永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和4年12月16日)

令和4年12月16日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

キーワード

インターカルト日本語学校の視察、NanoTerasu(ナノテラス)及び東北大学の視察、若田光一宇宙飛行士との交信イベント、旧統一教会への追加の報告徴収・質問権の行使について、部活動の地域移行について、防衛予算増額の議論について、日本の核融合研究開発について

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年12月16日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年12月16日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年12月16日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からまず3件お話がございます。
 1件目でございますが、今週13日、山本大臣政務官とともに、都内にありますインターカルト日本語学校を訪問をいたしました。インターカルト日本語学校では、多国籍、39か国の方々がいらっしゃっているというお話でございましたけれども、多国籍の外国人の方に対しまして、学生の興味関心を踏まえながら、質の高い日本語教育を行っております。また、日本語教師の養成、そしてオンライン教材の開発などに積極的に取り組んでいらっしゃいました。視察では、日本語の授業を拝見するとともに、学生と日本語で意見交換をさせていただきまして、日本の文化に興味をもって日本語を学んでいるということを伺うことができました。文部科学省におきましては、現在、検討しております、日本語教育機関の認定制度でありますとか、また、日本語教師の新たな資格制度を含めまして、外国人の日本語教育施策の更なる充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 そして、2件目でございます。昨日15日に東北大学を訪問をいたしました。東北メディカル・メガバンク機構、そしてNanoTerasu(ナノテラス)、それから国際集積エレクトロニクス研究開発センターを視察をさせていただきまして、大野総長や学生さんたちと意見交換をさせていただきました。東北メディカル・バンク機構(注)では、健康調査の現場やバイオバンクなどを拝見をいたしまして、ゲノム医療の推進や被災地の復興に貢献されているところを実感をさせていただきました。また、次世代の放射光施設でございますNanoTerasu(ナノテラス)では、まさにイノベーションエコシステムの中核となるような最先端の施設が出来上がりつつあると実感をいたしました。さらに、エレクトロニクス研究開発センターでは、大学における本格的な半導体開発が実施できる世界でも珍しい研究環境等を拝見をいたしまして、我が国におけます半導体の技術の推進の重要性というものを改めて認識をしたところでございます。加えまして、学生さんたちの意見交換もさせていただきました。学生さん、大学院に行っていながらですね、起業した際の経験ですとか、また、寮生活におけます生の声というのも伺うことができました。今後も本視察の内容も踏まえまして、関連施策の充実に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 3件目でございます。今晩、官邸でございますが、岸田総理大臣、そして高市宇宙政策担当大臣とともに、国際宇宙ステーション、これISSになります、に滞在中の若田光一宇宙飛行士と交信をするイベントを開催予定でございます。本イベントを通じまして、若田飛行士を激励するとともに、若田飛行士から今後のISSや、また、月探査におけます有人宇宙活動への活動の思いですね、それから、宇宙を志す青少年への期待などをお伺いしたいと考えているところでございます。なお、若田飛行士が担当されましたISSの「きぼう」ロボットプログラミング競技会の日本代表の大学生さんも、一緒になりまして、登壇の予定になっております。イベントの様子はYouTubeでも生中継されますので、ぜひご覧いただければと思っております。以上でございます。
(注)「東北メディカル・バンク機構」と発言しましたが、正しくは「東北メディカル・メガバンク機構」です。

記者)
 幹事社から2問、伺いたいと思います。1つ目は、先日の追加の質問権行使に関してです。この狙いと、1月6日が回答期限だと思うんですが、これ以降のスケジュールに関して大臣の見解をお聞かせください。急遽、2問目なんですけれども、今朝のNHKのニュースで、部活動の地域移行について、指導者や施設の確保が難しいという指摘がなされて来年度は調査を行うなど対応を見直すことになったと報道が出ています。これの真偽と、仮に事実であった場合は、2025年度末までの3年間で地域移行を行うという目標に影響がすると思うんですけれども、目標の断念であったり、変更というのは考えていらっしゃるのか、これをちょっと、急遽、2問目でお聞きしたいと思います。

大臣)
 14日に、旧統一教会に対します2回目の報告徴収・質問権の行使に当たりまして、宗教法人審議会への諮問を行い、そして委員全員の一致をした意見といたしまして、「諮問のとおり、報告を求めることは相当と認める」との答申をいただいたところでございます。これを踏まえまして、同日の夕刻になりますけれども、旧統一教会に対しまして、まず1つ目は裁判等の関係事項、そして2つ目はいわゆるコンプライアンス宣言の関係事項について、来年の1月6日(金曜日)になりますけれども、提出期限といたしまして、報告を求める旨の通知を発出いたしました。本通知につきましては、昨日15日に、先方に到着したとの報告を受けているところでございます。今後のスケジュールについてでございますが、予断を持って申し上げることは控えさせていただきたいと思っております。文部科学省といたしましては、報告徴収・質問権の効果的な行使を通じまして、旧統一教会の業務等に関して、具体的な証拠や、また、資料などを伴います客観的な事実を明らかにいたしまして、その上で法に則りまして、必要な措置を講じてまいりたいと考えているところでございます。
 2つ目で、よろしいですか、やはり、少子化の中で子供たちが継続してスポーツや文化に親しむ機会を確保するために、部活動の地域移行や地域スポーツ・文化クラブ活動への移行に向けた環境整備に取り組む、これは大変必要であると、そう考えております。文部科学省といたしましては、引き続きまして、地域の事情を踏まえながら、令和5年度からの部活動のですね、地域移行、それから、その地域移行の取組、これをしっかりと進めてまいる所存でございます。

記者)
 岸田首相がずっと表明されている、子ども予算の倍増の方針ということについて伺いたいと思います。14日の政府の全世代型社会保障構築会議で、この方針に基づきまして、来年6月と9月の骨太の方針で道筋を描くという方向だったと思うんですけれども、こうして倍増される子供予算の中に、文部科学省としてどのような政策を組み込んでいきたいとお考えなのか。就学支援制度の拡充などもあるかもしれませんけれども、初等中等教育局関連などでですね、学校関連に関わる部分もあれば、併せて教えていただければと思います。

大臣)
 いわゆる「こども政策」に関する予算につきましては、こども家庭庁の下で、子供の視点に立ってですね、必要な政策が何かということをしっかりと議論をした上で、体系的に取りまとめられるものと承知をしております。なお、教育費につきましては、ご承知の通り、夫婦が理想の数の子供を持てない理由、持たない理由といたしまして、やはり子育てであるとか、また、教育にお金がかかり過ぎるということを挙げている方の割合が最も高くなっております。そういう状況が続いておりますのでその軽減が必要と、そういうふうに考えているわけでございますが、文部科学省といたしましては、これまで幼児期から高等教育まで切れ目のない形で教育費の負担軽減を図ってきておりまして、多子世帯への支援をはじめ、また、修学支援の拡充ですね、これも含めまして、教育予算を、引き続きまして、着実に確保することで教育政策の充実を進めていきたいと考えております。そして、子供の政策にどのようなものを含むかというご質問でございますけれども、現段階におきましては、文部科学省として、具体的にお答えすることは、申し訳ないですけれども差し控えさせていただければと思っております。以上です。

記者)
 ちょっと話は変わるんですが、防衛予算について、閣僚の一人ということでお聞きしたいと思います。国家の存立を考えたときにですね、防衛に関する議論が活発になされるわけですね。今般の国際情勢も含めて、大変健全なことだと考えております。ただ一方でですね、昨今の議論ですけれども、防衛予算自体の額、また、議論の進め方、それと増税に関わる部分ですとか財源の在り方についてですね、様々な意見が出ているところかと思います。最近の報道を見ていますと、しばしば閣内不一致であるとか、与党内に多様な意見があるということも伝ってきております。そうしたことを踏まえてですね、閣僚の一員として、大臣のご見解をお伺いできればと思います。

大臣)
 防衛力強化のための財源確保につきましては、やはり、担当閣僚でございます財務大臣にお尋ねいただければというふうに考えております。防衛力強化のための税制措置につきましては、現在、もう議論が終わりまして、まとまりましたので、そういうところでは、私の立場からですね、他の閣僚の意見につきましてのコメントというのは、申し訳ないですが差し控えさせていただければと思っております。以上です。

記者)
 先ほどお話がありました部活動の地域移行について、重ねての質問なんですけれども、先ほど、大臣、令和5年度からの地域移行ということをおっしゃっていたので、来年度から地域移行をやっていくということだと理解したんですけれども、25年度末までの目標、これ、変更ですとか、その辺りのお考えというのがどういったものかお答えいただけますでしょうか。

大臣)
 令和5年度からのスタートですね、これはしっかりとやらせていただきますけれども、やはりその中できちんとやらなければいけないけれども、やはり地域によりまして、1,700以上の自治体がございますし、また、その中でも、お隣の学校でも地域事情というものが変わります。ですから、それこそですね、自治体とそれから学校と先生方、またPTA、そして地域の方々、そして文部科学省といたしましても、しっかりと連携をして、一つ一つの課題を克服するためにですね、やらせていただきたいというふうに考えております。25年度末までということは、軽々にそれを外すということは申し上げられませんけれども、議論をしながら、検討しながら進めさせていただきたいと思っているところでございます。

記者)
 すみません、今のところ、そうすると、25年度末までの目標というのを外すということは、今はないということですか。

大臣)
 そうですね。検討させていただきますけれども、やはり、地域それぞれ違いますので、学校それぞれ違いますので、その地域事情に合わせていろいろな課題が出てくるかと思いますが、スタートすればですね、対応させていただきながら進めていきたいと思っております。

記者)
 統一教会問題についてお伺いします。全国霊感商法対策弁護士連絡会は、被害者救済法が成立した12月10日の記者会見で、これは第1ステップに過ぎないと述べ、児童虐待や教育の問題、海外の邦人保護、宗教法人法の改正から政治家と統一教会との関係の問題などと並んで、北朝鮮や南米など海外への送金、日本の国家安全保障を脅かす問題に至るまで省庁横断的な取組の必要性を指摘しました。韓国の本部の指示で集められた日本の統一教会の資金が韓国の本部から北朝鮮へ送られ、数千億円もの資金が北朝鮮の核ミサイル開発に使われた可能性も指摘されています。統一教会問題は、今後、国内の一宗教法人の問題で済ませることはできず、国際的な組織犯罪としての対応が必要になってくると思われますが、文部科学省は、この点についてどこまで徹底的に向き合う覚悟でいらっしゃるのか、ぜひ永岡大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 いろいろな問題があるということは承知をしております。しかしながら、今、私たち、この文部科学省の中で、宗教法人法に基づきまして報告徴収・質問権の、これは、しっかりとやっていかなければいけないということでそれを実行しているところでございます。そういう中でですね、いろいろな問題というのは、この、私たちがやっております解散請求の要請がですね、できるかどうかというところに関わっているかと思っておりますので、まずはそちらをしっかりとやると。それでいろいろな問題がありますね。やはり、宗教2世の問題であるとか、あります、いろいろと。送金問題、ありますね。しかしながら、それを文部科学省の大臣として、大括りにこうやらなきゃというような話ではないので、それはまた政府全体でしっかり考えて対応していくということになりますので、ご承知いただければと思っております。

記者)
 今のに関連して、2回目の質問権行使を、先日行ったと思うんですが、今後、対面で聞き取りをすることを検討されてますでしょうか。

大臣)
 今回の報告徴収・質問権の行使は、旧統一教会に対しまして、裁判の関係事項ですね、といわれる事項と、それからあと、いわゆるコンプライアンス宣言の関係事項について資料の提出を求めているものでございまして、今現在では、対面での聞き取り等を行うということは予定はしておりません。

記者)
 繰り返し行ったり来たりで申し訳ないんですが、部活動の話にもう一度お願いしたいんですが、念押しで確認させてください、大事なところなので。有識者会議がですね、提言でまとめた25年度末という目途、これを外す、つまり延ばすということも検討なさるということでいいのでしょうかっていうことをお聞かせください。つまり、可能性として、それもあるということでしょうか。

大臣)
 先ほどから申し上げておりますように、やはり、部活動の地域連携や地域スポーツ・文化クラブ活動への移行ですね、これに向けた環境整備に取り組む必要というのは大変重要でございますので、それに向かいまして、しっかりと頑張らなければいけないと思っております。また、令和5年度からの部活動の地域移行、地域移行の取組ですね、これもしっかりと進めてまいりますが、今現在ですね、25年度末に終了というようなことは考えておりません。しかしながら、いろいろとあるでしょうから、地域によって、また学校によって、それぞれ問題点が出てくると。いくらサポートしてもちょっとできないよということがあるかもしれませんが、そういう点におきましては、そのときそのときでですね、検討を加えながら、この対応をしていきたいと思っております。

記者)
 もちろん、個別事情、地域の事情があるということで、その検討は欠かせないというのはよくわかるんですが、まさに「改革集中期間」というところで設けているこの文言、かなり各地方の関係者にとっては重い、一つの文言だと思うんですけれども、これを、こんな質問で恐縮なんですが、25年度末というものを延ばすということもあり得るということですか。

大臣)
 ここで検討していない事柄についてお話することはできませんが、しっかりと、進捗状況を見ながら検討させていただければと思っております。

記者)
 核融合の発言について、先日、アメリカの研究機関が、強力なレーザーを使うことで投入した量を上回るエネルギーを発生させることに成功したということで、大きな成果として注目されます。これ、この成果に対して、大臣はどのように受け止めてらっしゃるのか伺わせてください。

大臣)
 核融合、これは開発途上の技術でございます。いろいろなやり方がありまして、トカマク型ですとかヘリカル型ですとか、あと、今おっしゃいましたレーザー方式ですね、いろいろあります。そんな中で、プラズマが十分な温度と密度を長時間維持できるかということが課題でございまして、今言ったような方式が開発されつつあるというところでございます。日本におきましては、ITERのような磁場閉じ込め方式におきましても、過去、我が国において、核融合燃料を使用したと想定して、密度と温度から換算した場合に、入力よりも出力エネルギーが大きくなる成果を得ております。文部科学省といたしましては、このような多様な学術研究を推進することが重要でございまして、引き続きまして、核融合発電の実現に必要となる技術の研究開発を戦略的に推進してまいりたいと考えているところでございます。以上です。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室