永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和4年12月20日)

令和4年12月20日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

「文化財の匠プロジェクト」の改正、中教審答申「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」、「ナイスステップな研究者」の選定、東電福島原発事故の賠償に関する中間指針第五次追補の取りまとめ、教員の処遇改善について、小学校における動物飼育の現状について

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年12月20日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年12月20日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年12月20日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは、本日、4件ございます。
 まず1件目でございますが、12月16日(金曜日)、文化審議会からの答申を受けまして、「文化財の匠プロジェクト」を改正をいたしました。本プロジェクトは、我が国の貴重な文化財を後世に確実に伝承していくため、今年度から推進しているものでございます。今回の改正におきましては、主に、1つ目、文化財修理に不可欠な原材料のリスト化、支援充実ということがあります。そして2つ目でございますが、中堅・若手技術者等の意欲を高めるような表彰制度の創設、そして3つ目、国指定文化財の長期的な修理需要予測調査ですね、などについて、新たに位置づけをさせていただきました。今回の改正を含めまして、本プロジェクトを着実に推進をし、文化財の持続可能な保存・活用に向けた取組を充実してまいります。
 2件目でございます。昨日、中教審の渡邉会長から、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」の答申を手交いただきました。本答申は、教師の養成・採用・研修の一体的な改革を通じまして、教師が創造的で魅力ある仕事であることが再認識をされ、そしてさらに、教師自身もその資質能力や志気を高め、誇りを持って働くことができる将来を実現するための提言と受け止めております。文部科学省といたしましては、教師の新たな学びの姿の実現、そして、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成、そして、教員養成大学・学部・教職大学院の機能強化など、本答申を踏まえた様々な改革につきまして、スピード感を持って取り組んでまいる所存でございます。また、本答申の内容がですね、関係者の皆さま方にしっかりと伝わるように周知をしてまいりたいと考えております。
 冒頭の3件目でございます。NISTEPでは、科学技術の分野で活躍し、そして、日本に元気を与えてくれる方々を「ナイスステップな研究者」として毎年選定をしております。今年も、国内外に研究成果を展開をする、新進気鋭の若手研究者を中心に10名の方を選定をさせていただきました。ご報告させていただきます。そのうち女性が4名というのは、やはりちょっと、数が多いというところでは、初めてのことでございます。来年早々に、選定された皆さまとの意見交換会をしたいと考えております。成長戦略の重要な柱であります科学技術立国の実現に向けまして、現場の第一線で活躍されている皆さま方からご意見を伺いまして、今後の政策の検討に役立てていきたいと思っております。
 そして、最後でございます。本日、第63回の原子力損害賠償紛争審査会が開催されまして、東電福島原発事故の賠償に関する中間指針 第五次追補が取りまとめられました。私も審査会に出席をさせていただきました。これを受けまして、この後、私から東京電力ホールディングスの小早川社長に対しまして、第五次追補に従った、迅速、公平かつ適正な賠償の実施、これを要請したいと思っております。以上でございます。

記者)
 幹事社から1点、教員の処遇改善に関してお伺いします。本日、質の高い教員に向けた調査研究会が始まりましたが、この会の議論に期待することや給特法の見直しを含めた教員の処遇改善について大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 多様化、それから教育DXであるとか、また少子化等の社会変化を踏まえまして、新たな学校教育が求められております。そして、それを担う質の高い教師を確保するために、教職の魅力の向上を図るということは喫緊の課題であると思っております。こうした中、本年度実施の勤務実態調査におきまして、教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況を細かく把握をいたしまして、その結果などを踏まえまして、給特法等の法制的な枠組みを含めた処遇等の在り方を検討することとしているところでございます。この度、令和5年の春頃には予定いたします速報値の公表後の円滑な検討に資するように、「質の高い教師の確保のための教職の魅力向上に向けた環境の在り方等に関する調査研究会」、ちょっと長いんですけれども、を設置をいたしまして、給特法等の関連する諸制度をはじめとする関係事項について、情報収集、そして論点整理を進めることといたしました。第1回を本日開催したところでございまして、私といたしましては、委員の皆さまのご助力を得まして精力的に情報収集や論点整理が進められることということで期待をしているところでございます。

記者)
 昨日の中教審答申の冒頭でもありましたが、ちょっと聞きたいと思います。質の高い教員の確保ということでですね、採用のスケジュールなんかも、民間企業の採用スケジュールを見せながら前倒しにするという話も出ているかと思います。これは以前から議論していたところで、前倒しの方向というのは何となく見えていたところもあるかと思うんですが、それを考えたときにですね、例えば大学のカリキュラムなんかもですね、またいろいろ調整をしなきゃいけない部分が出てくるのかなと思うんですが、そこら辺のスケジュール感についてはいかがでしょうか。結構、時間が足りない、時間がない中で、いろいろな調整になるかと思います。スケジュール感を教えてください。

大臣)
 そうですね、だいぶ、大学の方も変えていかなければいけない、カリキュラムを変えていかなければいけないというお話、ごもっともなところであるなというふうにはちょっと思っております。今年9月に実施をいたしました都道府県指定都市ですね、の教育委員会、教育長会議におきまして、私の方から、文部科学省とそれから教育委員会等の関係者団体から成ります協議会の立ち上げについてお話をいたしまして、10月、これまで4回の協議会を開催いたしまして、ヒアリング等も行いながら検討を進めているところでございます。採用選考の実施時期の早期化によりまして、教育委員会は試験問題の作成の時期を早める必要がありますし、また、場所ですとか人手の確保というのも難しくなる可能性がございます。大学は教育実習の見直しを含めたカリキュラム等の見直しを行う必要があるわけでございまして、こういうことなどがですね、検討課題として挙げられているところでございます。今後は、今回の答申も踏まえながらですね、各教育委員会、大学等の関係者とさらに意見交換を行いまして、早ければ2024年度に行われます採用試験から早期化が実現できますように、来年5月頃を目指しまして、一定の方向性を示すべく議論を進めてまいりたいと考えているところでございます。

記者)
 タイムリーな話題ではないんですけれども、学校で飼育されているウサギとかニワトリといった、いわゆる学校飼育動物についてお伺いします。学習指導要領にも動物を飼うということが書かれているんですけれども、大学の研究によると、ほ乳類とか鳥を飼う学校が減っているという調査結果もあります。今、実際、現場レベルでは半数以下になっているとも言われているんですけれども、これについて文科省としての見解をお伺いしたいと思います。

大臣)
 学習指導要領では、小学校の1~2年なんですけれども、生活科でですね、におきまして、動物を飼う活動を行うこととしております。地域ですとか学校の実情に応じて、飼育活動が行われているものと承知をしております。各学校におきまして、具体的に何が飼われているのかまでは把握はしておりませんけれども、大学の研究者が行いました調査の中で、飼育動物の種類に関しては、ほ乳類ですとか、後は鳥類ですね、等を飼育している割合が減ってきている一方で、魚類や両生類、昆虫などを飼育している割合は増えているなどの調査結果があることは承知をしているところございます。魚類と言えば、メダカ、金魚。そして両生類らというのは、カメさんなどのようでございます。あとは、昆虫はカブトムシなどがあるようです。飼育する際にはですね、教職員や保護者、児童の負担が大きくならないようにするなど、やはり適切に管理できる動物を選択することや学校全体の管理体制、外部の専門家や地域住民との連携・協力が重要であると考えております。デジタル化が進展する時代であるからこそ実体験からの学びも重要でございまして、児童が生き物への親しみを持ち、生命の尊さをですね、実感するために、学校における継続的な動物飼育を行うことはやはり意義があることだというふうに考えております。文部科学省といたしましては、引き続き、会議等の機会を通じまして、教職員の負担に十分配慮した上で、各学校において適切な動物飼育が行われるよう周知に努めてまいりたいと考えております。

記者)
 すみません、これに関してなんですけど、実際どんな動物をどういうふうに飼っているかというのを網羅的に把握するような調査というのは、文科省で行うという考えはありますでしょうか。

大臣)
 じゃあ、いいですか。事務方の方からお願いします。

事務方)
 お尋ねの件ですけれども、どのような動物飼育をするかということにつきましては、各学校の判断に委ねられておりまして、地域や学校の実態に応じて適切に管理できる動物が選択されているというふうに認識しておりまして、片や学校における働き方改革が求められる中でございますので、学校に対する調査については厳選することが求められておりましてですね、文部科学省として学校の飼育動物の調査をすることは考えておりません。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室