永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和4年12月13日)

令和4年12月13日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果、防衛費増額のための増税について、給付型奨学金の対象拡大について、旧統一教会に対する質問権・報告徴収について、民間による宇宙活動への支援について

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年12月13日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年12月13日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年12月13日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 それでは、本日、私から1件ございます。
 本日、「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」を公表いたします。ご協力いただいた学校関係者の方々に、まずは感謝を申し上げます。調査結果におきまして、通常の学級に在籍し、学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は、小学校・中学校においては8.8%、そして高等学校においては2.2%という結果でございました。文部科学省といたしましては、現在、「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議」を立ち上げております。本調査の結果を踏まえまして、通級による指導の充実など、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒への支援について検討を進めてまいります。以上でございます。

記者)
 2問伺いたいと思います。1問目は、冒頭に関連してで、発達障害の可能性のある児童生徒への支援策ということなんですけど、通級指導の拡大、今触れていただいたんですが、今後、拡大に向けて、どのような働きかけを学校にされていく考えなのか、また、特別支援教育について専門知識を持つ教員をどのように養成していこうと考えているか、大臣の考えをお聞かせください。2つ目は全然違う話題で、防衛費の増額に関して伺います。岸田首相は増額の一部について、増税で賄う方針を表明しました。一方で、高市早苗経済安全保障担当大臣が、総理の真意が理解できないとツイッターに投稿するなど、閣内から異論が出ています。防衛費増額の一部を増税で賄う方針について、大臣の考えをお聞かせください。以上、2問です。

大臣)
 ご質問を2ついただきました。まずは教育的支援の方についてでございます。
 文部科学省におきましては、現在、「通常の学級に在籍をする障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議」を立ち上げて、議論を進めているところでございます。今回の調査結果を踏まえまして、他校に通わなくても自分のいる学校で通級による指導を受けられるよう指導の充実を図るなど、通級によります指導の充実について、今後検討を行いまして、年度内に取りまとる予定でございます。通級による指導担当教員の基礎定数化、これ、着実に実施をしていくつもりでございますし、また、全ての新規の採用教員ですね、がおおむね10年目までに特別支援学級を複数年度経験をすることを促すということも考えているところでございます。それとですね、特別支援に関する科目の必修化というのも、教職課程においてしっかりと実施をしていく予定でございます。以上です。
 それと、防衛力強化のための財源確保についてのご質問でございますが、やはり、担当閣僚でございます財務大臣に、まずは、お尋ねいただきたいと思います。防衛力強化に係ります歳出・歳入の面での、両面での財源確保の具体的内容をですね、これから年末にかけまして、一体的に決定するとの認識は閣内で共有をされているところでございます。以上です。

記者)
 高等教育の修学支援制度について伺いたいと思います。昨日の検討会議で報告案が了承されまして、子供3人以上の多子世帯と理工農学の学生について、2024年から支援を拡充するということです。質問、3点ほどありまして、1つは教育費の負担軽減が一歩進むと思うんですが、このテーマは大臣の就任時から入れ込んでいたと思いますので、ぜひその受け止めを伺いたいというのが1点です。もう1つは、この報告案では、教育費の負担軽減が少子化対策と非常に関連させて位置付けられています。これまで低所得者対策だったと思うんですけれども、少子化対策としての教育費負担軽減の効果をどう受け止めてらっしゃるか。それと、3つ目は財源問題です。これ、実際、具体的に一体いくらの所得の方がいくらぐらいの支援をもらえるかということは、財源と併せて政府内で調整ということになっていますけれども、この財源の問題についてですね、どのように、教育国債という意見もありますけれども、どのようにお考えか伺いたいと思います。

大臣)
 やはり、高等教育の修学支援の新制度の在り方につきまして、検討会では、今年5月にですね、教育未来創造会議第一次提言を踏まえまして、負担軽減に必要な、本当に必要性の高い多子世帯や、また、理工農系の学生等の中間層に拡大するとの方向性について、その具体化に向けまして、制度設計について検討をしていただきました。昨日は、同会議の報告案が審議されまして、例えば多子世帯の範囲は扶養する子供が3人以上の世帯とするなど、修学支援新制度の見直しについて、大筋で方向性が了承されたということでございます。また、令和6年度から着実に実行できますように、新たな支援区分の具体的な所得基準等につきまして、早急に政府内部で調整をしてまいりたいと考えております。この検討会議におきましても議論してまいりましたように、夫婦が、何人子供が欲しいなという理想の数ですね、の子供の数をなかなか持てない、何人欲しいと、たくさん欲しいと思ってもなかなか持てない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」ということを挙げる方というのが、大変割合が多ございます。これ、若い夫婦ほどその傾向が強く出ているようですね。特に、理想の子供の数が3人以上だけれども予定はそれを下回る夫婦におきまして「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」ということを選択する割合が大変高くなっています。教育費の中でも高等教育にかかる費用負担は大きくて、今般の中間層への支援の拡大を通じまして、子供を安心して産み育てることができる環境の整備を図ることで、我が国におけます急速な少子化の進展への対処に寄与することができると考えております。また、財源につきましてですけれども、これはですね、安定財源の確保ということにつきましては、慎重に検討しなければいけませんので、これは今後ですね、政府内部で、財源を含めた検討、これをしっかりとさせていただきたいと考えております。

記者)
 安定財源は、まさに防衛費の問題もあるので、なかなか財源というのは難しいのはわかるんですけども、一方で、子供の教育については将来への投資で、人材というですね、宝が、将来の日本に残るのだから、これは今の世代が税金を増やして賄うのではなくて、国債を出して将来の負担としてもいいのではないかというのが、自民党などでもですね、きちんと出ています。

大臣)
 教育国債についてですけれども、やはり、支援をどうやって実現するかというのは、やはり、財源と併せて、今後、政府内部において検討することとなります。そんな中では、経済的困難によりまして、学生さんたちがですね、進学、また、修学を断念することがないように、修学の支援の新制度の中間層の拡大について、着実に実施をしてまいりたいということが基本でございますので、そこのところは、先ほども申し上げましたように、安定財源の確保につきましては、今後、政府内でしっかりと財源の議論・検討を進めてまいる所存でございます。

記者)
 また、お答えにくい質問になるのかもしれませんが、旧統一教会の方から9日に回答があったと思いますが、分析が順調に進んでいるかということと、今度また14日に、第2回目の審議会を開いて、答申がされるという発言がすでにありましたけれども、差し支えない範囲でどのようなご質問がなされるご予定なのか。それとあと、統一教会側から、質問権の行使は違法であるのではないか、そういう意見が出ているということも報じられておりますけれども、これについて大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 申し訳ございません。やはり旧統一教会とのやりとりの、また、有無もですね、含めまして、お答えはですね、差し控えさせていただければと思います。ただし、文部科学省といたしましては、今回の旧統一教会に対します報告徴収・質問権の行使は、行使の一般的な基準を定めた上で有識者から構成されます宗教法人審議会への諮問・承認を得るなど、適正な手続きを踏んだものでございまして、適法なものと、そういうふうに考えております。既にもうご承知の通り、14日(水曜日)ですね、に宗教法人審議会を開催いたしまして、2回目の報告徴収・質問権について諮問を行うこととしているところは事実でございます。以上です。

記者)
 冒頭発言に関連してお尋ねします。発達障害の可能性がある児童生徒が8.8%いるという調査結果ですけれども、この8.8%という数字について、大臣の率直な感想をお聞きしたいです。多いと思うのか、実態に数字が追いついてきたと捉えていらっしゃるのか。また、調査結果では、校内委員会で支援が必要だと判断した割合が3割弱で、組織的な対応で課題も見られました。その辺りのフォローをどうしていくのかについてもお聞きできればと思います。

大臣)
 増加の理由を特定することはですね、やはりちょっと困難なのかな、というふうに思います。しかしながら、通常の学級の担任も含みます教師ですとか、また、保護者の特別支援教育に関する理解が相当進んだのかなというふうに考えることもできます。今まで見過ごされてきた、やはり困難のある子供たちを、よりそういう子たちに、より目を向けやすくなった、理解が深まりましたので、そういうふうになったことが一つの理由として考えられます。その他に、やはり子供たちの生活習慣ですね、やそれを取り巻く環境の変化による影響も可能性としては考えられるというふうに感じております。また、今、コロナの話もございましたね、新型コロナウイルス感染症の影響につきましても、本調査に関します有識者会議におきましてご議論をいただきましたけれども、やはり、それを示します客観的なデータがないことから増加要因としてはあげてないというふうになっております。また、通級によります指導というのは、やはり市区町村の教育委員会が設置をしておりまして、教育支援の委員会ですとか校内委員会ですね、などでの学びの場の検討等によりまして、本人ですとか、あと保護者の意向も踏まえまして判断されるものなんですね。ですから、今回の調査結果におきましては、通級によります指導を受けている児童生徒の割合が前回調査よりも増加しておりまして、現在、通級指導担当の教員の基礎定数化を図っているところでございまして、今後ですね、通級による指導を受けることができる児童生徒は更に増えてくるかなというふうに考えております。「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議」におきまして、通級の充実について検討しているところでございますので、引き続きまして、困難を抱える児童生徒の支援、これ、しっかりと対応させていただきたいと考えております。以上です。

記者)
 民間の宇宙ビジネスに関して伺います。先日、月面への着陸を目指す日本のベンチャー企業の着陸船が、アメリカの民間のロケットで打ち上げられましたけれども、国内ではそれ以外の様々な企業が宇宙ビジネスに参入していますし、この1年で盛り上がりを感じているところです。ここで、今回の打上げの成功の受け止めとですね、広く、日本の民間の宇宙ビジネスの発展に向けて、文科省としてどういう取組をしているのか。また、国と民間がどう役割を分担していくのかという大臣のお考えを伺わせてください。

大臣)
 ご指摘の報道につきましては承知をしております。やはり、日本の企業による宇宙の活動ですね、これが活発化していくということは、大変、私も喜んでいるところでございます。我が国の宇宙産業の競争力強化と宇宙技術の発展に向けまして、官民協力の下で、やはり宇宙開発に取り組むことがますます本当に重要になってきたと、そういうふうに考えております。このために、例えばJAXAにおけます、ロケットや衛星の開発、それから、衛星データの利用等ですね、までの幅広い民間企業との連携というのが現在も行われておりますので、様々な業種におけますそういう方々の宇宙事業に参画することを期待したいと考えております。官民の協業によりますプログラム、これ「J-SPARC」と言うんですけれども、これを積極的に進めていきたいというふうに考えているところでございます。文部科学省といたしましては、引き続きまして、JAXAと民間企業との連携・協業の促進等を通じまして、宇宙活動への意欲ある民間企業の参画を促してまいりたいと考えております。

記者)
 旧統一教会に関連してなんですけれども、9日にあった宗務課長による記者ブリーフィングの説明の中で、2回目の質問権行使をこれからするということによって、事実上、年内の解散命令請求はできないという趣旨の発言があったんですけれども、大臣としても同じようなお考えということでよろしいでしょうか。

大臣)
 解散命令請求につきまして、現段階で予断をもってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思っております。先般ですね、事務的にお知らせをした通りに、文部科学省としては、今週の14日に宗教法人審議会を開催いたしまして、2回目の報告徴収・質問権に関して諮問することとしております。今回と、前回と同様にですね、審議会の終了後、今後のスケジュールを含めまして、事務方からご説明をする機会を設けさせていただきたいと考えておりますので、詳細は、その際にお伝えさせていただきます。よろしくお願いいたします。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室