永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和4年11月15日)

令和4年11月15日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

キーワード

国際卓越研究大学法の施行、基本方針の決定,大規模な国際又は国内競技大会の組織委員会等の在り方検討プロジェクトチームの設置,新型コロナ第8波に対する学校の備え、児童生徒のワクチン接種促進,旧統一教会への質問権行使に係る宗教法人審議会でのスケジュール及び議論の公開,東京工業大学の入試における「女子枠」導入,文化庁宗務課の京都移転,LGBT法案

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年11月15日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年11月15日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年11月15日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、私からは冒頭、2件ございます。
 本日、国際卓越研究大学法が施行されました。また、本日付けで、制度の意義、大学ファンドの支援対象大学の認定等に関します基本的な事項を定めます基本方針を決定いたします。年内には公募を開始する予定でございまして、世界最高水準の研究大学の実現に向けまして、着実に取り組んでまいります。今般の総合経済対策におきまして「地域の中核大学や特定の研究分野に強みを持つ大学の強化や、若手研究者の育成に向けました支援強化に取り組む」とされたことを合わせまして、この施策を総動員をいたしまして、我が国の全体のですね、研究力の向上に取り組んでまいる所存でございます。
 2件目でございます。今週18日(金曜日)でございますが、スポーツ庁とJOCが中心となりまして「大規模な国際又は国内競技大会の組織委員会等のガバナンス体制等の在り方検討プロジェクトチーム」を立ち上げることになりました。本プロジェクトチームでは、清算法人であります組織委員会の協力も得ながら、スポーツ政策の推進に関します円卓会議を構成する関係団体の代表に加えまして、中立的・専門的立場から弁護士さんとか公認会計士、そして、札幌市や今後予定されております国際競技大会関係者にもですね、参加をしてもらいまして議論を行っていきたいと考えている所存でございます。
 以上でございます。

記者)
 新型コロナ対策でお聞きしたいと思います。感染者が全体的に増加傾向ということになって、第8波という、近付いているような気配もあります。その一方でですね、教育現場といたしましては、今後、受験シーズンが本格化することもあり教育の機会の確保と感染対策というのがこれまで通り強く推進しなければいけない課題であると思います。そんな中でですね、ワクチン接種に関してなんですが、専門家の方々が若年層のワクチン接種についても推奨しているところがあるんですが、なかなか割合というかですね、数が、接種者数というのが、若年層を中心にあまり伸びていないのかなという印象も受けます。で、学校現場でですね、ワクチンを接種した子供と接種していない子供の間で分断が起きないような形でですね、これまでも取り組んでらっしゃるというところから、子供の接種如何というのはなかなか触れるのは難しいところもあると思いますが、そうした立場も踏まえながらですね、改めて、コロナ対策についてどのようなお考えかというのをお聞きできればと思います。

大臣)
 児童生徒の新型コロナワクチンにつきましては、例えばですね、5歳から11年まで2回目接種を受けた方というのは、全体の約2割でございます。他の年代と比べましても、やはり低い水準に留まっているというのが現実でございます。政府では、オミクロン株対応ワクチンにつきまして、重症予防効果が高く、今後の変異株に対しても有効と期待されていることから、希望する全ての対象者が年内にですね、接種できるよう必要な取組を進めているところでありまして、児童生徒につきましても、本人や、また保護者の方がですね、主体的に接種の判断ができるようにですね、引き続きまして、厚生労働省と協力をいたしまして、児童生徒や保護者に対する広報等に取り組んでまいりたいと考えております。このほかですね、先日閣議決定されました令和4年度の第2次補正予算案におきましては、効果的な換気対策をはじめ、学校におけます感染対策を支援するための経費を計上したところでありまして、これらの取組を通じまして、引き続きまして、感染拡大を防止しながら学校教育活動を継続していくための各地域の取組を支援してまいりたいと考えております。

記者)
 質問権行使についてお尋ねします。宗教法人審議会の諮問についてなんですけれども、今までも触れていただいているんですが、この諮問内容というのはですね、国民の関心は非常に高いと思うんですけれども、公開の在り方についてどのように考えていらっしゃるかというのを大臣にお伺いしたいなと思います。あわせて、スケジュール感、その後進展があればお願いします。

大臣)
 今のご質問、これから文化庁はどうするかということ、それも今おっしゃったんですけど、スケジュール感のことですね。

記者)
 諮問内容について、前回、あまり公にできないようなことをおっしゃっていたと思うんですけど、改めて公にできないのかどうかと、できないのであればどういう理由でなのかというのを。

大臣)
 確かにお話いただきました通り、前回の会見でもですね、話した通り、現在、宗教法人審議会に諮問いたします具体的な事項とその理由ですね、その精査等を進めているところであります。できるだけ速やかに宗教法人審議会を開催したいと考えております。実際にですね、諮問する際の情報の取扱いにつきましては、やはり何といっても、効果的な権限の行使をできる、行使をするという観点からですね、事務方において検討を進めているところでございますので、詳しくはですね、事務方の方に聞いていただければというふうに思っております。

記者)
 一応、確認なんですけれど、前回同様で、なかなか公表できないかなというのが大臣の今のところのお考えですか。

大臣)
 そうですね。そういうことになりますね。それはやはり、有効的に権限を行使するという観点からですね、質問に関する情報等はですね、やはり審議会の方々に審議をしていただいて。それでゴーのサインが出るわけですので、そこのところをやはり公表するということは、私の方からは差し控えさせていただければと思っております。

事務方)
 ちょっと補足します。現状におきまして、審議会の方で報告徴収・質問権について諮問したことはないということでございますので、現在の審議会の申し合わせに、報告徴収・質問権の内容をどう扱うのか公表していくのかについては明確な規定がないということでございますので、まず、この審議の内容をどう取り扱っていくかについては、まずは審議会の方でご議論いただきたいというふうに考えているところでございまして、その結果を踏まえて対応していきたいと考えております。

記者)
 大学入試関連でお尋ねします。東京工業大学が、先日、募集人数の14%に当たる女子枠を創設するという入試改革を発表しました。文部科学省も理工系分野の女子を増やす考えを示されていますけれども、東工大の取組について受け止めをお願いします。また、一方で、男子にとっては不公平になるのではないかという批判もあります。この点についても大臣の見解をお聞かせください。

大臣)
 東京工業大学がですね、11月10日に、令和6年度の入学者選抜から順次、女性を対象とした選抜区分を設けることについて発表したことは承知をしております。理工系学部を卒業した学生が、男女を問わず産業界では、強くですね、求められておりますが、その中でも、これまで男性が多数を占めてきました理工系の分野につきましては、多くの女性が活躍していくことが特に期待をされているわけでございます。このような背景も踏まえまして、文部科学省におきましては、大学入学者選抜の実施要項に今年度から理工系の女子などを対象とした入学者の多様性を確保する選抜の実施について新たに盛り込みまして、各大学の取組が進むことを期待をしているところでございます。一方で、今お話ありましたように、男子への逆差別と捉えられることのないように、このような選抜を実施する趣旨ですとか方法については、社会に対して合理的な説明を行うことが必要だと思っております。また、入学志願者の学力についてもですね、適切に評価をした上で、各大学が合否の判定をすることが重要と考えている次第でございます。

記者)
 冒頭ございましたスポーツ庁とJOCなどの新しいプロジェクトチームのことについてお伺いします。東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件が起きた中で、国民のスポーツに対する不信感・疑念も広がっている中で、こういったプロジェクトチームを立ち上げる狙いと意義についてお聞かせください。

大臣)
 やはりですね、今回の事案、なぜ今回の東京オリパラの組織委員会の中での収賄事件というものが今回なぜ発生したかという、やはり原因の究明が重要ということも考えますし、また、組織としての責任がどこにあったのかという点につきましても、大変重要な案件だと思っております。当事者であります清算法人である組織委員会がですね、責任を持って対応するべきものとは考えてはおりますけれども、一方でですね、今回の検討プロジェクトチームというのは、あくまで今後のですね、国際競技大会等の運営の透明化、そして公正化に向けましての検討でございまして、今後の刑事手続に支障がきたさないように、かつ守秘義務に違反をしない範囲でですね、組織委員会からの情報提供や元職員の方々からの一般的な組織体制や制度等についてのヒアリングを通じて、中立的な立場であります弁護士さんとか会計士の専門家の分析もお願いいたしまして、制度の不備や改善点を明確にいたしまして、今後の再発防止につなげる、そういう指針を作成をしたいということでございます。

記者)
 宗務課の体制についてお尋ねします。先日の文部科学委員会は、宗務課に関しては、京都移転に関して延期、あとはペンディングを求める発言が出ております。大臣としては、宗務課の移転に関してどのようにスケジュール感をみていらっしゃるか改めてお聞きしたいと思います。

大臣)
 文化庁の京都移転につきましては、来年3月以降の移転に向けまして、現在準備を着実に進めているところでございます。その際ですね、今お話ありましたように、宗務課など京都移転の対象となる組織が担当する業務におきまして、東京で対処しなければならない課題が生じた場合にはですね、東京を拠点とした対応をとることが重要であると考えているところです。文化庁では、こうした事態に備えまして、令和5年度に向けまして、東京でも職務を遂行するために必要となる旅費ですとか、あとは東京・京都間の連絡・連携をしっかりと図るためのですね、オンラインの環境整備等の諸経費等をですね、予算要求に盛り込むとともにですね、文化庁の体制を強化するなど必要な準備、これをしっかりと進めてまいります。

記者)
 前回もですね、宗務課全員が京都に移転するのは難しいと、大臣、ご発言もありましたが、あの、大枠では後ろ倒しにするとか、スケジュールをですね、後ろ倒しにするとか、大きな見直しは、今のところは考えていないという理解でよろしいでしょうか。

大臣)
 宗務課につきましては、旧統一教会に対する報告徴収・質問権の行使に向けました準備等に、今取り組んでいるところでございまして、こうした取組の状況等をですね、踏まえながら、来年3月以降の具体的な対応の仕方について今後検討してまいりたいと考えております。なおですね、宗務課の定員の一部はですね、従来の宗務課の業務に従事する一方、今後、新たに報告徴収・質問権の行使等の検討業務に関わる職員の多くは、そもそも京都移転の対象ではない文化庁以外の部署や他省庁から協力者を得たということがありますので、その方たちは移転ということには初めからならないというふうに考えております。

記者)
 文部科学省とは直接関係ないんですけど、先週の衆議院の文部科学委員会で、LGBT理解増進法案が旧統一教会の影響があって自民党内で了承を得られなかったというのは重大な問題だという共産党の宮本議員からの質問に対して、大臣が、法案の合意ができず残念な気がしているという発言がありました。文科大臣というよりは一政治家としての発言であるかなと、この問題に取り組んでおられたかなと認識しているんですけれども、改めて、この法案に期待していた方もたくさんいると思いますが、国会提出に至らなかったことについて、大臣のお考えをお聞かせいただけたらと思います。

大臣)
 先般、委員会で宮本議員から、LGBTの理解増進法ですね、各与野党で議論をしてまとめられたと私も承知しておりましたので、これはもう、しっかりとOKが出たものだと思っておりましたので、これは成立するものと実は思っておりました。それが、私がちょっと気が付かないうちに流れてしまったということで大変驚いたということをお話しさせていただきたかったんですが、びっくりしたということでございました。以上です。

記者)
 冒頭でご発言があった国際卓越研究大学に関してなんですけれども、世界のトップレベルを目指すという趣旨から選ばれるのは数校ということで、それ以外の大学ですとか、日本全体の研究力向上に向けてその他の研究大学に関してどういった支援を行うのか。また、卓越大学を認定すること自体も、そういった数校以外の大学にもどういう影響があると考えてらっしゃるのかを伺わせてください。

大臣)
 国際卓越研究大学法が施行されましたというお話でございますので、これはこれとしましてね、他の大学、応募できない大学はいかがなものかというお話かと思っております。今回の補正予算では、科学技術・イノベーション関係で、我が国全体の研究力の発展に向けました地域中核・特色のある研究大学の振興、また、国際展開する大学発のスタートアップの創出に向けた支援というものが予定されております。新たにですね、基金を創設することにしておりまして、まずは、補正予算の成立に向けましてしっかりと取り組むことが重要と思っております。他の大学の皆さん方も、やはりやる気があると、素晴らしい取組だということであれば、基金の方からもしっかりと支援をするという状況になっております。以上です。

記者)
 もう1点、卓越大学を認定すること自体もですね、数校とかにとどまらない認定を、期待されているのかという点も伺わせてください。

大臣)
 両方大事かと思っております。やはり、今回の国際卓越研究大学につきましては、その水準ですね、相当高いものを見ておりますので、そこまで至らないけれどもやる気のある、そして、しっかりと計画が立っている大学には、予算を付けて支援をするということになりますので、それぞれの大学が今持っているものよりもですね、もっともっと上を目指して頑張るということを期待しているところです。

記者)
 先ほどの宗務課の移転の件なんですけれども、大臣は、東京、職務遂行に必要な旅費や連絡経費、オンライン関係諸経費などを計上しているとおっしゃったんですが、正直、それって移転しなければ発生しない経費なので、それを、お金を使うから大丈夫ですというのは、なかなか国民の理解は得られるのかなという感じがするんですが、そこはいかがでしょうか。

大臣)
 やはり、必要なものは必要ということで、移転をするに当たって必要なものというのはやはり必要経費の中に入ると思っております。しかしながら、国会があるのは東京でございますので、それに関係をした方たちが、やはり、出張したり、また、オンラインでの対応をするということは必要なことかなと思っております。全て京都だけでできるというものではないというふうに思っております。令和2年にですね、設置をされました、ごめんなさい、政府が掲げました平成28年3月、政府の関係機関移転基本方針ではですね、関係府省庁との調整役の政策の企画立案の業務について、現在と同等以上の機能が発揮されることを前提として移転をするということが決まっております。参事官、これは文化観光担当、そして食文化担当の参事官は、いずれも文化庁におけます当該関係府省庁との密接な連携が主要な任務となっておりますので、当初より東京勤務を主として作られたものではないということもご承知おきいただければと思っております。

記者)
 ごめんなさい、当初より東京勤務を云々というのは、宗務課のお話ですか。

大臣)
 いやいや、違います。宗務課は全て京都移転ということでございます。

記者)
 それが定められた当時は、こんなに宗務課が大変なことになるとはもちろん分かっていなかったわけで、なぜ、この問題が落ち着くまで、とりあえず宗務課だけペンディングしようという発想が、全くないというのはなぜなのかちょっと不思議なんですけれども。

大臣)
 それは、これからどういうふうに事態が展開していくか等も含めましてね、3月からは、3月の末から移転をするということが実行されますので、その時点で、また新たにですね、検討していくということになろうかと思っております。

記者)
 今、新たに検討していくとおっしゃったのは、それは3月末の時点で、ペンディングの。

大臣)
 そうですね。今現在、もう既に、今、今日引っ越しだよということになれば、なかなか大変かなというふうには思いますけれども、しかしながら、時が経ちます、そして、いろいろと、質問権の行使のこともあります。審議会の方々も、こちらで寄るということになります。いろいろなことがありますので、その時その時でですね、しっかりと、宗務課の方たたい、どういう方たちが残らなければいけないか、その時点で残らなければいけないかということを着実に考えていきたいということでございます。

(了)

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