析を進めさせてまいります。以上です。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室